◆ 若者は年金で損をしているか?:  nando ブログ

2016年03月04日

◆ 若者は年金で損をしているか?

 若者は将来、年金を受け取る額が少なくなるので、損をする……と言われている。本当か? 

 ──

 納めた額と、受け取る額で、比較しよう。すると、今の高齢者は、払った額の何倍もの金を受け取れる。一方、今の若者は、払った金よりも少しの年金しか受け取れない。次のページに、試算とグラフがある。
  → 試算とグラフ

 では、これは「高齢者が得をして、若者が損をしている」(若者から高齢者に所得が移転している)ことを意味するのか? つまり、世代間格差があるということを意味するのか?
 「そうだ」と思う人が多いようだ。しかし、よく考えてみよう。

 ──

 本来ならば、「世代間の仕送り」をすることによって、「若者が老人を扶養する」という形になるので、常に「人は払ったよりも多くの金を受け取ることができる」というふうになるはずだ。(経済成長があるからだ。)
 さらには、国庫による税金投入もある。
 以上を勘案すれば、どの世代でも、「払った金の2倍の年金を受け取る」ということが可能になるはずなのだ。もともとそういうシステムになっているのだ。
( ※ 比喩的に言えば、「利息をもらえる」というのに似てる。生涯で 1000万円を払えば、利息込みで、老後に 2000万円をもらえる、というようなものだ。)

 ではなぜ、そういうシステムがあるのに、その機能が果たされないのか? 理由は二つある。

 第1に、日本が低成長であるからだ。これによって、経済成長が損なわれる。(利息の利率が低下することに相当する。)

 第2に、少子化が進むせいで、老人を養う若者の数が足りなくなってきている。今の若者が老人になったころには、さらに少子化が進むので、自分たちを養ってくれる世代の経済力がなくなってしまう。そのせいで、若手世代からの仕送りを得られなくなってしまうのだ。
  → 少子化の進展の画像

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 結局、「低成長」と「少子化」という二つの要因が、「世代間の仕送り」という年金のシステムを機能不全にしてしまっている。とすれば、対策は、次の二つだ。
  ・ 低成長の阻止 (景気回復)
  ・ 少子化の阻止 (出生率の上昇)

 この二つによって、若者たちは将来の年金の額を増やすことができる。それは決して、今の高齢者の金を奪うことによって実現されるのではない。むしろ自分たちが「出生率 1.4」なんていうひどい状況から脱することが大切なのだ。

 そして、そのための方策の一つが、「保育園の充実」だ。これによって、出生率を高めて、少子化を阻止することが可能となる。
 つまり、「保育園の充実」は、ただの福祉政策であるのに留まらない。日本という国家のシステムを正常化して、日本という国家の未来を救うことに直結するのだ。これは日本の未来を左右する非常に大きな問題なのだ。

 
posted by 管理人 at 00:04 | Comment(6) | 経済 このエントリーをはてなブックマークに追加 
この記事へのコメント
年金財政の逼迫は寿命が長くなったこと、それに伴う医療費の増大も一因かと。

いずれにせよエントリの内容に異論はないわけですが、「成長」について更に掘り下げた言及を期待します。現在のこの著しい需給ギャップをどう解消していくのか、或いは何か新たな需要を創出していくということなのか。

>「保育園の充実」は、ただの福祉政策であるのに留まらない。

この部分も正に仰るとおりなんですが、では何故そういった方向に進まないのかについてもお考えを開陳下されば有難いです。
Posted by 作業員 at 2016年03月04日 10:33
 経済成長のためには、需要不足を解決することが必要。そのためには、消費を増やすために、労働分配率を上げることが必要。それが実現すれば、企業内にだぶついている内部留保が、国債購入に向かうかわりに、需要拡大に向かう。ところがそれを阻止するのが、企業優遇で労働者冷遇をする自民党だ。

 保育園を充実するには、Openブログに書いてあるような歩法をいろいろと取ればいい。しかしそうしないのは、政府に知恵がないということもあるが、政府がもともとやる気がないという点が大きい。自民党は、保育園の充実より、家庭内保育を推進したいからだ。日本の伝統の墨守。保守政党の特質。

 結局、低成長も、少子化も、自民党の政策のせい。で、自民党が政権を取っているのは、国民のせい。国民が馬鹿だから、自分たちを冷遇する自民党を支持して、そのせいで、国家は衰退する。
 今の若者がひどい状況にあるのは、自民党なんかを支持しているせいだ。まだ(子供手当や高校無償化の)民主党の方がマシだ。民主党がイヤなら、公明でも、共産でもいい。なのに、そっちを取らないで、自民を支持するのが、今の若者たちだ。自分で自分の首を絞めている。

 ──

 なお、景気回復の方法については、本サイトの「経済」カテゴリにいっぱい書いてあるので、そちらをご覧ください。
Posted by 管理人 at 2016年03月04日 12:30
>国家は衰退する。

概ね避けられないかも。よほど困窮すれば変化がみられるかもしれないが、その時はもう手遅れかと。
Posted by 作業員 at 2016年03月04日 13:27
ここしばらく経済の話しないけど、それは現在の経済政策を支持している、もしくはもう語られるほどもう若くはないって事で良いのかな?
Posted by お名前 at 2016年03月04日 20:50
 もうあまり話題がないんですよね。
 経済状態はずっと不況で変わらない。それに対する対案は、すでにたっぷりと語り尽くした。
 最近の話題は、「少子化」であり、それについては「保育所」「保育士」という話題で、Openブログの方にいっぱい書いてあります。
 消費税もそう。
 時事ネタは、Openブログの方に書いている。それでいいでしょ? 

 ──

 経済では、(時事ネタでなく)学術っぽい話題は nando ブログの方に書いているが、そう多くはない。

 泉の波立ちも、もともと時事ネタが多くて、経済学の話題に熱中していたのは、小泉時代とその後の数年間ぐらいだった。
 現在では、もうきちんと結論が出たので、特に論じるような話題はない。
 なお、私の結論は「中和政策」と「タンク法」(貨幣濃度調整法)です。ずいぶん前に結論した。

 これらの語の意味がわからなければ、サイト内検索してください。
Posted by 管理人 at 2016年03月04日 23:19
 アベノミクスへの批判を期待されているのかも知れないが、これは「量的緩和は無効だ」というふうに、これまでさんざん論じてきたことなので、今さら書いても、二番煎じ、三番煎じになるだけだ。
 書くとしたら、「やっぱり駄目だったろ」ということぐらいか。書いた方がよさそうですね。
 そのうち書きます。

( ※ 経済のことをあまり書かなかった本当の理由は、疲れが溜まっていたから。最近、疲れが取れてきたので、書けそうだ。)
Posted by 管理人 at 2016年03月04日 23:23
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