◆ 老若格差という虚構 1:  nando ブログ

2012年09月08日

◆ 老若格差という虚構 1

 「老人ばかりが恵まれて、若者が恵まれない。これは不公平だ」という老若格差論がある。その虚構性を指摘する。

 ──

 「若者は社会保障費の負担ばかりが増えて、将来的には貧しくなる」
 という悲観論がけっこう出回っている。しかしそれが間違いだということは、先に示した。
 → 高齢化社会と少子化社会
 その要旨は、次の二点だ。
 
 (A) 為替レート(円高)

 「日本は低成長で、この先の成長が見込めない」
 というふうに唱える人々がいる。特に財務省は「将来の成長率は1%」というふうに見込んでいる。
 しかし1%というのは過去の円ベースの数値であり、ドルベースにすればもっとずっと高くなる。

一人当たりの名目GDP(USドル)の推移(1980〜2012年) - 世界経済のネタ帳

 つまり、日米の成長率は、長期的にはほぼ同等である。(最近の円高を考えれば、なおさらそうだ。)
 だから、「日本だけが1%という低成長だ」という見込みは大間違いだ。要するに、この先、低成長だということはなく、普通の成長率が見込める。「今の若者だけがお先真っ暗」というようなことはない。

 (B) 少子化

 ただし、現実には、成長率が低下する可能性はある。その理由は、人口減だ。つまり、少子化だ。
 どれほど未来の科学技術が進歩しようと、人口その門が減ってしまえば、国全体の生産量は減ってしまう。そうなると、少数の現役世代が多数の高齢者を支える形になり、かなり大変なことになる。
 だから、問題視するべきことがあるとしたら、「少子化」なのだ。「老人が増えることが大変」なのではなくて、「将来の現役世代が減ることが大変」なのである。
 そして、それについて責任があるのは、現役世代だ。特に、20代〜30代の出産年齢の人々だ。これらの人々に最大の責任がある。批判するべき対象となる世代があるとしたら、この世代だろう。
( ※ 「お金がないから子育てができない」という弁解が出そうだが、今の老人たちは、はるかに貧乏な状況で子育てをした。肉も食べず、ワカメとメザシ、というような食生活で、テレビも買えないまま、必死に子育てをしてきた。彼らに比べれば、今の若者たちはあまりにも豊かだ。「お金がないから」という弁解は通用しない。嘆く前にケータイを解約するべきだろう。)

 以上は、先の項目で示したことだ。ここまでは、経済学的な話だった。そこでは成長率や出生率という数字に基づいて議論してきた。




 このあとは、もうちょっと経済倫理的に考えよう。細かな数値は忘れて、人間のハートで考えよう。
 話のきっかけは、サッカーの本田圭佑の発言だ。彼は海外に出て、日本の発達した文化社会のすばらしさを再認識した。そして、こう発言した。
 海外に出たら、日本は本当にいい国だとあらためて思う。……何につけてもアバウトな外国とは違う。
 同時に思うのは 「これを築いたのは誰なんだ?」ということ。オレたちではない。こんな裕福な今日(こんにち)の日本があるのは、先代の人たちの頑張りのおかげだと思っている。
 オレたちは、彼らが頑張って汗水たらして残していってくれたもののおかげで生活できていると思う。
 今のオレたちは何も築いていない。先人の財産を使ってきただけ。感謝して、今からもう一度、頑張らないといけないんじゃないか。
( → 日刊スポーツの転載
 正しい認識だ。「先代の人たちの頑張りのおかげだ」という認識は、まさしくその通りだと言っていい。
 ここではいきなり正解が述べられている。

