◆ 中国を民主化すべきか?:  nando ブログ

2013年08月29日

◆ 中国を民主化すべきか?

 中国が日本に対して敵対的であることの理由は、中国が民主化されていないからだ。では、中国を民主化するべきか? 案外、そうではないかもしれない。

 ──

 中国では、反日感情が高い。その理由は、反日教育がずっとなされているからだ。小さな子供のころから、学校で反日教育をたたき込まれている。
  → 「私は死んで当然の小日本です」我が家にきた日本の子どもの言葉に凍り付いた

 こういう反日教育があれば、国民全体が反日的になるのは、当然だろう。
 そして、それをなくすためには、国家的な反日教育をやめさせることが必要である。そのためには、国家統制をなくすこと、つまり、民主化することが必要だ。

 この件は、前にも述べた。
  → nandoブログ : 中国を民主化せよ
 ここまでは、前にも述べた話だ。

 ──

 さて。冒頭の「小日本」の記事だが、次の文章がある。
 いとこたちは自分たちの教育について随分反省していた。それからこんな小さな子どもまで、もはや変態的といっていいレベルで日本を憎んでいることに悲しみと不安を覚えていた。日本からきたいとこが言うには、少なくとも彼女が知っているかぎりでは日本の子どもたちは中国にそんな悪い印象を持っていないんだって。まさか今の中国の子どもがこれほど根深い憎しみを持っているなんて想像もしなかったと言っていた。
 あるいはぼくたちの愛国教育はもっと客観的にするべきかもしれない。ぼくたちの反日感情はもっと冷静になるべきかもしれない。
 これは冷静な反省だ。このような反省を持つ知識人が中国に増えれば、中国は民主化して、反日的な態度をやめるかもしれない。
 では、それは、日本にとって都合のいいことなのだろうか?

 外交を重視する人ならば、こう答えるだろう。
 「中国が反日的でなくなることは、日本の国益になる。日本の国益になることは、良いことだ」
 だが、本当にそうだろうか? 
 国益というものを、政治的利益と解釈すれば、確かにそうだろう。しかし、経済的にはどうか? 

 ──

 ここで、次のグラフを見よう。「一人あたりGDP」の比較だ。

一人当たりの名目GDP(USドル)の推移 - 世界経済のネタ帳

 「一人あたりGDP」は、日本と中国では、これほどにも差がある。最近では中国が急激に伸びているが、まだまだ大差がある。
 一方、台湾は、こうだ。

一人当たりの名目GDP(USドル)の推移 - 世界経済のネタ帳

 差はかなり縮まっている。台湾は、ほんの小さな島にすぎないのに、IT産業は世界最先端といっていいレベルだし、鴻海は日本のシャープを買収しそうなほどの勢いがある。

 さて。中国が民主化したら、どうなるか? その場合、中国は「お上の方針に従う」という無脳状態を脱して、「自分の頭で考える」ようになる。そうなったら、中国は今の台湾並みに発展しそうだ。それどころか、巨大な人口の最優秀な部分をうまく生かして、日本をはるかにしのぐ技術大国になりそうだ。
 そうなったら? シャープが買収されるどころか、日本の企業はみんな中国企業に打倒されかねない。いや、そうなる日が来ることは、避けられそうにない。あと 100年か 200年もたてば、中国は民主化されて、日本をはるかにしのぐ技術大国になっているだろう。

 とすれば、日本が相対的に優位に立つには、「中国の発展を遅らせること」が大切だ。そして、そのためには、「中国人が自分の頭で考えることができないようにすること」が必要であり、そのためには、「共産党の一党独裁の洗脳体制」が必要なのである。

 ここまで言えば、わかるだろう。
 中国の非民主的な体制(共産党の一党独裁の洗脳体制)は、日本を傷つける以上に、中国自体を傷つけている。それによって、彼らの思考力を衰えさせ、中国の発展を阻んでいる。
 とすれば、中国が非民主的であることは、日本の経済にとっては、かえって好都合なのである。中国が日本に敵対的であればあるほど、日本にとっては利益になるのである。(皮肉なことだが。)



 [ 付記1 ]
 現在、中国は、日本のライバルとなるにはあまりにも劣悪な状態だ。一人あたり GDP はとてもい低い。つまり、低い人件費で、100円ショップの雑貨を生産してくれる。
 たとえば、10本 105円のボールペンなど。まったく、ありがたい。ひどく低い人件費で我慢して、日本や世界各国のために、奴隷状態に甘んじてくれる。
 中国の非民主的な体制は、中国人を奴隷化することで、中国を世界のための奴隷国家(下僕国家)におとしめているのだ。まったく、ありがたいことだ。

