◆ コンビニの食品の無駄の根源:  nando ブログ

2008年06月20日

◆ コンビニの食品の無駄の根源

 コンビニの食品が無駄に捨てられている。廃棄されたり、豚の餌になったりする。
 これはコンビニ等に特有の「名ばかり管理職」と関係がある。

 ──

 コンビニの食品は、販売期限が過ぎると、捨てられる。廃棄されたり、豚の餌になったりする。これは無駄であろう。というのは、まだ十分に食べられるものだからだ。販売期限というのは、賞味期限よりも早い。また、賞味期限は、消費期限よりも早い。実際には、販売期限を過ぎても、かなり時間を経ても大丈夫だ。
(ここまで、読売の記事から。朝刊・1面・コラム 2008-06-19 )

 さらに言えば、食べる直前に加熱すれば、問題はほとんどなくなる。(味が変化する、という問題はさておき。)

 ──

 この点について、新聞ではしばしば、「豚の餌にすれば無駄でなくなる」という記事が出るが、人間の食べられるものを豚の餌にするのでは、大いに無駄であろう。せっかく大量のエネルギーと金をかけて品質を向上させたものを、ただのゴミみたいな配合飼料にしてしまうのでは、無駄の極みである。
( ※ 物理学的に明らか。せっかくエントロピーを減らしたのに、ふたたび増やす。そのためにエネルギーをかける。)

 ──

 では、どうすればいいか? 
 まず思いつくのは、「失業者などに無料配布する」ということだ。たとえば、救世軍みたいな奉仕団体が、安価または無償で譲り受けて、失業者などの朝食として無料配布する。しかしこれは、コンビニが嫌がるだろう。
(実際には、アメリカではそれをやっているのだが、日本のコンビニはエゴイストだから。奉仕概念もない。)

 ──

 となると、現実的な案は、次のことだ。
 「販売期限の近づいたものを、値引きシールを貼って、安売りする」
 たとえば1割〜5割の適当な割引額のシールを貼って、割引販売する。スーパーでは閉店間際によくやっている方式。ちっとも問題ではない。無駄を最小化するには、この方法が最適だろう。

 しかしながら、現実には、これはコンビニではできない。スーパーではできるが、コンビニではできない。なぜなら、コンビニ統括会社が禁止しているからだ。
 コンビニ統括会社は一律に「値引きシール禁止」という方針を打ち出す。そのもとで、販売数量をコントロールするが、値引き額のコントロールまではやらない。そういう販売システムなのである。

 そして、その根本的な理由は、次のことだ。
 「コンビニの各店には、商品価格を決める裁量権がない」
 そのまた理由は、こうだ。
 「コンビニの店員は、ただの被雇用者(平社員)にすぎない」
 そのまた理由は、こうだ。
 「コンビニの店長もまた、ただの店員にすぎない」
 つまり、コンビニの店長は、何ら権限がない。もちろん、価格の裁量権もない。あくまで「名ばかり管理職」なのである。コンビニというのは、そういうシステムで成り立っているものなのだ。
 こうして、価格の裁量権がないことゆえに、値引きもできなくなる。自由に値引きをする権限がないからだ。
( ※ 全国均一のシステムにすることが優先されるので、自由裁量権は極限にまで減らされる。)

 ──

 こうして、物事の本質がわかる。コンビニの店長が名ばかり管理職にすぎない、ということだ。そして、これは、あまりにも異常なことなのである。そういう異常なことがあるから、「食べられる食品を廃棄する」という異常なことも起こる。
 つまり、「食べられる食品を廃棄する」という異常なことが起こる理由は、「コンビニの店長が名ばかり管理職にすぎない」という根源的な異常なことにある。
 
 とすれば、問題の解決法も、明らかだろう。
 「コンビニの店長に権限を与える」
 ということだ。そこでは、労働時間も、賃金も、販売価格も、すべてを店長が自由に裁量で決める。「全国統一」というのは、通常の商品については当てはまるが、「値引き商品の価格」や「地域特産品の販売」などについては制約されない。……そういう自由さを認めればいい。そして、そうすれば、過労死のような問題もなくなる。