 ──

 ひるがえって、「老若格差論」はどうか? 次のように考えている。(数字は適当)
 「おれは年収 500万円ある。その 500万円は、おれの力で獲得したものだ。誰の力も借りてはいない。おれの力だけで、この 500万円を生み出したのだ。だから、その金は、おれのものだ。誰にも渡したくない。なのに政府は、その金を奪うのか? また、政府がその金を老人に渡すとしたら、老人は働きもしないで、おれの金を奪うのか? それは搾取だ! そんな不公平は許しがたい! おれの金は誰にも奪われたくない。だから、若者の金を老人に渡すのは、やめてもらいたい。そもそも老人たちは、資産を数千万円ももっていて、おれたちよりもずっと金持ちではないか。せっせと汗水垂らして働いているおれの金を、老人たちに渡すなんて、あまりにも不公平だ! おれの金をおれに返せ! もうこれ以上、奪われたくない!」 


 この卑しい台詞は、次の台詞に似ている。
 「俺のものは俺のもの 人のものは俺のもの だから地球は俺のもの」

 ( → ひょっこりひょうたん島・歌詞

 こういう卑しさは、本田圭佑の発言とは正反対のものだ。そして、本田圭佑の認識が正解であるからには、上の卑しい認識は間違いだ。では、どう間違っているのか? 
 その点を説明しよう。(それが本項の意図だ。)

 (1) 金持ちか?

 老人は金持ちか? 資産だけを見れば、金持ちだ。しかし、資産があるのは、当然だ。なぜなら、老人は現役を引退したときの資産によって、残りの人生を過ごさなくてはならないからだ。その資産は、若者が思うような「贅沢をするための余剰金」ではなくて、「将来の生活費となる蓄え」なのだ。
 仮に、この蓄えがなくなれば、あとは年金だけで暮らさなくてはならない。また、年金をろくにもらえない人もけっこういる。となると、老人が資産をもっているのは当然なのだ。別に「金持ちだ」と認識する必要はない。
 たとえば、資産が 5000万円ある60歳の老人がいるとして、彼は残りの 40年間を 5000万円で暮らさなくてはならない。年間 125万円。月間 10万円。とすれば「月収 10万円」という筋を見て、若者は「すごい金持ちだ」と思っていることになる。ひどい勘違いだ。
 若者が 5000万円をもっていれば、それでフェラーリでもポルシェでも買えるが、老人が 5000万円をもっていても、それは「月収 10万円」を意味するだけなのだ。意味がまったく異なる。ここを混同するのは、壮大なる勘違い。
( ※ 実際には利子所得の分が加わるが、現状のようなゼロ金利ではほとんど意味がない。)

 (2) 不労所得

 老人が年金などをもらうのは、「不労所得」のように見える。しかし、そのうちの半分ぐらいは、自分が年金料を払ったのだから、不労所得ではない。
 残りの半分は、不労所得ではあるが、それは「ズル」ではなくて、「投資の配当」であるにすぎない。(後述。)
 そもそも、「不労」ということに着目するのであれば、老人が働かないのは当り前である。誰だってそうだ。今の若者だって、年を取れば、働かなくなる。
 「不労所得だからけしからん」
 と若者が思うとしたら、その人は、「自分は年を取らない」と思っていることになる。あまりにもひどい勘違いだ。
 「人は誰しも年を取ったら働けなくなる。それでも人は生きる権利がある」
 これが真実だ。このことも理解できないで、「自分もまたいつかは年を取ること」を失念している若者は、あまりにもひどい勘違いをしている。
( ※ 「私はいつまでも若いままなのよ。決して年を取らないのよ」と信じている馬鹿女と同レベルの馬鹿さ加減。ほとんど気違いレベル。)

 (3) 不公平か?

