では、総需要の拡大のために、どうすればいいか?
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上記の質問をするのは、本ブログを初めて訪れた人だろう。
この問題への回答は、すでに「泉の波立ち」というサイトで、あちこちで何度も示してある。そちらを読んでいればわかるはずだ。
ただ、本ブログを初めて訪れた人のために、ガイドを示しておこう。
(1)
→ 生産量の調整
景気を拡大するには、生産量を調整することが必要だ。つまり、単に均衡状態になればいいのではなく、縮小均衡から拡大均衡に移ることが必要だ。
(2)
→ ミクロとマクロ(経済学)
生産量を調整するには、供給を拡大すればいいのではなく、需要を拡大すればいい。不況とは、需要不足の状態であり、供給不足の状態ではない。(不況のさなかで供給を拡大・改善する、という構造改革路線は、逆効果だ。)
(3)
→ 「流動性の罠」とは ,クルーグマンの景気対策
需要を拡大するには、金融政策は無効である。財政政策が必要だ。
(4)
→ 公共事業の難点
財政政策といっても、ケインズ流の「公共事業」はダメだ。
(5)
→ 中和政策 ,新中和政策
有効なのは、減税である。ただし、将来の増税を財源とする。
(6)
→ 「需要統御理論」 簡単解説
中和政策が有効なのは、直感的にも明らかだが、その原理は、きちんと説明できる。それは、「需要をコントロールする」という方法論に基づく。
これは、次のことを骨子とする。
・ 消費する人には、補助金を出す。
・ 消費しない人には、罰金を課する。
このことにより、消費がどんどん増えて、需要不足は解消する。
(「どうして?」と思う人は、上記ページを読んでほしい。一言では説明できない。)
(7)
→ 最初にドカン ,最初の一撃
中和政策で減税をする際、少しずつ小出しにするべきではない。むしろ、最初に大規模減税をして、その後は減税をやめるべきだ。10兆円ずつ3年間やるよりは、30兆円を一挙に出すべきだ。(最初に出したら、それ以後は出さない。)
( ※ 少しずつ小出しにすると、景気回復効果がないまま、その金のすべてが無駄に消えてしまうこともある。……日本がこの 18年間に取ってきた政策は、それである。)
( ※ 病気のときの薬も同様だ。薬が有効になるには、一定の有効量以上を服用する必要がある。有効量に満たない薬を少しずつ取ると、病気が治らないまま、いつまでもずっと病気のままとなる。その間に取った薬の累積量は多大になってしまう。)
[ 付記 ]
景気回復については、「金融政策か、財政政策か」という対立がある。これについては、次のように評価できる。
・ 金融政策 …… ゼロ金利下では「流動性の罠」ゆえに無効。
・ 財政政策 …… 公共事業は非効率で国民の損失。( → 別項 )
では、どうすればいいか? そのいずれでもない策を唱えるのが、本サイトだ。次の二点を骨子とする。
・ 現在の減税と、将来の増税。
→ 中和政策 ,新中和政策 )
・ 財政政策と金融政策の同時実施
→ 減税の意味(タンク法) ,タンク法(通貨濃度調整法)
タイムスタンプは上記 ↑
ブログ内容等拝見させて頂きました。
私は経済学にはまったく触れていないもので稚拙ながら数点ご質問させて頂きます。
>(7)。薬が有効になるには、一定の有効量以上を服用する必要がある。有効量に満たない薬を少しずつ取ると、病気が治らないまま、いつまでもずっと病気のままとなる。その間に取った薬の累積量は多大になってしまう。
今までの政策が有効量でなかったとして、今後の有効量というものをどうやって算出するのでしょうか?
薬は十分な治験などで有効量を割り出すことに成功していますが、経済において治験などはできないと思いますし。
また、中和政策の大前提が将来の好景気ということだと思いますが(でなければ増税などできないかと)、将来も好景気にならなければどうなるのでしょうか?
延々借金が増えていくばかりだと思いますがいかがでしょう?
その場合、癌治療と一緒で(治るかどうかは運次第なところも不況に似ていると思います)、やはり悪い部分(機能していない部分)を取り除いてでも生きながらえるか、そのまま最期を迎えるかという2択にいつかは迫られると思います。
それなら様々な器官に癌転移する前に早期切除を!と考えるのも正直間違っていないようにも思えます。
そもそも景気が良いというのはどういう状態なのでしょうか?
GDPが増えている状況を指すのでしょうか?