 スーパーの店長には、十分な権限が与えられている。それと同様のことを、コンビニの店長にも与えるべきだ。
 そうしないで、やたらと制約を与えるのは、好ましいことではない。そのことから、「名ばかり管理職」や「食品の無駄」ということが起こる。

 ──

 私としては、現在のコンビニという経営形態は、法律で禁止した方がいいと思う。これは労働者を虐待する経営システムだからだ。そして、そのもとで、コンビニ統括会社が莫大な利益を上げて、コンビニ店長は虐待される。現代の蟹工船ですかね。
 「コンビニは、フランチャイズ形態にすること。そこでは店長は価格や賃金や営業時間の全権限を委ねること」
 これを法律で規定するべきだ。そして、この規定に反するような現在のコンビニという経営形態は、違法化するべきだ。

 結論。
 以上のことから、次のように結論できる。
 「コンビニ会社は黒字だからすばらしい、という経済記事を書く新聞は、とんでもないことを報道している」
 これはつまりは、
 「労働者を虐待する蟹工船は、黒字だからすばらしい」
 というのと同じである。とんでもない報道だ。朝日を含めて、新聞社がやたらとこういうことを書くから、世の中は悪化する。
 「経済で大切なのは、企業の黒字じゃない」
 ということを、しっかりとわきまえるべきだろう。



 実は、「名ばかり管理職」をやめて権限を与える、というだけでは済まないようだ。もっと根源的に、契約上の規定があるので、どうしようもなく、ひどい状況を強いられているようだ。
 ここには、コンビニ統括会社とコンビニ各店、という対立がある。以下に示す。(追記分)


  【 追記 】
 あとで調べたところ、別の問題もあるとわかった。コンビニ統括会社がひどい悪徳商法をしていることだ。それは、
 「廃棄すれば廃棄するほどコンビニ統括会社が儲かる」

 という経営システムだ。具体的には、次の通り。
  ・ 廃棄した分の損失は、コンビニ各店が負担する。
  ・ コンビニ統括会社は、廃棄した分からも利益を吸い取る。


 これは、常識的には、ありえないことだ。常識的には、次のようになる。
  「利益の分も、廃棄の分の損失も、全部込みにして、コンビニ各店とコンビニ統括会社が応分に負担する。」


 これならば、廃棄による損を、コンビニ統括会社も負担するので、コンビニ統括会社は、「なるべく廃棄の損を減らそう」とする。
 ところが現実には、「廃棄の損はコンビニ各店だけが負担する」のだから、いくら廃棄分が増えても、コンビニ統括会社はちっとも損しない。
 一方、コンビニ各店が仕入れ量を増やせば増やすほど、仕入れ量に比例して、コンビニ統括会社は利益が増える。
 双方を差し引きすると、「廃棄する量が増えれば増えるほど、コンビニ統括会社は利益が増えて、コンビニ各店は損をする」というふうになる。

 結論。

 廃棄の量が増えれば増えるほど、コンビニ各店からコンビニ統括会社へと、利益が移転する。そして、それをめざすため、コンビニ統括会社はコンビニ各店に廃棄を強要する。たくさん廃棄した店舗は優良店と見なされ、ほとんど廃棄しない店舗は劣悪店と見なされる。それに応じた処遇が待っている。


( ※ 出典は → 該当サイト1該当サイト2

 感想。

 ま、ほとんど詐欺みたいなシステムですね。それにしても、こんな犯罪まがいのことをやっているとは、思わなかった。
( ※ ただし、コンビニの店舗経営がものすごく苦しい、ということは、かねがね伝え聞いていた。利益のほとんどをコンビニ統括会社に吸い取られるということだが、その理由は、こんなところにもあったわけだ。ほとんど収奪システムと言えよう。「泥棒」か「詐欺」に近いね。)
( ※ よく考えると、これは違法だといってよさそうだ。独占禁止法の「優越的立場の乱用」に当たるからだ。……とはいえ、日本という国では、独占禁止法はほとんど有名無実化している。こういう違法国家状態が根源なのかも。)