 若者はせっせと汗水を垂らして働いてもたいして所得が得られないのに、年寄りは何もしないで遊んでいても十分な所得(年金や貯蓄)がある。これは不公平か? 
 いや、比較するなら、老人と若者を比較するのではなく、同じ年齢で比較するべきだ。
  ・ 今の高齢者が若かったときの生活レベル
  ・ 今の若者が同年齢であるときの生活レベル

 この両者を比較すると、後者の方が圧倒的に豊かだ、とわかる。今の高齢者が若かったころの生活は、ものすごく貧しかったからだ。
  ・ サザエさんの食卓は、アジの干物とワカメの味噌汁。
  ・ 歌の「赤提灯」では「三畳一間の小さな下宿
 以上を比べれば、結論はこうだ。
 「今の高齢者と若者を比べれば、圧倒的な不公平がある。その意味は、今の若者が圧倒的に恵まれている、ということだ。不公平さはあるが、逆の意味の不公平さがある」
 ついでに言えば、今は週休二日制が普通だが、昔はそんなものはなかった。朝から晩まで過労死するほど働いたものだ。週休二日制があって年休もある今の若者の方が、はるかに恵まれているのは間違いない。

 (4) 本質(投資と配当)

 しかし、以上のような理屈だけでは、感情的に納得できないかもしれない。「どうして老人は働かないのに高額の所得を得ることができるんだ? そんなうまい方法があるのなら、おれもやってみたいな」というふうに。
 そこで、経済学音痴の人にわかりやすく説明しよう。このように「働かないで金を得る」ということは、「投資と配当」という原理で説明される。
 基本的には、次の原理だ。
 「金を持っている人(資産家)は、その金を、自分では使い果たさないで、投資に回す。すると、その金を運用した人は、その金で生産活動をして、利益を得る。その利益の一部を、金を貸してくれた資産家に渡す。それが配当金である」

 これは資本主義の原理だ。資産家は、その金を「女遊び」のような遊興費に使い果たしてもよかった。しかしそうしないで、他人に貸して、他人の生産活動のために役立てた。だから、その配当として、生産活動から得た利益の一部を還元してもらうわけだ。
 そして、このようなことは、「資本家と企業」という個別の場合に適用されるだけでなく、社会全体でも適用される。すなわち、次のことだ。
 「ある世代が、稼いだお金を自分の楽しみに使うのを我慢して、投資のために役立てる。すると、社会はその金によって生産活動をして、経済を拡大する。そして、経済が拡大したあとで、金を貸してくれた(つまり消費を我慢してくれた)世代に、利益の一部を配当として還元する」


 わかりやすく言うと、こうだ。
 「現在の高齢者世代は、せっせと働いた。それだけでなく、自分の楽しみを我慢して、日本全体の経済活動のために、金を投資した。だからこそ、経済は急成長した。そのおかげで、今日の発展した日本社会がある」

 これこそが、本田圭佑が述べたことの真実だ。

 一方、現代の若者世代は、どうか? こうだ。
 「いっぱい働いて、いっぱい貯蓄すれば、いっぱい投資がなされて、高成長がなされるはずだ。しかるに現実には、(不況のせいで働く機会が少ないから)ちょっとしか働かない。そうと多くの若者が失業状態で遊んでいる。で、ろくに働かないのだから、ろくに消費しなければいいのに、いっぱい消費して、贅沢三昧をしている。そのせいで、若者の貯蓄の総額は少ないし、貯蓄と等しい投資総額も少ない。かくて、投資総額が少ないという形で、日本の成長率は低くなっている」
 
 以上を対比すると、次のようになる。
  ・ 老人 …… 多く働いて少しの消費 → 多くの投資で高成長
  ・ 若者 …… 少し働いて多くの消費 → 少しの投資で低成長

 つまり、若者たちは、ろくに働かないくせに、たっぷり消費しているから、いつまでたっても低成長を甘受しているわけだ。
( ※ ただし、「だから消費を減らせ」と言っているわけではない。個人がどうにかしても、国全体のデフレは解消しない。ここでは個人の努力や行動は関係ない。今現在がどういう状況にあるか、ということを示しているだけだ。つまり、「今の若者は贅沢をしている」ということだ。)

