これはコンビニ等に特有の「名ばかり管理職」と関係がある。
──
コンビニの食品は、販売期限が過ぎると、捨てられる。廃棄されたり、豚の餌になったりする。これは無駄であろう。というのは、まだ十分に食べられるものだからだ。販売期限というのは、賞味期限よりも早い。また、賞味期限は、消費期限よりも早い。実際には、販売期限を過ぎても、かなり時間を経ても大丈夫だ。
(ここまで、読売の記事から。朝刊・1面・コラム 2008-06-19 )
さらに言えば、食べる直前に加熱すれば、問題はほとんどなくなる。(味が変化する、という問題はさておき。)
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この点について、新聞ではしばしば、「豚の餌にすれば無駄でなくなる」という記事が出るが、人間の食べられるものを豚の餌にするのでは、大いに無駄であろう。せっかく大量のエネルギーと金をかけて品質を向上させたものを、ただのゴミみたいな配合飼料にしてしまうのでは、無駄の極みである。
( ※ 物理学的に明らか。せっかくエントロピーを減らしたのに、ふたたび増やす。そのためにエネルギーをかける。)
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では、どうすればいいか?
まず思いつくのは、「失業者などに無料配布する」ということだ。たとえば、救世軍みたいな奉仕団体が、安価または無償で譲り受けて、失業者などの朝食として無料配布する。しかしこれは、コンビニが嫌がるだろう。
(実際には、アメリカではそれをやっているのだが、日本のコンビニはエゴイストだから。奉仕概念もない。)
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となると、現実的な案は、次のことだ。
「販売期限の近づいたものを、値引きシールを貼って、安売りする」
たとえば1割〜5割の適当な割引額のシールを貼って、割引販売する。スーパーでは閉店間際によくやっている方式。ちっとも問題ではない。無駄を最小化するには、この方法が最適だろう。
しかしながら、現実には、これはコンビニではできない。スーパーではできるが、コンビニではできない。なぜなら、コンビニ統括会社が禁止しているからだ。
コンビニ統括会社は一律に「値引きシール禁止」という方針を打ち出す。そのもとで、販売数量をコントロールするが、値引き額のコントロールまではやらない。そういう販売システムなのである。
そして、その根本的な理由は、次のことだ。
「コンビニの各店には、商品価格を決める裁量権がない」
そのまた理由は、こうだ。
「コンビニの店員は、ただの被雇用者(平社員)にすぎない」
そのまた理由は、こうだ。
「コンビニの店長もまた、ただの店員にすぎない」
つまり、コンビニの店長は、何ら権限がない。もちろん、価格の裁量権もない。あくまで「名ばかり管理職」なのである。コンビニというのは、そういうシステムで成り立っているものなのだ。
こうして、価格の裁量権がないことゆえに、値引きもできなくなる。自由に値引きをする権限がないからだ。
( ※ 全国均一のシステムにすることが優先されるので、自由裁量権は極限にまで減らされる。)
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こうして、物事の本質がわかる。コンビニの店長が名ばかり管理職にすぎない、ということだ。そして、これは、あまりにも異常なことなのである。そういう異常なことがあるから、「食べられる食品を廃棄する」という異常なことも起こる。
つまり、「食べられる食品を廃棄する」という異常なことが起こる理由は、「コンビニの店長が名ばかり管理職にすぎない」という根源的な異常なことにある。
とすれば、問題の解決法も、明らかだろう。
「コンビニの店長に権限を与える」
ということだ。そこでは、労働時間も、賃金も、販売価格も、すべてを店長が自由に裁量で決める。「全国統一」というのは、通常の商品については当てはまるが、「値引き商品の価格」や「地域特産品の販売」などについては制約されない。……そういう自由さを認めればいい。そして、そうすれば、過労死のような問題もなくなる。
スーパーの店長には、十分な権限が与えられている。それと同様のことを、コンビニの店長にも与えるべきだ。
そうしないで、やたらと制約を与えるのは、好ましいことではない。そのことから、「名ばかり管理職」や「食品の無駄」ということが起こる。
──
私としては、現在のコンビニという経営形態は、法律で禁止した方がいいと思う。これは労働者を虐待する経営システムだからだ。そして、そのもとで、コンビニ統括会社が莫大な利益を上げて、コンビニ店長は虐待される。現代の蟹工船ですかね。
「コンビニは、フランチャイズ形態にすること。そこでは店長は価格や賃金や営業時間の全権限を委ねること」
これを法律で規定するべきだ。そして、この規定に反するような現在のコンビニという経営形態は、違法化するべきだ。
結論。
以上のことから、次のように結論できる。
「コンビニ会社は黒字だからすばらしい、という経済記事を書く新聞は、とんでもないことを報道している」
これはつまりは、
「労働者を虐待する蟹工船は、黒字だからすばらしい」
というのと同じである。とんでもない報道だ。朝日を含めて、新聞社がやたらとこういうことを書くから、世の中は悪化する。
「経済で大切なのは、企業の黒字じゃない」