 ──

 【 注記 】
 このことは、「名ばかり管理職」と無関係であるわけではない。契約によって、コンビニ各店の権限を奪っているのだから、実質的には「名ばかり管理職」と同じことである。そのことを「権限」でなく「契約」によって規定しているだけだ。
 そして、なぜそうなのかというと、次のことがあるからだ。
 「コンビニ各店が値引きで競争すると、コンビニ統括会社が吸い上げる利益が減る」

 つまり、コンビニが値引きすると、消費者は得をする。その分、コンビニ業界全体に入る金が減るから、コンビニ統括会社に入る金も減る。そこで、コンビニの商品を高値安定で保つために、値引きを禁止する。
 これはまあ、「市場の競争を阻害することで、市場価格を高値で維持する」ということだ。それを、市場一般でなく、コンビニ業界だけで行なう。ま、一種のカルテルのようなものだ。そのことで、高値を維持して、コンビニ統括会社が儲ける。

 しかし、このような「競争制限」は、本質的に独禁法に違反する。
 たとえば、自動車販売会社を見るといい。自動車販売会社は各店が自由に値引きをする。自動車会社が各店に値引き制限を指示・命令すれば、それは独禁法違反となる。(前に問題視されたことがあるかもしれない。だから今はそうではなくなっている。)
 ところが、コンビニ会社は、これと同じことをやっている。「全国統一のサービス」と謳っているが、「全国統一の価格維持」という形で価格協定を強要しているわけだ。もちろん、独禁法違反である。
 そして、こういう違法行為が、「値引き禁止」という形になって現れる。その結果、「(高値で売れなかった)食物の大量廃棄」という現象が起こるわけだ。




 [ 付記1 ]
 記事では、次の批判もあった。
 「消費者も悪い。あまりにも鮮度を気にしすぎる」

 だが、鮮度を気にすること自体は、別に悪くはあるまい。それで新しいものを欲しがるとしても、古いものを欲しがらないとしても、ちっとも悪くはない。市場原理に任せればいい。次のように。
 「新しいものは高く。古いものは安く(割引する)」

 そして、問題は、「そうすることができない」というところにある。つまり、価格の硬直性だ。……それが本項で論じたことだ。

 [ 付記2 ]
 ただし、「あまりにも鮮度を気にしすぎることが悪い」と言える場合もある。それは、次のことだ。
 「賞味期限を過ぎたものを捨ててしまう」
 そして、この問題は、次のことにある。
 「消費期限と賞味期限(品質保持期限)の区別ができていない」

 両者はまったく別のことなのだが、よく理解されていない。そして、その理由は、次のことにあるようだ。
 「賞味期限と品質保持期限の区別をしてしまう」

 この二つのことは同じことなのだが、適用される法令が異なるせいで、別の名称になっている。そのせいで、消費者は、何が何だかわからなくなってしまうようだ。
 ( → 参考サイト その1その2 )

 ともあれ、次のことを知らせることが大事だろう。
 「賞味期限を過ぎても食べられる。単に味が落ちるだけだ」
 「食べられるか否かは、経過時間よりも、保存状態の方が影響する。また、加熱するか否かでも左右される」
 「生ものだけは、消費期限に注意して、なるべく早く食べるべきだ。また逆に、期限内であっても、冷蔵していなければ、危険である」


 私としては次のことをお勧めしたい。
 「買ったものはすぐに食べてしまう。食べきれないほど買わない。食べきれなかったら、調理後に、冷凍する。(解凍するだけで食べられるように。)」
 最後の点がポイント。食材は残さずに、多めに調理してしまえばいいんですよ。あとはすぐに食べられるようにして。



 【 関連項目 】
 本項については、続報がある。後日、公取委がこの問題を摘発した。本項を書いたあとで、遅ればせながら、公取委も介入したわけだ。
 → http://openblog.meblog.biz/article/1416294.html