 ともあれ、高齢者が「働かなくても所得を得られる」ということの理由は、以上のようにして説明される。つまり、「投資と配当」という形で。
 そして、それが可能なのは、高齢者が引退するまでに十分な社会貢献をなしてきたからだ。彼らは多くの生産活動をして、社会の経済水準を高めた。終戦直後にはガレキの山しかなかった日本において、世界最高レベルと言える企業をいくつも作ってきた。トヨタ、日産、ホンダなどは、ぼろくそな工場レベルから必死の努力によって成長していった。ソニーやシャープも同様だった。そうして日本という国の経済基盤を構築した。
 そして、そうした社会基盤を利用して生産活動をする若者たちが、「おれの稼ぎはすべておれが独力で生み出したものだ」と錯覚する。彼らは、過去を見ることができていないのだ。本田圭佑のような視点が欠けているのだ。



 《 オマケ 》  Q&A

  直感的にわかりやすく説明してほしい。


  自分が誰のおかげで教育を受けられたか、考えてみるといいでしょう。人々は忘れてしまったようだが、子供のころに育ててもらったり教育を受けたりしたのは、親および親の世代のおかげです。子供は誰しも、親および親の世代から多大な影響を受けます。そして、子供は成長しますが、そのとき、親はもはや老いています。そこで、子供は、かつて受け取ったことの恩返しの形で、親の面倒を見ます。
 こういうことは「親孝行」という言葉で理解され、昔ならば当然のことだと思われていました。しかし今の若者は「親孝行なんて古臭い」と思って、「親の面倒は社会に任せればいい」と思っています。そのとき、自分が何を受け取ったかを忘れてしまっています。
 「もらうのはいくらでもOKだが、払うのは絶対にイヤだ」
 「もらったときのことは忘れているが、払うときのことは絶対に忘れない」
 こういうアンバランスな自分勝手な認識がまかり通っています。頭の半分が痴呆になったも同然でしょう。そこで、彼らが忘れたことを本項では思い出させて上げているわけです。「自分が受け取ったもののことを忘れるな」と。
 「受け取ることだけができて、払うことのないシステム」
 なんて都合のいいものを夢想しようとしている愚かさに、真実を教えて上げているのです。
 「受け取ったならば払う必要がある。それも利子付きで」
 と。
( ※ この利子は、本項では「配当」ということ辺で説明しています。)

  それでも、今の若者が将来貧しくなるのは、認めがたい。


  「今の若者が将来貧しくなる」ということはありません。実質的な経済成長率が2〜3%である限り、GDPは増えるので、今から 40年後には、GDPは4倍ぐらいに増えているはずです。従って、今の高齢者と比べて、4倍ぐらい豊かになっているはずです。
 「今の若者が将来貧しくなる」というのは、財務省が消費税増税のためにでっち上げたインチキ数値です。そこでは名目成長率が1%となっていますが、仮にそれが成立するならば、円レートは大幅に円高になっているはずです。現在の4倍で、「1ドル=20円」ぐらいになっているはずです。その時点で、「名目所得がちっとも上がっていないぞ」と文句を言うとしても、物価は大幅に下落しているのですから、実質的にはとても豊かになっていることになります。財務省の数値ペテンにだまされてはいけません。
( この件は前出項目で詳しく示した。 → 高齢化社会と少子化社会

  高齢者が増えれば、将来、現役世代の負担が大きくなるはずだ。


  現実にはそうではない、と予想されています。理由は次の二点。
  ・ 女性労働者の就業率が上がる(今はとても低い)
  ・ 60〜70歳の高齢者の就業率が上がる

 これらによって労働人口が増えるので、現役世代の負担が特に増えることはない、と予想されています。特に女性労働者は大切です。日本は諸外国と比べて、女性労働者の就業率が極端に低いので。(出産を機に退職する人が多すぎる。)
 詳しくは下記を参照。
  → http://bit.ly/wcDUNY

  現在の若者と高齢者を比較すれば、高齢者の方が優遇されているのは事実だ。不平等だ!


