◆ 不況は継続中:  nando ブログ

2017年02月06日

◆ 不況は継続中

 不況はいまだに継続中であることが判明した。

 ──

 実質賃金の増加率が微増であった、というニュースが出た。
 賃金は0.5%増で、物価が0.2%増だから、実質賃金は0.7%増だ、という趣旨。
働く人1人当たりの去年の給与総額は、月の平均で31万5000円余りとなり、物価の変動分を反映した実質賃金でも0.7%増え、5年ぶりにプラスになりました。
 厚生労働省が全国のおよそ3万3000の事業所を対象にした調査の速報値によりますと、基本給やボーナス、残業代などを合わせた去年の給与総額は、働く人1人当たりの月の平均で31万5372円でした。これは前の年を0.5%上回り、3年連続で増加しました。
 また、物価が下落したため、物価の変動分を反映した実質賃金では0.7%の増加となりました。実質賃金がプラスになるのは5年ぶりです。
( →  NHKニュース 2017-02-06

厚生労働省が6日発表した2016年の毎月勤労統計調査(速報)によると、物価の影響を差し引いた賃金の変動をみる実質賃金指数が前年を0.7%上回り、5年ぶりに増加に転じた。
 ただ、実質賃金の算定に用いる消費者物価指数(生鮮食品含む)が前年より0.2%下がった影響が大きく、経済の好循環につながるかは不透明だ。
 名目賃金にあたる労働者1人あたり平均の月額の現金給与総額は、前年比0.5%増の31万5372円。3年連続で増えたが、このうち基本給にあたる「所定内給与」は24万267円で、0.2%増にとどまった。主に賞与にあたる「特別に支払われた給与」が2.0%増の5万5637円となり、これが現金給与総額を押し上げた。
 「所定内給与」を雇用形態別にみると、フルタイム労働者は前年比0.6%増の30万6008円で、パートタイム労働者は0.1%減の9万1828円。働き手全体に占めるパートの割合は同0.22ポイント増の30.70%と上昇しており、全体の名目賃金を抑える要因になっている。
( → 朝日新聞 2017-02-06

 これを見て、記事では「0.7%であっても、プラスはプラスだから、好ましい状況だ」と思っているようだ。
 しかし、たとえそうだとしても、こんなに小さな値では、「ほとんど変わらない」というのが実状だろう。
 それより、もっと大切なことがある。「生産性の増加は年率2〜3%ある」ということだ。だから、本来ならば、このくらいの成長率があるはずなのだ。実際、諸外国は、このくらいの成長率を達成している。なのに、日本に限っては、成長率がゼロ同然だ。
 これは何を意味するか? こうだ。
 「本来ならば(質的向上で)2〜3%の成長率があるはずなのに、実際には 0.7%の向上しかない。としたら、その差は、量的な縮小が生じている」
 これはつまり、
 「いまだにデフレが継続している」
 ということだ。経済は今なお縮小中なのである。その縮小のせいで、生産性の向上が食われてしまった。
 
 ──

 このことは、次の記事を見ると、わかりやすい。
  → 完全雇用なのになぜ賃金上昇率が鈍いのか

 完全雇用だから賃金上昇が起こるはずだ、と信じている。
 なるほど、そういう発想はあるだろう。特に、古典派の発想ならば、「価格は市場で決まる」という発想だから、「需要が十分にに増えば、労働の価格(=賃金)は市場において上昇する」と思うのだろう。

 しかし、マクロ経済学の発想を取れば、それは間違いだとわかる。正しくは、こうだ。
 「賃金の上昇が起こるには、完全雇用が達成されているだけでは駄目であり、労働需要が労働供給を大幅に上回っていることが必要だ。そのためには、GDP の拡大が必要だ」

 これを逆に言えば、こうだ。
 「労働価格(=賃金)が上昇しないのは、いまだに GDP の拡大が起こっていないからだ。つまり、日本はいまだに不況が継続しているからだ」

 この不況は「縮小する」という意味ではなく、「低い水準で停滞している」という意味だ。どっちみち、底のあたりで低迷しており、上昇する機運がない。だからこそ、賃金水準は低いままとなる。