 【 後日記 】( 2009-05-06 )
 続報を記す。
 現状は改善しつつあるようだ。公取委の摘発があったので。以下、記事の引用。
 売れ残りによる廃棄を減らすため、販売期限前に弁当などを値下げして売る「見切り販売」を導入するコンビニエンスストア加盟店が各地で出始めた。公正取引委員会によるセブン―イレブン・ジャパンへの調査が判明した今年2月以降、見切りを始めた複数のオーナーが「廃棄が半分に減って利益が増えた」と話している。
 1カ月間に出る廃棄の量は「半分以上も減った」。値下げをするため、売り上げは5%減(前年同月比)だったが、店が負担する廃棄代が減ったため利益は逆に3割以上増えた。
 これまで「契約解除になりますよ」と高圧的だった本部指導員の態度が、ややおとなしくなったためだ。1日あたり最大で1万円分の商品を見切り販売した結果、廃棄の量は約半分に。売り場での混乱もなく安心していた。
 本部指導員からは「全店に広がったらセブンはつぶれる」と言われた。
 東京の他チェーンオーナーは「以前、見切り販売をしたいと訴えたとき『できないことになっている』と本部に言われた。報道をみて、ウソだとわかった」と憤る。複数の他チェーンオーナーが「セブン以外でも値引き制限がある」と、公取委に被害申告したという。
( → 朝日新聞・朝刊 2009-05-06

 《 オマケ 》
 すぐ上の引用記事には、次の記述があるが、誤り。
 「飼料や肥料にリサイクルする活動も 03年から開始。すでに一部の総菜については、リサイクル肥料で育ったホウレンソウが使われているという。」

 食品を廃棄して、飼料や肥料にすることは、「リサイクル」とは言わない。「廃棄物処理」にすぎない。それは「ゴミを出す」というのと同じだ。
 これを「リサイクル」というのであれば、プラスチック類を焼却して熱源として利用することだって、「リサイクル」になる。しかしそういうのは通常、「リサイクル」とは言わないはずだ。(単に「ゴミの有効利用」にすぎない。)
 では、どうすればいいか? 次のようにすればいい。
 「いったん廃棄の扱いにしたあとで、それをホームレスなどに無償配布する」

 これと同様のことはすでになされている。福祉関係者が善意の会社から賞味期限切れ寸前の食品を譲り受けて、ホームレスに頒布する。米国では広くなされているようだ。日本でもコンビニ食品について、同様のことができそうだ。

( ※ なお、「賞味期限切れ」は「品質保持期限切れ」とは異なるので、誤解しないよう。「味が落ちた」ということは、「腐って食えない」ということとは違う。 → Open ブログ「廃棄食品と省エネ」
 
posted by 管理人 at 18:50 | Comment(5) | 経済 このエントリーをはてなブックマークに追加 
この記事へのコメント
 後半に 【 追記 】 を加筆しました。
 タイムスタンプは、 右上にあるとおり。   ↑
Posted by 管理人 at 2008年06月21日 00:10
そういう絡繰りでしたか。以前某コンビニで販売していたバカ盛り弁当を食べたくていつ入荷するか聞いてみたら、店長らしき人が苦笑いしながら「あまり売れないんで入れられないんですよ」と答えてました(ホームページではでかでかと載せていたのに)。確かにその仕組みでは末端店舗は損失丸抱えで、一方本社は涼しい顔で宣伝できるわけですね。
Posted by TAIYO at 2008年06月21日 09:25
 【 追記 】 のあとの後半部(最後のあたり)に 【 注記 】 を加筆しました。
 タイムスタンプは 右上 に記したとおり。  ↑
Posted by 管理人 at 2008年06月21日 13:26
非常にわかりやすい。これは他の問題にも広げられそうな考え方ですね。
Posted by やまどらごん at 2009年04月04日 10:43
 高裁で判決が出た。セブンイレブンの敗訴。
 以下、引用。

 ──

 《 セブンイレブンが敗訴 「見切り販売妨害」に賠償命令 》
 セブン―イレブン・ジャパン(東京)に加盟する北海道、大阪府、兵庫県のコンビニ経営者4人が、消費期限の迫った弁当などを値下げする「見切り販売」を妨害されたとして、同社に約1億3970万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京高裁は30日、「商品価格を決める権利を妨げた」と認め、計1140万円の支払いを命じた。
 セブン社は2009年に公正取引委員会から、見切り販売の制限で排除措置命令を受けており、他に経営者8人も同種の訴訟を東京高裁に起こし係争中。セブン社は「承服しかねるので上告する」としている。
               【共同通信】
 → http://www.47news.jp/CN/201308/CN2013083001002034.html
Posted by 管理人 at 2013年08月30日 23:31
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