  それはそうです。しかしそれは当り前のことです。もともとそういうシステムなんだから。簡単に言えば「世代間の仕送り」です。
 しかしそれで現在の若者が損をするというわけではありません。「今の時点では損をするが、将来の時点では得をする」ことになるのですから。つまり、「若いときは損をするが、年を取れば得をする」というふうになります。(それが世代間の仕送り。)
 要するに、今の若者だって、年を取れば、将来の若者たちに「不平等だ」と文句を言われる状況になります。今とまったく同じように。
 ただし、将来の若者が本当に文句を言うかどうかは、わかりません。将来の若者が今の若者と同じように無知であれば、文句を言うでしょう。将来の若者が今の若者と違って、本項を理解するだけの賢明さをもてば、文句を言わないでしょう。文句を言うかどうかは、不平等があるかどうかに依存するのではなく、真実を理解するかどうかに依存します。真実とは? 「若いときは損をするが、年を取れば得をする。差し引きすれば、投資の効果の分だけ、得をする」ということです。

  でもやっぱり高齢者が羨ましい。


  羨ましいのなら、人生を取り替えてもらえばいいでしょ。というか、これからの人生を、今の高齢者と同じようにして過ごせばいい。
 つまり、若いときにはケータイもパソコンもテレビも自動車もなくて、メザシとワカメとラジオだけで、四畳半の畳暮らし、という生活をする。お風呂もなくて、銭湯に行き、帰りには「洗い髪が芯まで冷えて」というふうにする。冷房も暖房もろくにない。そういうふうに貧困生活を送るなら、ごく小額の費用で済みますから、年を取ったときにたっぷりとお金がありますよ。……ただしそれは、若い時代の不幸と引き替えです。
 そういう生活を羨ましいと思うのならば、そうすれば? まずは生活レベルを大幅に落として、肉をほとんど食べないようにしましょう。(高齢者が若いころはそうだったんだしね。それを真似れば?)

  高齢者が増えすぎると、財政が破綻してしまう。


  その心配はありません。理由は下記。
  ・ 日本の社会保障費総額は極端に低い。(余裕がある。)
    → http://bit.ly/Alndtj
    → http://bit.ly/oiDYbn
  ・ 日本の公共事業費は極端に多い。(これを削れ。)
    → http://bit.ly/zdnVzz

  高齢者が資産を使わないと、日本は不況を脱せない!


  アホなことを言わないでください。高齢者が資産を全部使い果たしたら、彼らは生活保護を受けることになります。そうなったら現役世代の負担はかえって増えてしまいます。
 高齢者は資産を使い果たさないのが当然です。消費不足は、高齢者が貯蓄しているから起こるのではなく、国全体の(正しくは現役世代の)総所得が減っていることが理由です。これがマクロ経済学の認識。景気の問題は、あくまで現役世代のなかだけで完結します。高齢者世代の消費は、関係ありません。(それはいわば定数であり、景気変動とは無関係です。)
 なお、高齢者が金を少ししか使わなければ、余った金は遺産として次世代に残りますから、別に問題はありません。また、国礼者が貯蓄をするとしても、その貯蓄は原理的には投資に回るので、やはり問題ありません。
 問題があるとしたら、「流動性の罠」になっていることですが、それは現役世代の経済の問題であり、高齢者には関係ありません。
 下手に経済学をかじって混乱するよりは、「高齢者は関係ない」と思って無視する方が、はるかに賢明です。聞きかじりの経済学をこねまわすよりは、経済学を何も知らない方がまだマシです。

  「若者は高齢者に感謝しろ」と言いたいのか? 感謝というものは、自発的にするものではないのか?