 マクロ経済学を理解すれば、このように理解できる。一方、失業率だけを見て、「もはや失業は解決した」なんて楽観しているようでは、いつまでたっても真実を理解できない。

 たぶん、たいていの経済関係者は、「アベノミクスは成功した.これからは景気は上昇する」と思っているのだろう。しかし、真実は違う。真実は、こうだ。
 「アベノミクスは、プラスもマイナスも、ほとんど効果はなかった。ほぼ無為無策だった。さんざんやった量的緩和はほぼ無効だった.結局、アベノミクスによる景気回復効果は、何もないも度前だった」

 日本はいまだに不況なのである。ほんのちょっとは上昇してる気配はあるかもしれないが、それは、劣等生の点数が5点から6点に上がった、という程度のことにすぎない。朝日の漫画の「ののちゃん」みたいなものだ。最低レベルで徘徊しているだけだ。
 日本は景気回復からは程遠い。その真実をきちんと理解しよう。


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出典:世界のネタ帳



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出典:通商白書 2011年版1 世界経済の現状と今後の見通し


 上からわかるように、日本だけが、極端に GDP 成長率が低い。
 つまり、(生産性の向上で)質的な成長はあっても、GDPの成長があまりない。これはつまり、量的な面での縮小があるということだ。その意味で、不況は継続中だとも言える。(デフレというほどひどくはないが。)
 


 [ 付記 ]
 じゃあどうすればいいか……という質問には、何度も答えた。
 正解は、GDP を増やすことだ。つまり、総生産を増やすことだ。
 そのためには、総需要を増やすことだ。
 ここで、投資を増やす金融政策は無効だから、消費を増やす減税だけが有効だ。ただし、小規模では無効。
 結論。有効な不況脱出策は、大規模減税だけである。
 
posted by 管理人 at 19:49 | Comment(5) | 経済 このエントリーをはてなブックマークに追加 
この記事へのコメント
Posted by 通りすがり at 2017年02月07日 10:36
↑ 最後の四半期を見て、外需の寄与で高めの成長率ということだが、トランプ以後は円高で外需が減りつつあるので、今後は低成長となり、相殺となるでしょう。
 四半期ごとの変動は、あまり意味がない。
Posted by 管理人 at 2017年02月07日 12:17
需要を増やせと言われると 食欲を増やせと言われているような気がします
大人になると若い頃のようにドカ食い出来ませんよね

>大規模減税
例えば年収500万 税金は50万ぐらいでしょうか 半分になったとしても消費に向かうかどうかわかりません
企業の場合減税は内部留保になるだけではないでしょうか
トヨタは一昨年純利益2兆円超えだったそうですね しかも法人税を5年も払っていなかったとか・・・。
明らかに制度がおかしいと思います

勝ち組の利益の何割かを負け組に還流させる仕組みが必要でしょう
設備投資や給与に振り向けられなかったら純利益は全て税金にするとか(笑)
Posted by P助 at 2017年02月08日 21:24
> 消費に向かうかどうかわかりません

消費した人のせいで物価上昇が起こるので、消費しない人は損します。「消費しない税」みたいなのを余分に取られる計算。物価上昇の分。
 http://www005.upp.so-net.ne.jp/greentree/koizumi/93_kaise.htm

あと、少数の人が消費しなくても問題ない。その金は貯金に回るので、貯金から投資に回って、投資が増えます。大部分の人が消費すれば、それで問題ない。

大部分の人が消費しなければ? どんどん減税を続けると、消費した人は「遊んで暮らす」という夢の状態。消費しない人は貯蓄を残したまま死んでいくだけ。人生丸損になるだけ。
Posted by 管理人 at 2017年02月08日 22:04
> 消費しない人は損
損か特かで言えばそうでしょう
でも幸せか 不幸せかはわかりません

堅実に貯金して老後も苦労なく 遺産を残して死ぬ 
キリギリスのように生きて老後は社会保障に依存するのみ

どうでしょうね
Posted by P助 at 2017年02月09日 08:18
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