◆ ギリシャ危機の解決策(2015):  nando ブログ

2015年06月30日

◆ ギリシャ危機の解決策(2015)

 ギリシャ危機の解決策を示そう。実は、あまり大がかりなことをしなくても、この問題は比較的容易に解決が付く。

 ──

 ギリシャ危機(2015)は、ものすごい大問題であるというふうに報道されている。
  ・ 債務の返済ができない
  ・ デフォルト
  ・ 財政破綻
  ・ ギリシャのユーロ脱退


 なるほど、これらの報道だけを見ると、ものすごい大問題であるように見える。私も、詳しい事情は知らないまま、報道だけを見て、「大問題だな」と思い込んでいた。
 しかしながら、詳細を知ると、「この問題はかなり小さな問題だ」と判定した。なぜなら、ギリシャの財政収支は、本当は悪くはないからだ。( 重要!

 実際、2014年、2013年とも、基礎収支は黒字であった。
  ギリシャのマルダス財務副大臣は9日、2014年のプライマリーバランス(基礎的財政収支)が約29億ユーロの黒字になるとの見通しを明らかにした。議会で述べた。
( → ロイター 2015年 02月 10日
  ギリシャ財務省が14日発表した2013年のプライマリーバランスは、6億9100万ユーロ(約973億円)の黒字となった。12年は34億6000万ユーロの赤字だった
( → WSJ 2014年1月15日

 よりわかりやすく示すと、次のグラフがある。

greek1.png
出典

 これから明らかなように、2010年こそひどく悪化したが、2012年には回復してきたし、2013年以降は黒字化している。決して返済能力がないわけではないのだ。
 実際、負債の総額は、近年は減少しつつある。 

greek2.png
出典

 これらの点を見れば、ギリシャ危機は大した問題ではない、とわかる。
 
 ちなみに、日本と比較すると、こうだ。(GDP比での比較)

greek4.png
出典

greek3.png
出典

 財政収支は、ギリシャが大赤字のあとで黒字化したのに、日本はギリシャの大赤字の水準と同程度の水準をずっと継続している。
 負債の総額は、ギリシャが近年は減少しつつあるのに、日本はギリシャの最悪の時点をずっと上回る額でさらに額が上昇中だ。
2015yosan.gif 国の2015年度予算が9日、成立した。一般会計総額は当初予算で過去最大の 96兆3420億円。政策経費を借金である国債に頼らずにどれだけ賄えるかを示す基礎的財政収支の赤字は、国と地方を合わせ、国内総生産(GDP)比で 3.3%程度となる見込み。
( → 時事通信 2015/04/09-19

 グラフを見ればわかるように、
  ・ 国債償還 …… 23兆円余
  ・ 新規国債 …… 36兆円余

 であり、新たに増える国債の額(増えた借金の額)は、13兆4000億円ほどとなる。税収が 54兆5000億円しかないくせに、新たに 13兆4000億円ほども借金を増やしている。ひどいものだ。ギリシャどころじゃないね。

 逆に言えば、日本に比べればはるかに財政は健全であるのが、ギリシャだ。とすれば、ギリシャぐらいの財政赤字や政府負債で、大騒ぎするほどのことはないのだ。どうせ大騒ぎするなら、日本の方に騒ぐ方がまだ合理的だ。

 ──

 ま、日本の場合は、財政がひどいとはいっても、「日本という国の将来の成長力」が信用力となっているので、金を借りることができる。だからこそ、次々と借り換えができて、破綻も起こらない。(特に日銀がどんどん金を印刷していることが大きい。ユーロの紙幣を無制限に乱発するようなものだ。)
 日本のやっていることは、実に綱渡り的で、いつ破綻してもおかしくないのだが、それでも、かろうじて正常な経済状態を保っている。