 ひるがえって、中国が民主化したら、そのもてる能力を発揮して、日本の先端企業を打倒しかねない。もしそうなったら、日本が中国の下僕になりかねない。

 たとえば、
   中国 「最先端の有機 EL パネルを生産してくれ。
       我々が技術開発するから、労働力を出せ」
   日本 「はい。時給 100円で生産します。仰せの通り」

 なんていうふうに、日本は中国の下僕になりかねない。
 それというのも、この時点では、日本のIT企業はすべて倒産してしまっているからだ。ソニーもシャープもパナソニックも NEC も、みんな倒産してしまった。今や世界でIT機器を生産しているのは中国企業だけだ……というありさまになってしまった。( 2200年、未来への旅)

 こういう未来を避けるためには、中国は経済発展しない方がいい。そのためには、いつまでも非民主的である方がいい。
 たとえば、中国はどんどん軍事費を増やしているが、それは日本にとってかえって好ましいことだ。中国が軍事費を増やせば増やすほど、経済成長は阻害されるからだ。
 日本が優位な位置を保つためためには、中国は非民主的な愚かな国である方が、好都合なのだ。
( ※ 逆に、中国人が賢明な平和主義者になると、まずい。そうなったら、日本は中国に追い越される危険を心配するハメになる。実際、米国への留学者数では、日本は中国にとっくに大敗している。学術論文の数で負ける日も、そう遠くはあるまい。ま、私が生きているうちは、まだ大丈夫だろうけど。……たぶん。)
 
 [ 付記2 ]
 経済学的に論じよう。他国が発展することは、日本にとって有利か? 
 一般的には、「他国が発展することは、日本にとって有利である」と言える。ただしそれは、他国が日本よりも低い水準である限りは、という条件が付く。この条件の下では、他国が発展すると、日本に有利になる。たとえば、中国が貧しい農業国から軽工業国になると、日本は 10本 105円のボールペンを買えるようになり、日本にとって有利である。
 一方、他国が日本を上回るようになると、話は逆転する。(いわば)今度は日本が他国のために 10本 105円のボールペンを生産するハメになる。……これは話が極端すぎるが、次のようには言える。
 「日本と中国で、商業やサービスの仕事内容はほとんど変わりないのに、日本では圧倒的に高賃金を得る。それは日本の製造業が強力であるせいで、為替レートの差があるからだ」
 ところが、中国が発展すると、今度は中国の製造業が日本を上回るようになる。そうなると、同じ商業やサービスの仕事をしていても、日本人は低賃金となり、中国人は高賃金となる。(今の日本と中国の立場が入れ替わる。)

 比較生産費の議論で言うと、日本の製造業が中国に敗れれば、日本は製造業から(部分的に)撤退して、農業か何かをやるハメになる。そうなったら、まさしく日本は途上国みたいな立場になる。……ま、それほど極端にはならないだろうが、いくらかはそういう傾向が生じる。
 というわけで、中国が発展することは、「日本を上回らない」という条件の下では好ましいことなのだが、いったん「日本を上回る」という日が来れば、日本は不利な立場に立たされる。(業界1位の企業だけが優位で、他はみんな劣位になる、という感じだ。) そして、その日が来ることは、不可避なのである。とすれば、日本とすれば、その日が来ることを、一日でも遅らせた方がいい。そのためには、中国人が愚かであることは、日本にとっては好ましいことなのである。
( ※ 実を言うと、「中国の下僕になること」は、すでに一部で実現している。それはレノボの傘下に日本企業が入っていることだ。怖いですねえ。)
 
 [ 付記3 ]
 ついでだが、反日教育をする国に「最恵国待遇」を与える現状は、おかしい。むしろ、その逆をするべきだろう。次のように。
 「反日教育をする国を、反日国家と規定して、輸入課徴金(5%)を課する。期限は反日教育をやめるまで」

 これに対しては、相手国(中国や韓国)も、日本に制裁金を課するだろうが、別に、構わない。これらの国が輸入するのは、製品に必要な部品だからだ。部品に課税すれば、そこから輸出する製品が高額になり、かえって対米輸出が減ってしまう。
 というわけで、反日国家には輸入課徴金を課するといい。ただし、あまり高率だと感情的な反発を食うから、ちょっと実害がある程度という5%ぐらいがいいだろう。また、発効するのも、2年ぐらい先がいいだろう。これならば、相手国も対処が可能だからだ。
 なお、相手国が「反日教育をしていない」と言い張った場合には、「政府としてそれを保証せよ」と要求して、言質を取ればいい。あとで嘘がバレれば、恥をかく。
 