  「感謝しろ」なんて言っていません。利口な人間は与えられたものに気づくが、愚かな人間は与えられたものに気づきません。何一つ感謝しない韓国を見れば、それがわかるでしょう。
 無知な人間には何を言っても無駄です。「感謝しろ」なんていちいち言うわけがないでしょう。
 本項は「賢明になるべし」という方針で、無知な人々に知を与えようとしているだけです。
( ※ それでもまだ理解できない人はいるでしょうね。愚かな人間は、いくら真実を教えられても、理解できないものです。本田圭佑に文句を言いたがっている人もいるし。愚者には何を教えても無駄。)




 【 関連サイト 】

 (i)
 「老若格差論」というのを、簡単に紹介したが、もっと詳しい話を知りたい人がいるだろう。そこで、代表者を示す。それは池田信夫だ。彼はこの手の理屈をやたらと述べる。

  → 貧しい若者から豊かな老人に所得再分配する日本
  → 「世代間格差〜若者は犠牲者!? 老人天国ニッポン〜」
  → 団塊の世代は逃げ切れるか
  → 今のまま老人のエゴイズムを許していると、若者が搾取される

 最後のあたりの「搾取」という言葉による認識は、マルクス主義そのものだ。
 先に本項の本文で述べたように、「資本家」がなすのは「投資と配当」である。そういう資本主義の原理も理解できないで、「労働者からの搾取はけしからん」なんていう首長をするのは、マルクス主義者だ。馬鹿げている。普段は市場原理主義ばかりを唱えているくせに、いつからマルクス主義になってしまったのか? それとも、「市場原理主義」は知っていても、「資本主義」のことを知らないのかな? マルクス経済学の信者?

 (ii)
 投資というものがいかに重要であるかは、昔の朝鮮の発展を見るとわかる。
  → 日本併合前後の朝鮮の写真
 日本併合の前の朝鮮は、途方もなくひどい途上国であった。文明というものがなかったに等しい。
 ところが日韓併合後には急激に発展して、30年ぐらいで立派な都会のある文明国となった。
 では、なぜ、そんな魔法のようなことが可能となったのか? それは日本が莫大な援助と投資をしたからだ。( → Wikipedia ) 当時、日本以外のどこの国も朝鮮には莫大な投資などはしなかった。また、朝鮮が自力で資金を獲得したわけでもない。日本こそが莫大な投資をしたのだ。そして、その投資は、当時の日本人が自分たちの消費を我慢して、朝鮮の人々の成長のために金を貸したからだ。そのおかげで、日本は自分が成長するかわりに、朝鮮を成長させた。そして、その配当の一部を、日本もまた得た。
( ※ だからここでは投資は経済学的に正しい。日本の成長率よりも朝鮮の成長率の方が高いからだ。理に適っている。)
 
 [ 余談 ]
 ともあれ、朝鮮の例を見ても、「投資」の重要性がわかる。そして、それは、今の高齢者が日本に対してなしたことでもあった。今の高齢者は、朝鮮に投資するかわりに、日本に投資した。たとえば、黒四ダムを建設したり、東海道新幹線を作ったり、東名高速を作ったり、環七を作ったりした。さらには、優秀な企業をいくつも育て上げた。つまり、社会資産を構築した。
 その一方で、今の若者たちは、先人たちの築いた社会資産にただ乗りしているのである。先人に感謝することもなしに。(……本田圭佑は違うが。)
 で、老若格差論者は、そういう真実に気づくこともないまま、自分の稼いだ金について、「これは自分が独力で稼いだのだ」と自惚れているのである。まるで社会に何ら依存しないで、空中から金を生み出したかのごとく。
 
 
posted by 管理人 at 21:30 | Comment(7) | 経済 このエントリーをはてなブックマークに追加 
この記事へのコメント
高齢者の資産に嫉妬するいやしい根性は、遺産が欲しくて親が早く死ぬことを望むさもしい根性と同類だろう。
Posted by passerby at 2012年09月11日 10:55
お時間あれば、教えていただきたいのですが
無限に日本は成長できるという、前提に立たれて、40年後はGDP4倍ということをうたわれていると行間を読んだつもりですが、いつまでも成長し続けられるものなのでしょうか?また、成長すると何がおこるのでしょうか?