 とすれば、ギリシャだって、「金の借り換え」をスムーズにやれば、何の問題もないのである。
 実際、ギリシャ危機の問題とは、「ギリシャに金がないこと」というよりは、「ギリシャの信用力がないこと」に帰因する。欧州や IMF が、ギリシャの現状(赤字は小さいこと)を見て、何らかの信用力を与えれば、問題はあっさりと解決するはずなのだ。
 ただ、ギリシャの首相は「金を返すものか!」と喚いて大騒ぎしているし、EU や IMF は「何が何でも返せ! さもなくば緊縮財政にしろ!」と喚いて大騒ぎしている。
 かくて、たいして問題は大きくもないところで、勝手に問題を大きくしてしまっている。
 こういうふうに、針小棒大に大騒ぎしているのは、冷静さを欠いている判断力の問題だ。狂気的とも言える。
 下手をすると、そのうち彼らは、日本を見て、「おや。ギリシャよりもひどいぞ」と思うかもしれない。そうなったら、日本の国際が売り浴びせられて、誰も日本の国債を買わなくなって、国債の市中消化ができなくなるかもしれない。そうなったら、日本がデフォルトだ。

 というわけで、ギリシャの問題については、世界中の人々が冷静になってもらいたいものだ。さもないと、日本がデフォルトになる。つまり、日本が破綻する。何しろ、グラフを見れば一目瞭然で、日本の状態はずっと悪いのだ。ただ、そこをゴマ化して、「安全ですよ」と言いくるめて、かろうじて綱渡り状態で続けてきたからだ。
 特に、「アベノミクスで景気回復」なんていう楽観主義を続けていると、そのうちバブルが破裂して、一挙に日本経済は破綻するかもしれない。特に、消費税が 10%に上がったときが危ない。
 ともあれ、そうならないように、ギリシャの問題を、冷静に判断して解決してもらいたいものだ。
 そして、その方策は、かなり簡単である。ギリシャに追加融資をするだけでいい。その額は、大した額じゃない。

 ちなみに、日本は JR北海道 に 1200億円を供与し、JR四国に 200億円を供与する。( → 別項
 さらに、新国立競技場に 2520億円(プラス屋根の工事費として数百億円)を投入する。
 合計して、5000億円近い金を、「底なし井戸」みたいなところに投入する。これらの金は、まったくの無駄となる。
 こういう無駄金を使うぐらいだったら、ギリシャにその金を投入した方がマシだ、とすら言える。たとえば、ギリシャの離島の施政権を 1000〜 2000億円で買う、とか。
  → Open ブログ: ギリシャの島を買え

 
posted by 管理人 at 19:54 | Comment(8) | 経済 このエントリーをはてなブックマークに追加 
この記事へのコメント
ギリシャの話はともかく、日本国債が日本円建てで発行している限り、破綻はあり得ないはずですが。
自国通貨建てで国債を発行できる国とできない国を同列に考えてはなりません。
経済に詳しいはずの管理人さんの発言とは思えません。影武者が書いているのでしょうか?

旧国立競技場は、建てられてから半世紀ほど経過していて老朽化が激しく、
早かれ遅かれ建て替えの必要があったのではないでしょうか。(首都高も同様、国が介入してでも補修か立て替えをすべき)
屋根の工事についても、ああいった難易度の高い工事は建築技術の蓄積にもなるので、
全くの無駄とは言えません。
Posted by K'z at 2015年07月03日 07:51
1行目、発行しているではなく、発行されているでした。
訂正します。
Posted by K'z at 2015年07月03日 08:22
> 日本国債が日本円建てで発行している限り、破綻はあり得ないはず

 それは認識が甘い。
 破綻するというのは、借金を返済できない状況。それは、円建てで発行していても、起こりうる。
 仮に、起こらないとしたら、税をやめて、国債の発行だけで歳入をまかなうことにして、無税国家にすることができる。借金のし放題。しかし、そんなことはあり得ない。

 具体的にはどういうことかというと、次のシナリオが成立する。
  ・ 極端な財政赤字
  ・ 日銀がどんどん国債を購入する
  ・ 円が市中にあふれる
  ・ あるとき突発的にハイパーインフレが起こる。
   → http://nando.seesaa.net/article/108232641.html
   → http://nando.seesaa.net/article/323159106.html の図
  ・ キャピタルフライト(資金の国外逃避)
  ・ 国債暴落
  ・ 国債の買い手がいなくなる
  ・ 日銀が円を発行して買い支える。
  ・ 日銀もついに円を発行できなくなる。
     理由は「最高発行額制限制度」← ググれ。
  ・ 政府発行の国債が売れ残る。
  ・ 大幅な歳入不足。
  ・ 国債償還が不可能になる。 = 破綻。