 【 関連サイト 】

 中国の政府が反日を指導するだけでなく、民放が勝手に反日の番組を作って放送する、という見解もある。
 国がすすめている部分もありますが、反日というコンテンツそのものが面白いので止まらなくなっている。
 “抗日ドラマ”というジャンルがあります。共産党は抗日ドラマをこれ以上作らせないようにしているのだけれど、視聴率がいいから100 チャンネル以上ある民放のテレビ局が勝手に作っちゃう。そして実際に見てみると、実に面白いんです。
( → 中国嫁日記作者 抗日ドラマがなくならない理由を冷静に分析
 とはいえ、政府が反日を推進している、という面も見失うべきでない。
 本来だったら許されない暴力描写を抗日ドラマだけは、やり放題なんです。反日は娯楽として優れているから広まるし、止められないという事情がある。
( → 同上 )
 この人はちょっと認識が甘いようだ。「民衆がそれを求めている」という面は確かにあるのだが、政府が過去においてその方針を推進してきたのだから、それは当然だ。政府が洗脳したあとで、「洗脳された民衆がそれを望んでいるから」というのは、理屈としてはおかしい。
 さらに、次の面もある。
 中国共産党は、自国のアニメーションを保護育成するために日本製アニメの輸入規制をしています。
( → 同上 )
 こういう面もあるのだが、同様のことは韓国ドラマには成立していない。
 結局、中国はあくまで反日を国是としている。ただ、それは、上からの一方的な押しつけではなく、洗脳された民衆たちが自分でその方向を推進している、という面もある。そのことが、上記サイトからわかる。
 ついでだが、この人もちょっと洗脳されかかっているね。ま、嫁さんが中国人だから、中国のことをあまり悪く思えないのだろう。仕方ないか。人間なんだし。



 【 追記 】
 あとで思ったが、中国の民主化についての方針としては、うまい方法がある。
 「中国に『民主化せよ』と強硬に主張することで、かえって中国政府の立場を頑なにさせて、民主化運動を弾圧させる。こうして、かえって中国の民主化を遅らせる」

 これはうまい方法だ。
  ・ 中国国民にとっては、「民主化を支持してくれる」と共感される。
  ・ 中国政府には、「日本はタカだな」と思わせる。( → 前項
  ・ 結果的には、中国の民主化と発展が阻害される。

 こうして、一石三鳥の形で、うまく行く。
( ※ その理由は、中国政府が天の邪鬼だからだ。「これをやれ」と言われれば言われるほど、かえってそれをやらなくなる。そのことを逆に利用するわけだ。……頭いいね。 (^^);
 
posted by 管理人 at 19:46 | Comment(10) | 政治 このエントリーをはてなブックマークに追加 
この記事へのコメント
 【 追記 】 を加筆しました。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2013年08月29日 23:55
中国人は基本的に商業民族なのです。有史以来広大な土地に莫大な人口が流転する国土に生まれた人間は、全てを合理的に考えます。見知らぬ人間をそうアテにしません。その分信用できる人間を大切にします。彼らは商売に関してはかなり創造的です。
そういう民族がただ安い物を大量に作るだけの仕事に従事しているのは不幸です。そして人間は自分の幸福も不幸も広めたがる習性がある。

もし天安門の時点で中国が民主化に舵を切っていたなら、紆余曲折はあれど今頃はちょっと尊敬される国になっていたでしょう。解き放たれた12億人民が世界に復讐する?いやいや、みんなそんなに暇じゃない。国家の洗脳なんてすぐに解けます。日本やロシアの事例を思い出してください。

中国は民主化すべきです。それが中国と世界のためになります。共産党政権は外圧に対抗するための機関でしたがとうの昔に役目を終えています。
Posted by tubird at 2013年08月30日 21:43
> 中国は民主化すべきです

 道義的にはそうですけど、もしそうなったら、もう 100円ショップで激安商品は買えませんよ。安価な雑貨類は数倍の値段を払う必要があります。衣料品も、大幅値上げ。
 今の世代は、衣料品も雑貨も安価に買えるものだと思っているけれど、それは中国が激安の人件費に耐えているから。それがなくなってしまいます。
 簡単に言えば、日本は中国を搾取しているから、豊かな生活を送れる。それを我慢して「質素な生活を送ろう」と言えるか? 実質的には、「私たちが搾取した富を中国人に返そう」と言えるか? 
 きれいごとでは済みません。

Posted by 管理人 at 2013年08月30日 22:09
中国の次はアフリカ、バングラデシュ、ミャンマー、ヴィエトナムと衣服や雑貨の生産地は流転して搾取は続いていくでしょう。
中国が搾取側に回るとチリの鮭の様に入手容易性がなくなるでしょう。
世界がその贅沢三昧不可に耐えられるのか、疑問ですね。
どうなることやら。

