◆ 英国は EU を離脱するか 1:  nando ブログ

2016年06月17日

◆ 英国は EU を離脱するか 1

 英国は EU を離脱しそうだ……という世論調査が出ている。では、本当にそうなるか?

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 英国は EU を離脱しそうだ……という世論調査が出ている。以前は残留派が優勢だったが、最近になって6%ほど、離脱派が上になっているようだ。
  → 英国のEU離脱支持が53%と逆転

 では、国民投票で離脱派が勝利すると、本当に英国は EU を離脱するのか?

 これについては、勘違いしている人も多いようなので、解説しておこう。
 国民投票の結果は、ただちに「離脱」を意味するのではない。では、何を意味するかというと、こうだ。
 「離脱を目標として、EU と離脱の交渉をする。交渉期間は2年間だが、延長も可能だ」


 ここで、交渉の結果は、次のようになる。
  ・ 「離脱」に合意。 → その時点で離脱する。
  ・ 交渉が決裂    → それ以後、英国が独自に離脱する。


 どっちの場合も「離脱」となる。だから、「離脱」になるに決まっている……と思う人が多いようだ。しかし、違う。
 実は、第3の道があるのだ。それは、「交渉の継続」である。合意も決裂もしないで、延々と交渉が継続する、という道だ。そして、この道が、もっとも可能性が高い。なぜか? 保守党も労働党も、政治家の側は、離脱に反対しているからだ。だとすれば、「離脱」につながるような道を選ぶはずがなく、延々と「交渉の継続」が続くだろう。

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 では、そのあとは? 永久に「交渉の継続」を続ける絵わけには行くまい。そのうち、国民が爆発する。政権は不支持を突きつけられて、政権が崩壊する。それは避けねばならない。とすれば、何らかの着地点が必要だ。では、その着地点とは?

 ここで、国民の不満の元を理解するといい。国民は、EU に加入していること自体に反対しているのではない。移民が押し寄せることに反対しているのだ。
 このことは、あちこちで報道されている。たとえば、上記記事でもそうだ。
  → 英国のEU離脱支持が53%と逆転、移民問題が争点
 
 また、次のページでも、底辺層の国民に「移民への怒り」があることが記されている。
  → 英EU離脱投票と労働者たち:暴走するワーキングクラスの怒り

 こういう状況を理解すれば、着地点も見えてくる。こうだ。
 「 EU は離脱しないが、移民は規制する」


 換言すれば、こうだ。
 「 EU に残留することの条件として、移民の受け入れを否定することを、認めさせる」

 これはつまり、シェンゲン協定を否認する権利を得る、ということだ。

 これは、英国の自分勝手な要求だから、通常ならば、認められるはずがない。
 「そんなことを要求するのなら、EU から出ていけ」
 と言われるだけだ。
 しかしながら、英国が先に「さもないと EU から出ていくぞ」と言い出したら、EU 諸国としては、英国の言い分を飲み込むしかない。(さもなくば EU 解体みたいになって、途方もない混乱が起こる。)

 というわけで、
 「移民受け入れの拒否を条件に、英国は EU に残留する」
 というのが、落としどころ(着地点の場所)となるだろう。

 ──

 ただし、これは、副作用を生む。
 「英国にそれを認めるなら、おれたちの国にもそれを認めよ」

 という声が、各国で次々と生じるだろう。そして、結果的には、移民は各国で拒否されて、シェンゲン協定も無効化するだろう。

 では、それは、悪いことか? いや、別に、悪いことではない。一時的には、「理想の欧州像が崩壊した」と思えるだろうが、そのあとでは、「真に安定した状態」に落ち着くだろう。それは何か? こうだ。
 「先進諸国だけで成立する欧州共同体 A と、中進国だけで成立する欧州共同体 B とに分離して、それぞれのなかで、移民や移動の自由が認められる」


 具体的には、こうだ。
  ・ 欧州共同体 A …… 英、独、仏、スイス、ベルギーなど。
  ・ 欧州共同体 B …… スペイン、ポルトガル、東欧諸国など。


 こういうふうに、所得水準別に、二つぐらいのグループに分ける。そのなかで、移民や移動の自由を認める。
 これなら、英国民を含めて、各国民の不満は消えるだろう。現状では、移民を救済するために多額の金が費やされているが、新たな制度では、低所得者をを救済するために多額の金が費やされるようになるだろう。
 だから、この状態で安定する、と見込まれる。
 そして、現状は、真の安定状態に移るための、一時的な混乱期である、と見なせるだろう。
( ※ モデル的には: 一時的な極小値から、混乱の山を越えて、もっと安定する極小値に移動できる。)



 [ 付記 ]
 このことを理解しておくと、金儲けが出来るかもしれない。
  • 当面は、離脱派が増えるので、不安が高まり、どんどん円高に。
  • 投票直後は、不安と混乱で、大幅な円高に。1ドル 100円割れもありそうだ。95円ぐらいになるかも。ユーロ暴落。
  • その後は、「実は交渉が始まるだけだ」という認識が広がり、じわじわと円安になり、あるとき急激に1ドル 105円ぐらいに戻る。
 要するに、一時的に大幅円高になったあとで、また元の水準に戻る、というわけだ。
 こういう状況を理解して、先手を打っておけば、ボロ儲けすることも出来そうだ。

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 ただし、外貨取引(FX)は、非常に危険である。素人がやると、全財産を失いかねない。全財産を失った人の例もある。
  → バイト終わってスマホを見たら、1000万が無くなっていた - 一人暮らし・フリーター。30歳までに1000万貯蓄出来たのに32歳で1000万吹き飛ばしちゃったよブログ

 FX は、こういう危険があるので、素人にはお勧めできない。
 なお、どうしてもやるのならば、次の基本原則を守るべき。
 「全財産を投資してはいけない。必ず、全財産の3割以下に投資額を収める。投資で全損しても、まだ残りの7割が残るようにする」
 こういう形ならば、ナンピン買いをすることで、損失を回復することも出来る。
 一方、最初から全財産を投資するようでは、「必ず破綻します」という道を取るのも同義だ。実例が、上記のブログだ。
 このくらいの基本を理解していないのなら、やめた方が無難です。



 【 関連サイト 】

 次の記事も参考になる。
離脱が決まると、少なくとも2年間、EUとの間で離脱条件などの交渉が行われる。
( →  ロイター

 
posted by 管理人 at 23:56 | Comment(1) | 政治 このエントリーをはてなブックマークに追加 
この記事へのコメント
ずーっと交渉することはやりそうです。
イギリスとアイルランド、そしてルーマニアがシェンゲン協定に参加していないのでEUに入った難民や移民はイギリスへ渡れません。
とはいうものの、協定の見直しは少し面白い考え方ですね。
Posted by 京都の人 at 2016年06月18日 23:45
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