◆ 英国は EU を離脱するか 13:  nando ブログ

2016年07月03日

◆ 英国は EU を離脱するか 13

 英国の EU について、再度の国民投票はあるだろうか? 同じ形では「なし」だろうが、別の形なら「あり」だろう。

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 EU 離脱について、今後の情勢はどうだろうか? 朝日や読む理に記事がある。
  → (離脱の衝撃)難交渉
  → 「EU離脱後に自由貿易交渉」案…英経済に打撃

 つまり、双方の立場は、正反対である。
  ・ 英国 …… 自由貿易と移民制限の双方を得たい。
  ・ EU …… 自由貿易と移動の自由はセットである。
         (一方だけのつまみ食いを許さない。)

 要するに、双方の主張は、白と黒というぐらい正反対になっている。英国は「これを望む」と言い、EUは「絶対に許さない」という強硬策だ。まったく正反対。

 一般に、交渉というものは、双方が妥協点を得ることで成立する。しかるに、今回の事例では、双方がまったく正反対のことを主張しているがゆえに、妥協点はありえない。どちらかが屈服するしかない。しかし、屈服もありえない。
 となると? 残るは、どん詰まりしかありえない。つまり、双方が自分の言うことだけを主張して、何ら合意に達しない、ということだ。
 具体的には、交渉が始まらない。英国が離脱の通知をすることもない。
 …… 以上は、私が以前から「延期」というふうに予想したとおりだ。

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 とはいえ、いつまでたっても「進展なし」では、人々は痺れを切らすだろう。となると、残るは「再投票」しかない。再投票によって「残留」を決めるわけだ。これは可能だ。
 しかしながら、メンツというものがある。いったん投票して、すぐに再投票して否定するなんて、あまりにもカッコ悪い。世界中に向かって、「私はたちはアホです。とんだ茶番をして、世界中にアホをさらしました」と告げるようなものだ。とんだ物笑いのタネになる。
 だから、英国民は、再投票には否定的だ。政治家が否定的であるだけでなく、世論調査でも否定的だ。
 《 【英EU離脱】再投票ならEU残留多数と英調査 やり直しには 60%が反対 》
 英夕刊紙イブニング・スタンダードが1日掲載した世論調査によると、英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票が改めて実施された場合、残留支持は45%、離脱は40%で、残留が上回るとの結果が出た。ただ、投票のやり直しには60%の回答者が反対している。
 投票での自分の選択を後悔しているとの回答は離脱を支持した人が13%、残留派は4%。後悔している離脱派のうち約3分の1に当たる全体の4%は、もし再投票があれば残留に票を投じるとしている。
 実際の投票では離脱52%、残留48%で離脱が決定。再実施を求める請願への署名は400万人を超えたが、キャメロン首相は投票やり直しを明確に否定している。
 6月23日の投票で残留を支持した人の中で、再投票を求めるとの答えは53%。離脱派ではわずか6%。投票しなかった人の中では45%が再投票を求めた。
( → 産経ニュース 2016.7.2

 「残留支持は45%、離脱は40%で、残留が上回る」とのことだから、残留と離脱のどちらが民意であるかは、もはや明らかだろう。「残留」が民意なのである。だから、「離脱」を実行するべきではない。民主主義の原理からしたら、そうあるべきだ。
 しかしながら、メンツというものがある。何が正しいかはわかっているが、正しいことを選択する気にはなれない。なぜなら、そのためには、自分が間違ったことをしたと認める必要があるからだ。それだけはメンツゆえに、絶対にイヤだ……と思うのが、英国人の発想だ。「再投票を求めるとの答えは……離脱派ではわずか 6%」。つまり、たったの 6%しかいないのだ。自分の誤りを認めようとする人は。
 かくて、メンツゆえに、「再投票は無理」という結論になる。ここでは、「何が正しいか」「何をするべきか」という議論をしても、もはや無駄である。ただのメンツの問題なのだから。
( ※ 英国の離脱について、理屈で論じている人は、もはや本質から逸れてしまっている。本質は、英国人のメンツだ、ということを理解するべきだ。……なのに、理解できない。だから、「裸の王様」状態であるわけだが。)

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 では、このまま、どうにもならないか? いや、解決策はある。人々は気づいていないが、私は気づいているから、教えよう。こうだ。
 「英国人のメンツを立てる形で、再投票を実現する」

 そのためには? こうだ。
 「前と同じ国民投票をするのではなく、別の国民投票をする」

 その意味は、こうだ。
 「新たな条件における離脱を、国民投票で決める」

 具体的には、新たな条件を加えて、次のいずれかの国民投票をする。
 (1) 英国が離脱するなら、スコットランド、北アイルランド、ウェールズ(ケルト連邦)が独立するそうだ。その条件で、英国はやはり離脱するべきか? (結果的にはイングランドだけが離脱することになるが。)
 (2) どうせイングランドだけが離脱するのであるから、ケルト連邦が英国に残り、イングランドだけが独立する(そして EU から離脱する)べきか? 
 (3) スコットランド、北アイルランド、ウェールズ(ケルト連邦)が独立するという意向を受けたので、英国の EU 離脱という方針を撤回するべきか? 


 この三つのうちのいくつか(1個〜3個)について、国民投票をするといいだろう。こういう国民投票ならば、意味がある。
 そして、その結果は、次のようになるはずだ。
 「ケルト連邦が独立するという新たな事態になったので、英国の EU 離脱という方針を撤回する」
 「イングランド単独の独立・離脱という方針は取らない」

 こういう形で、新たに決着が付くだろう。つまり、「元サヤ」である。……これもまた、最初に予測したとおり。
  → 英国は EU を離脱するか 3

 ──

 まとめ。

  ・ 英国民の多数派は、今では「離脱」でなく「残留」である。
  ・ ただしメンツがあるので、自分の誤りを認めたがらない。
  ・ ゆえに、間違いを認める「再投票」はありえない。
  ・ しかし、別の国民投票なら、あり得る。
  ・ それは、「新状況における、イングランドの離脱の是非」だ。
  ・ ここで、「イングランドの独立・離脱」は否定される。
  ・ そのことで、結果的に、元サヤに収まる。これで問題は解決。

 
 以上が正解だ。英国民は、今のところは、この正解に気づいていない。しかし、時間がたてば、この正解に気づくようになるだろう。だから、何カ月か何年かたてば、上の正解を取るようになるはずだ。
 これが、私の予想だ。
 
posted by 管理人 at 23:35 | Comment(0) | 政治 このエントリーをはてなブックマークに追加 
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