それは=誰しも所得が増えるということではなく、結局誰かは所得が増え、誰かの所得は減るという状況でしかないと思います。
誰もが所得が増えるという状況が数年も続く筈がないと思います。
もしそのような状況の場合は、まさにバブルであって、いつかは破裂してしまうと私の低脳では思ってしまいます。。。
長々とすいません。
→ 経済学講義
http://nando.seesaa.net/article/37734213.html
拝見させて頂きました。
正直申し上げて、「限界消費性向」という用語を使用していますが、それはどうやれば上がる(下がる)のかについては全く語られていない点に大きな矛盾を感じます。
それは、P179でもあるように「景気変動のきっかけは、『限界消費性向の変化』である。」としながらも
P199最終行では、「『経済学をよく理解すれば、未来の経済現象をうまく予測できる』ということは、ありえないのだ。」としています。
また、「需要というものは、次の4つに分類される。@消費A個人投資B政府投資Cその他(P111)」これは有効需要のことで、限界消費性向と別物にしております。
ゆえに、循環構造の 需要(消費)⇔供給 は証明できないのではと思います。
需要(消費)⇔供給の循環はすべてにおいて正しいか?
それはP133で「循環が成り立たない場合がある」と著者自身が認めています。
消費とは需要の結果であり、限界消費性向上昇がない限り、いくら供給しても消費は上がらないでしょう。
つまり、(需要×限界消費性向)とせずに、供給需要スパイラルを唱えるのは理論的に成り立っていないと思います。
おそらく、それを補うために限界消費性向を上昇させるものが所得であるという理論(だと思いますが)、所得以外の要素を無視するのはあまりにもお粗末であると思います。
所得の向上だけで限界消費性向が飛躍的に上昇するはずがないでしょう。
*所得が飛躍的に向上することもないはず(なぜなら、日本は中国ほどの発展途上ではありません。飛躍的に所得を向上させるとすればインフレしかない。)
結局、「限界消費性向」を無視した「需要⇔供給」スパイラルが成り立つことを過程しているため、最終的には「供給(生産)量」をクローズアップするような誘導がなされています。
1990年以降、実質GDPは平成不況時に一旦下がりましたが、その2年間以外はずっと上昇し続けていました。
生産量(労働力・労働機会)を増やせば、所得は増えますでしょうか?答えはノーです。生産量が増えたからといって、それがすぐにキャッシュになるかというとそうではない。
サービス業のような労働力を売り物にしているもの以外は、どうやっても在庫が滞留しますし、もっと言えば手形やリベートなど契約内容でも変化します。
ということは生産量を増やしても、結局はキャッシュフローがすぐに改善されることはなく、すぐに所得が増えるなどということは起こりえません。
企業にそれだけの体力があれば別ですが(経営の話だからといって逃げるのはやめてほしい)。
それらをふまえ、1つだけ質問です。
今までの政策が有効量でなかったとして、今後の有効量というものをどうやって算出するのでしょうか?
この質問に対し具体的な数値を示せますでしょうか?
恐らく答えることはできないと思いますがいかがでしょう。
また、答えることができたとして、本当にそれが有効量だというのが分かるのは何年も先にならないと分からないことだと思います。
ということは、(1)〜(7)は理論的には正しくとも、それを実践できないという欠陥があるということだと思います。
結論といたしまして、もっとも根幹である「消費の変動だけを見ればいい(P111)」に関して、そのきっかけである「限界消費性向」に関しては別の問題としていることで、実践的な対処法は見出せないということではないかと思います。
敢えて比喩的に申し上げると、「買う人に商品を勧めなさい。さすれば売上は上がるだろう。」という理論。
まさにその通りですが、誰が買うかなど誰もが知りえないということではないでしょうか。
たとえば、需要を増やすには、限界消費性向の上昇は有効ですが、限界消費性向はそのままでも、所得の上昇があればそれだけで需要は増加します。限界消費性向は、その比例関係を示すときの、ただの比例定数(係数)です。この値は一定であっても構いません。
私の説明を読んでもわからなければ、「限界消費性向」など、経済学の用語をきちんと勉強しましょう。ネットで調べてもいいし、本屋の教科書を買って呼んでもいい。
> 今後の有効量というものをどうやって算出するのでしょうか?
基礎も誤解したままでは、応用編を読んでも、理解できないでしょう。そのあげく、「矛盾がある」というふうに相手を非難するでしょう。
謙虚に学ぶ態度がないと、自分の無知を相手の責任にするだけです。落第生が教師を非難するようなものです。
あなたのような人にお答えするつもりはありません。教えれば教えるほど、誤読の責任転嫁をされて、非難されるだけです。