Posted by 京都の人 at 2013年08月31日 09:23
視点が小さい
Posted by 思うに at 2013年08月31日 11:36
 大きな視点を知りたければ、前項をご覧ください。
Posted by 管理人 at 2013年08月31日 11:43
>日本は中国を搾取しているから、豊かな生活を送れる。
 
これはとんでもない勘違いです。
なんちゃって左翼的発想ですね。
中国が、自国に不利益な事を甘んじて受け続ける国だと思いますか? 単純労働には安い価値しか無いから安いのです。
 日本人労働者は 高等教育を受けていて人件費が高い人が多いので単純労働させるのは割に合わないという事です。
 お互い、「現時点で」メリットがあると考えて取引しているんですよ。自虐的な考え方をする癖を少しづつ直して行きましょう。今、日本が中国を植民地として利用してるとでも
思いますか?かつてイギリスがインドでしたように?
そんなこと、あの中国共産党が許すとでも思いますか?
あなたの言う「搾取」を避けるためには人民に冨を還元し高い教育を受けさせ、より高度な産業製品やサービスを売る事が出来る国になる必要があります。産業構造が大きく転換しなければなりません。日本はそれをとてもスムーズに行いましたが、
普通 半世紀〜一世紀かかってもおかしく無い事です。
それを達成できない国もたくさんあります。
ですから、今の中国は(転換が出来なくて)頭打ちになってしまっているのです。「単純労働をたくさん売る」というのから
急に脱却する事は出来ないんですから。
Posted by さんくす at 2013年09月06日 20:07
> さんくす

 何か勘違いしているようですね。それは私を勝手に左翼だと思って左翼批判をしているだけです。

 「搾取」というのは「不平等がある」ということです。日本人と中国人との間には、生まれた国による(金銭的な)不平等がある。これは事実です。そのことを記述しただけです。あなたは事実を否定するつもりですか? 

 なお、この事実について「良し悪し」は論じていません。「日本人と中国人を金銭的に平等にせよ」とは主張していません。むしろ「平等にするな」と主張しています。(前々項)

 まとめ。
  私は、「中国人と日本人は金銭的に不平等だ」とは述べているが、「不平等はけしからんから平等にせよ」(★)とは述べていない。むしろその逆(不平等を維持せよ)と述べている。
 なのにあなたは、私の趣旨を勝手に誤解して、(★)だと思い込んでいる。それは誤読。

 現実では、中国人は安い人件費でこき使われている。それは現実であって、良し悪しではない。もちろん、「中国人に高い人件費を払え」というような エセ善人的な主張は成立しない。
 とはいえ、先進国の人々は、中国人を安い人件費でこき使っているからこそ、特別に安い金で中国製品を買える。その事実から目を逸らしてはならない。

 本項では、現実の良し悪しを論じているのではなくて、現実をそのまま描写しているだけです。まずは現実をきちんと理解しましょう。
 なぜなら、この現実はそのうち消えてしまうからです。最近では中国人の人件費もかなり上がってきています。他の国で代わりを探そうとしていますが、中国みたいに7億人もいる国はない。ボールペンが 10本 100円というような時代は、遠からずなくなるでしょう。資源価格もしだいに高騰するはずです。
( ※ 人口だけならインドが有望だが、インドにはカーストという特別な問題があるので、工業化はうまく行かない。)
Posted by 管理人 at 2013年09月06日 22:21
面白いけど、基本的な論理矛盾が多い。

「中国を民主化すべきか」という命題に対して
「民主化すると中国企業競争力が高まる」という、証明されていない仮説に頼って、結論を導いている。
「民主化」あるいは「民主主義」にもいろいろあることを無視した議論展開
また先に「民主化」された日本がどうして、後から「民主化」される中国企業に負けるのか、仮説に論理破綻の可能性あり。
また「民主化」のタイムフレーム(おそらく最低30-50年単位)と「企業競争力」のタイムフレーム(10-20年単位)は全く異なるのに並列で述べている。
それに根本的に「民主化」の実現性について吟味が不足。

まー、ジャーナリスティックな評論家のなんちゃって談義の寄せ集めのように感じました。
この議論の進め方、どこかの東大哲学を出た人ににてるなー。笑
Posted by いぬわたり at 2013年09月18日 01:27
私のコメント、ちょっと批判的すぎました。失礼しました。政治家の対応は硬直的で、この様な場でいろいろな可能性について思考実験をすることは非常に意味があります。
その意味で、とても楽しく読ませていただいております。
国と国、産業と産業の競争はゲームですから(と考えれば)、ご意見に私の批判している様な側面についても、具体策を練れば十分にワークする戦略もあり得る。「勝つ」とか「負ける」というのもゲームの土俵やルールを変えてしまえば、結果は全く変わるものですし。
さらなる思考実験チャレンジを期待します。
Posted by いぬわたり at 2013年09月19日 12:08
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