◆ 死刑・冤罪・嘘発見器:  nando ブログ

2010年08月01日

◆ 死刑・冤罪・嘘発見器

 死刑の冤罪を防ぐには、嘘発見器を使うといいだろう。嘘をついていることを示すためでなく、嘘をついていないことを示すために。

 ──

 死刑という制度には、冤罪という致命的な問題がある。殺人犯を 10人死刑にしても、1人の冤罪による死刑があったならば、その制度は存在意義がない。冤罪による死刑は、まさしく国家による殺人だ。
 しかしながら、現実には、冤罪は多くある。現在でも「冤罪だ、無実だ」と訴えている死刑囚はいくらかいるが、その大部分は実際に無罪であると思える。というのは、殺人をしたのに、「冤罪だ」と訴えるには、ものすごい演技力を必要とするからだ。愚かな殺人犯が、それほどの演技をできるとは思えない。(よほど知能指数の高い犯人は別として。知能指数で 140以上ないと、まず無理だろう。)

 また、冤罪が多く生じることには、構造的な理由がある。犯罪で「有罪/無罪」を決めるときには、「証拠不十分ならば無罪」 or 「疑わしきは無罪」ではなくて、「疑わしさがそこそこあれば有罪」というのが、現実だからだ。そして、「疑わしさが中途半端」の場合には、裁判官の心証次第で、簡単に無罪から有罪に転じてしまう。……こういうことが多いので、確率的に、ある程度の例では、どうしても無罪が有罪になる。つまり、冤罪が生じる。

 ──

 では、どうすれば冤罪を防げるか? 疑わしいものはみんな無罪にしてしまえばいいか? それは極論だ。そんなことをすれば、やたらと犯罪者が世間にあふれてしまう。(証拠が完璧にそろう例は稀だからだ。)

 そこで、私は提案したい。
 「嘘発見器を使え。ただし、嘘をついていることを実証するためではなく、嘘をついていないことを実証するために」


 ──

 現実には、どうか? 嘘発見器を使うのは、嘘をついていることを実証するためだけだ。そもそも、嘘発見器を使うのは、警察の側だけだ。また、嘘発見器の結果を知るのも、警察の側だけだ。
 そのせいで、次のようなことが起こる。
 「嘘発見器を使って、容疑者をテストしたあとで、『嘘発見器では嘘だと出たぞ。お雨は嘘をついているんだ!』と決めつけて、強制的に自白を得る」

 これは、「嘘発見器を使って、容疑者に嘘をつかせる」という例である。真実を知るために嘘発見器を使うのではなくて、真犯人を見逃して、無実の人に嘘をつかせるために、嘘発見器を使う。
 実例は多い。たとえば、下記だ。
  → http://www.hh.iij4u.or.jp/~iwakami/sendai8.html
 この人は結果的に、無期懲役が確定した。
  → 検索結果
 
( ※ この例は、死刑ではなく無期懲役だが。)

 ──

 こういう問題を避けるには、嘘発見器を「真実を知るために使う」というふうにするといいだろう。
 警察の目的は、「真犯人を見つけること」ではなくて、「とにかく容疑者を見つけること」であるから、真犯人であろうがなかろうが、とにかく適当に容疑者を見つけて、その人を犯人に仕立て上げてしまおうとする。そのために、嘘発見器を、自分勝手に使う。
 このような問題をなくすには、
 「嘘をついていないこと」
 を証拠立てることが必要であり、そのためには、嘘発見器が役立つ。ただし、警察が使うのではなく、被告や裁判所が使う。

 ──

 実は、嘘発見器は、犯罪の証拠としては認められていない。「単にドキドキしただけで嘘をついたと見なされる」というような誤認識が2%ぐらいあるからだ。
 しかしながら、「嘘をついていない」ということの証拠として使うのであれば、多少の誤差があっても、証拠能力が認められる。有罪の証拠にはならなくても、無罪の証拠にはなりうるのだ。
 そして、そのためには、嘘発見器の結果を裁判の場で公正に使えるようにすることが好ましい。
 このような科学的な方法を使えば、ごく少数の裁判官の心証だけで決める現状よりは、はるかに冤罪の可能性が減るはずだ。
( ※ ただし最近では、裁判員制度があるから、この問題は回避されやすい。)
 
 とはいえ、裁判員制度よりも前の分には、冤罪は多くあるはずだ。
 上記の例に挙げた無期懲役の被告も、本項の方法に従えば、冤罪を避けられた可能性が高い。



 [ 付記1 ]
 嘘発見器なんて信じがたい、と思っている人が多いようだが、実は、非常に精度は高い。「絶対確実」ではないが、それに近い精度が得られる。
 特に、皮膚の発汗だけでなく、声の調子を知るという方法もあり、どちらも精度が高いらしい。両者を組み合わせれば、非常に精度が高くなるだろう。

 [ 付記2 ]
 声の調子で調べるのは、イスラエル製のトラスター というソフト。たぶんこれだと思うが、テレビで実演されたことがあった。ウンナンの番組で、女優の山川恵里佳が勝俣州和を好きだという態度ばかり示すので、怪しいなと思ったウンナンが、山川恵里佳にそれは本当かどうかと質問したところ、嘘発見器では「真っ赤な嘘」と表示された。山川恵里佳は嘘がバレてしまったので、以後はふてくされた態度で勝俣州和がいかに煮え切らない男であるのかを詰った。今までは「好き好き」だったのが、「サイテー」へと転じたので、視聴者はあんぐり。
 それにしても、嘘発見器というのは、すごい。視聴者は山川恵里佳の演技にだまされていたし、勝俣州和はモテていると思い込んでいたのに、すべてが嘘だと判明して、みんなびっくり。
  
 [ 付記3 ]
 上記のソフトについては、下記の記事がある。
  → WIRED VISION

 これと似たソフトはある。ニンテンドー DS 用のソフト。「嘘発見器よりもすごい」という触れ込み。だけど実力は値段相応らしい。
  → 音声感情測定器 ココロスキャン ( Amazon )


posted by 管理人 at 22:20 | Comment(2) | 一般 このエントリーをはてなブックマークに追加 
この記事へのコメント
色々、同感です。
嘘発見器と呼んでるから構えるんじゃないかと・・・
名前を真実発見器と呼ぶようにするだけで
導入がもっとスムーズになるかと・・・
Posted by LUKE at 2010年09月14日 10:18
実は嘘発見機を無効にする有効な方法があるのです。
トラウマやptsdの治療にも使われていますが(日本ではまだ少ないようですが)本人の記憶を書き換えてしまうことが可能です。
これは心理学の実験も数多くあり、さらに動物でも再現されています。当然嘘発見機もだませます。何と言っても書き換えた記憶を本人は真実と完全に信じているからです。ちょうど昔の記憶が長い年月にごっちゃになるのを、意図的に短期間で(内容によっては数時間でも可能)
洗脳も同じようなことです。このため、米国ではこのような「操作」を受けた人の証言は無効ということになっています。
Posted by いぬわたり at 2013年09月19日 19:33
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