また、4倍のベースがドル建てだと思われますが、果たして1ドル=20円の時代にもドル建てのGDP指標は有効なのでしょうか。物価の王様と呼ばれている卵や、ビッグマックの価格など本当の物の値段を使って考えないと、意味がないのではないかと私は考え始めています。今の日本の状況は、書かれているとおり、ドル建てで見れば成長しているように見えますが、円建てで見ればあまり大きな成長はありません。これは、成長といえるのか? アメリカから見た幻についてのことなのか?いつまで考えても答えが見つからないのですが、この悩みに光が差すようなアドバイスをもらえたら、うれしいのですが
Posted by らん28歳 at 2012年09月11日 23:30
> いつまでも成長し続けられるものなのでしょうか?

イエス。人類の歴史を見ればわかる。
ただし核戦争で滅亡しなければ、という条件つき。

> また、成長すると何がおこるのでしょうか?

生活の質が向上します。
 → http://www009.upp.so-net.ne.jp/izumi/96m_news.htm#10

> 物価の王様と呼ばれている卵

 卵でもいいですよ。40年前には卵は1個10〜15円でした。当時の所得からして、とても高価だったので、贅沢な食品でした。たまに食べられるごちそうでした。
 今は同じぐらいの価格ですが、その間に所得は5倍〜10倍ぐらいになっています。結果、誰でも買える安物になりました。それだけ日本は豊かになったわけです。
 
> 円建てで見ればあまり大きな成長はありません。これは、成長といえるのか?

 言えます。なるべく輸入品を買えばわかる。たとえば同等の商品ならばなるべく100円ショップで買うようにすればいい。あるいは、輸入食品(肉やジュース)など。
 ただし国産品を買っていると実感しにくい。TPP に加入しないと馬鹿高い国産品をいつまでも買わされるハメになる。その場合は所得は農家に奪われます。

> これは、成長といえるのか?

 言えます。ただしこの20年ぐらいは、成長が実感できません。それは、「一人あたりの生産性」は向上しているのに、「失業率」が高まったせいです。国全体の「稼働率」が低くなったせいです。

   生産額 = 労働生産性 × 労働時間

 経済がまともに回っていれば、生産性の向上の分だけ幸福になれますが、経済が不況になっていれば、働くべき部分が働かずにいるので、幸福を実感できません。どれほど科学技術が進んでも、失業という状況があれば、幸福は実感できません。
 そこが経済の怖いところ。
Posted by 管理人 at 2012年09月12日 07:02
いつもお世話になります。
誤字かと思いましたのでお送りしておきます。

+++++++++++++++++++++++++++++
そして、それについて責任があるのは、現役世代だ。特に、20代〜30代の出産年齢の人々だ。これらの人々に最大の責任がある。批判するべき対象となる世代があるとしたら、この盛大だろう。
+++++++++++++++++++++++++++++

盛大→世代 ですか。

では、失礼いたしました。
Posted by 庭山達也 at 2013年04月04日 16:03
老人が日本を築いたというが借金1100兆も築いたことは書かないんですね
分かります
Posted by 名無し at 2016年02月08日 21:33
> 借金1100兆も築いた

借金1100兆を築いたのは誰だと思っているの? 老人だと思っているの? それは勘違い。
借金1100兆のうち、半分は、この 15年間だけで築いたものです。たったの 15年でそれだけ巨額の赤字を築いた。
  → http://j.mp/1QQhSHw

 それは誰の責任か? 日本人全体でしょ。老人だけじゃないよ。
 あなたが老人を「泥棒!」と批判したとき、実は自分が泥棒だったとわかる、というわけ。
 意外なる真犯人。

 
Posted by 管理人 at 2016年02月08日 22:01
なるほど。
Posted by 通りすがり at 2016年02月17日 21:39
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