ということを、しっかりとわきまえるべきだろう。
実は、「名ばかり管理職」をやめて権限を与える、というだけでは済まないようだ。もっと根源的に、契約上の規定があるので、どうしようもなく、ひどい状況を強いられているようだ。
ここには、コンビニ統括会社とコンビニ各店、という対立がある。以下に示す。(追記分)
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[ 付記1 ]
記事では、次の批判もあった。
「消費者も悪い。あまりにも鮮度を気にしすぎる」
だが、鮮度を気にすること自体は、別に悪くはあるまい。それで新しいものを欲しがるとしても、古いものを欲しがらないとしても、ちっとも悪くはない。市場原理に任せればいい。次のように。
「新しいものは高く。古いものは安く(割引する)」
そして、問題は、「そうすることができない」というところにある。つまり、価格の硬直性だ。……それが本項で論じたことだ。
[ 付記2 ]
ただし、「あまりにも鮮度を気にしすぎることが悪い」と言える場合もある。それは、次のことだ。
「賞味期限を過ぎたものを捨ててしまう」
そして、この問題は、次のことにある。
「消費期限と賞味期限(品質保持期限)の区別ができていない」
両者はまったく別のことなのだが、よく理解されていない。そして、その理由は、次のことにあるようだ。
「賞味期限と品質保持期限の区別をしてしまう」
この二つのことは同じことなのだが、適用される法令が異なるせいで、別の名称になっている。そのせいで、消費者は、何が何だかわからなくなってしまうようだ。
( → 参考サイト その1,その2 )
ともあれ、次のことを知らせることが大事だろう。
「賞味期限を過ぎても食べられる。単に味が落ちるだけだ」
「食べられるか否かは、経過時間よりも、保存状態の方が影響する。また、加熱するか否かでも左右される」
「生ものだけは、消費期限に注意して、なるべく早く食べるべきだ。また逆に、期限内であっても、冷蔵していなければ、危険である」
私としては次のことをお勧めしたい。
「買ったものはすぐに食べてしまう。食べきれないほど買わない。食べきれなかったら、調理後に、冷凍する。(解凍するだけで食べられるように。)」
最後の点がポイント。食材は残さずに、多めに調理してしまえばいいんですよ。あとはすぐに食べられるようにして。
【 関連項目 】
本項については、続報がある。後日、公取委がこの問題を摘発した。本項を書いたあとで、遅ればせながら、公取委も介入したわけだ。
→ http://openblog.meblog.biz/article/1416294.html
【 後日記 】( 2009-05-06 )
続報を記す。
現状は改善しつつあるようだ。公取委の摘発があったので。以下、記事の引用。
売れ残りによる廃棄を減らすため、販売期限前に弁当などを値下げして売る「見切り販売」を導入するコンビニエンスストア加盟店が各地で出始めた。公正取引委員会によるセブン―イレブン・ジャパンへの調査が判明した今年2月以降、見切りを始めた複数のオーナーが「廃棄が半分に減って利益が増えた」と話している。
1カ月間に出る廃棄の量は「半分以上も減った」。値下げをするため、売り上げは5%減(前年同月比)だったが、店が負担する廃棄代が減ったため利益は逆に3割以上増えた。
これまで「契約解除になりますよ」と高圧的だった本部指導員の態度が、ややおとなしくなったためだ。1日あたり最大で1万円分の商品を見切り販売した結果、廃棄の量は約半分に。売り場での混乱もなく安心していた。
本部指導員からは「全店に広がったらセブンはつぶれる」と言われた。
東京の他チェーンオーナーは「以前、見切り販売をしたいと訴えたとき『できないことになっている』と本部に言われた。報道をみて、ウソだとわかった」と憤る。複数の他チェーンオーナーが「セブン以外でも値引き制限がある」と、公取委に被害申告したという。
( → 朝日新聞・朝刊 2009-05-06 )
《 オマケ 》
すぐ上の引用記事には、次の記述があるが、誤り。
「飼料や肥料にリサイクルする活動も 03年から開始。すでに一部の総菜については、リサイクル肥料で育ったホウレンソウが使われているという。」
食品を廃棄して、飼料や肥料にすることは、「リサイクル」とは言わない。「廃棄物処理」にすぎない。それは「ゴミを出す」というのと同じだ。
これを「リサイクル」というのであれば、プラスチック類を焼却して熱源として利用することだって、「リサイクル」になる。しかしそういうのは通常、「リサイクル」とは言わないはずだ。(単に「ゴミの有効利用」にすぎない。)
では、どうすればいいか? 次のようにすればいい。
「いったん廃棄の扱いにしたあとで、それをホームレスなどに無償配布する」
これと同様のことはすでになされている。福祉関係者が善意の会社から賞味期限切れ寸前の食品を譲り受けて、ホームレスに頒布する。米国では広くなされているようだ。日本でもコンビニ食品について、同様のことができそうだ。
( ※ なお、「賞味期限切れ」は「品質保持期限切れ」とは異なるので、誤解しないよう。「味が落ちた」ということは、「腐って食えない」ということとは違う。 → Open ブログ「廃棄食品と省エネ」 )
タイムスタンプは、 右上にあるとおり。 ↑
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