 ──

 日本が破綻していないのは、将来の成長力が信用力となっているからです。巨額の借金があるということ自体は、事実であり、否定できません。
 比喩的に言えば、日本は、将来性のある優秀な若者が1億円の借金を負っている状況です。今は信用力があるから、彼は健全な生活を送れます。しかしひとたび信用力が毀損したら、破綻します。たとえば、病気になって、寝たきりになるとか。交通事故で車椅子生活になるとか。
 日本も同様。今は信用力があるが、ひとたび関東大震災が押し寄せて、生産力が激減したならば、信用力が毀損して、借金取りが押し寄せて、破綻状態になる可能性は高い。若者が急に重病人になったのと同様。
 いずれにせよ、莫大な借金を負っても「平気だよ」なんて言っていられるのは、頭が極楽トンボ過ぎる。
Posted by 管理人 at 2015年07月03日 11:20
> 屋根の工事についても、ああいった難易度の高い工事は建築技術の蓄積にもなるので、

 あれは建築技術ではなくて土木技術だ、とプロが言っています。つまり、橋を作るのと同じ。
 あんなアーチを作るためだけに1000億円以上も費やすような建築物は、あり得ません。空前絶後の愚行。
 ただし、同様の橋を建設することなら、今後も何度もあるでしょう。河の上に建設するのは橋しかない。空中にビルを建てることは不可能なので。(浮遊建築なんてあり得ない。)
Posted by 管理人 at 2015年07月03日 11:22
私は安倍政権の経済政策をほとんど支持していません。
誤解を招くような書き方だったかもしれません。

私が言いたいのは、借金の額が問題ではないと言うことです。
デフレを助長する政策をとり続けているのが問題だと思います。
デフレを脱却する政策をとれば、政府の借金問題は考える必要もないのです。

最後に、「最高発行額制限制度」をググリましたが、平成9年に廃止されたと読めるのは、
私の読み間違いでしょうか。
Posted by K'z at 2015年07月03日 17:30
> 平成9年に廃止

 あ、ほんとだ。済みません。調査不足でした。

 これはどういうことか? ハイパーインフレにするのに、やる気満々なのか? と思ったが、そうではなかった。

> 最高発行額制限制度の意義は希薄になっていること
 → http://is.gd/ikXiYv (PDF)

 ということから、「そんな制度はあっても意味なし」と見なされて、廃止されたようだ。
 ま、言われてみればその通りで、最高発行額にまで膨張するようになったら、もはや破綻寸前なんだから、そんな状況まで放置するのは間違っている、ということなんでしょう。それはそれで妥当。

 ともあれ、私の先のシミュレーションは、最高発行額制限制度のところ以降が妥当ではないですね。「破綻」のかわりに「ハイパーインフレ」となるでしょう。どっちにしても経済は破滅状態だが。
 
 
Posted by 管理人 at 2015年07月03日 23:39
ギリシャの国民投票をきっかけに問題を解決するにはどうすればいいのだろうかと調べているうちに管理人様のホームページにたどり着きました。
とても勉強になりました。ありがとうございました。
RSSに登録して、これからも拝見させていただきます。
Posted by なんくる at 2015年07月06日 05:11
下のお話で、
・ 日銀がどんどん国債を購入する

・ 円が市中にあふれる

・ 突発的にハイパーインフレ

と、ありますがインフレとなるには世の中のお金がよく回るようになる、つまり景気がよくなる必要があります。
流動性の罠にかかった今の日本では、日銀がいくら低金利政策をつづけて、民間銀行に資金を供給しても、その大部分は世の中に流れず、銀行の金庫にあるままです。

大切なのは貨幣そのものの発行量というよりは、世の中でどれだけの流動性を持っているかですから、ハイパーインフレになるという話は成立しないと思いますよ。


   
Posted by ホウセイ at 2015年11月03日 17:15
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