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欧州(特にドイツ)では、中国に好意的な意見が多かった。ドイツから中国への輸出が膨大であることもあって、ドイツにとって中国はなくてはならない輸出先となっていたからだ。政府や主張もしばしば親中的な発言を繰り返していた。
ところが、中国があまりにもドイツに進出しすぎたので、最近のドイツでは中国に警戒心が高まっているそうだ。
《 「中国の夢」と向き合う欧州 吉岡桂子 》
「ドイツの中国への見方は、変わってきています」。ベルリンで取材したアンジェラ・シュタンツェルさんは言う。
分岐点の一つは、ロボットメーカー大手「KUKA(クーカ)」の中国企業による買収だった。昨年、中国からドイツへの投資は前年の10倍近くに伸び、先端技術が買われた。
フォルクスワーゲンにとって世界最大の市場は中国で、両国の首脳の往来は盛んだ。それでも、中国の台頭を好機とばかりは言えなくなってきた。影響が欧州の懐に伸びてきたからだ。
「東シナ海をはじめ安全保障の問題を抱える日本に比べて、地理的に遠いドイツは中国にポジティブすぎる。そう、日本の友人から指摘されてきたけれど、ドイツでも中国には注意も必要だという声が増えました」とアンジェラさん。
( → (ザ・コラム)朝日新聞 2017年12月28日 )
以上について、特に私からはコメントするべきことはないのだが、「こういう変化が起こりつつある」ということは重要なので、ここに書き留めておいた。
中国の問題については、「日・米・欧が協調して中国に対するべきだ」とこれまで何度か書いてきた。
領土問題であれ何であれ、その根源には、国家エゴイズムがある。そして、その対策は、真っ正面から論じ合うことではなく、相手に経済制裁を加えることだ。それも、一国だけでなく、国際協調の形で。
( → 中国問題の本質: nando ブログ )
当然だが、一国だけでやっても意味がない。日本・米国・欧州・韓国などといっしょに実行する必要がある。
当然、中国は反発するだろうが、中国の顔色ばかりうかがうのは、いい加減やめた方がいいだろう。
( → 中国を民主化せよ: nando ブログ )
とはいえ、これまでは、「欧州(特にドイツ)が中国に甘すぎる」という状況があった。(お得意様を怒らせたくない、という意味で。)
ところが、最近では、その状況に変化が起こりつつあるのだ。中国のヤバさを、欧州もようやく理解しつつあるようだ。このことに着目して、情勢を見守りたい。