◆ ミャンマー民主化と中国の影響:  nando ブログ

2018年01月28日

◆ ミャンマー民主化と中国の影響

 ミャンマーは、民主化されたにもかかわらず、現状では非民主的だ。それは中国の影響のせいらしい。

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 ミャンマーは、民主化されたにもかかわらず、現状では非民主的だ。
 たとえば、ロヒンギャでは迫害が続いており、まったく非民主的だ。
  → ロヒンギャの悲劇…男は虐殺、女はレイプされ、村は焼き払われた
  → ロヒンギャを襲う21世紀最悪の虐殺 | ニューズウィーク

 こんなことを認めるスー・チーを批判するべきだ、という声もある。特に欧州の人権派の人々がそうだ。
  → 【ロヒンギャ危機】集団虐殺でスーチー氏は裁かれるか?
  → ロヒンギャ問題の対応で、世界がスーチー氏を猛批判。ノーベル平和賞取り消しの動きも

 しかし、これには違和感がある。ノーベル平和賞を受賞したスー・チーが、こういう状況を好んで認めるはずがない。
 とすれば、その真相には、軍による圧力があると推定される。そのことは、すでにあちこちで指摘されていたが、本日の朝日新聞に、重要な話があった。
 ミャンマー最大都市ヤンゴンの空港で起きたある弁護士の殺害事件から29日で1年がたつ。殺されたのはアウンサンスーチー国家顧問の盟友で与党の法律顧問だったコーニー氏(当時63)。軍の関与を疑う見方もある中、真相解明が進まない事件はスーチー氏の苦しい立場を象徴している。
( → 空港で銃撃、不可解な捜査 盟友の死を語れぬスーチー氏:朝日新聞デジタル

 盟友となる重要な人物が殺されて、スーチーは政治的にひどく不利な立場に立たされた。ならば、その犯人を逮捕して、事件を解明すればいいのだが、それがなされない。犯人は逮捕されても、捜査はまったく進まずに妨害され、犯人に指示した首謀者(の末端)らしき軍人は逃亡したままだ。
 要するに、警察がまったく働かない。軍は、この犯罪(テロ)の首謀者と見込まれているが、軍もまた犯人解明に動かない。(自分を逮捕することはできないから、当然だが。)
 これが現状だ。

 記事には書いてないが、私の想像では、スーチー自身の命も危ういと思う。ちょっと下手をすれば、あっさり虐殺されそうだ。そのあと、でっち上げた犯人を作り上げて、その犯人を殺害すれば、事件は一件落着となる。あとは軍の傀儡(かいらい)政権をつくればいいだけだ。
 ミャンマーの民主化は、このような危うい状況にあるわけだ。

 ──

 さて。ここで思ったのは、こうだ。
 「この状況は、ネパールの政権転覆に似ている。
 2001年、ネパール王族殺害事件 があった。この真相は闇の中だが、「誰が得をしたか?」という観点から、「以後は親中政権ができたので、中国の陰謀だろう」と私は推定した。
  → 中国による侵略 : nando ブログ

 ここから類推して、「ミャンマーの軍も、中国の影響下にあるのだろう」と推測した。そこで調べてみると、まさしくそうであるらしいと判明した。
 《 中国軍、ミャンマー軍との関係強化を表明 》
 9月9日、中国軍は、さまざまな面でミャンマー軍との交流・信頼を深め、関係を強化していくと表明した。
 これは、ネピドーでアウンサンスーチー氏と会談中、中国・国家中央軍事委員会の許其亮副主席が発言した内容
( → ミャンマーニュース 2016-09-13

 スーチーが決めたことになっているが、スーチーが軍の方針を決められるはずがない。軍がお膳立てして、スーチーが国の顔になっただけだろう。(昔の日本軍の天皇に似ている。)
 
 次の記事もある。
 《 ロヒンギャ迫害にスーチー氏沈黙 背後に軍と中国の影 》
 ● スーチー氏を沈黙させる中国の思惑
  中国は、ラカイン州の港チャウピューを起点にミャンマーを縦断し、中国雲南省の都市、昆明に至る石油、天然ガスのパイプラインを建設した。中国のエネルギー戦略、安保戦略上、極めて重要なインフラ。その起点周辺にあるのがロヒンギャの居住地域だ。パイプラインの安全を守るため、中国はその地域をミャンマー軍の直轄地や中国企業の工業団地などにさせたいのではないか。スーチー氏は、真相が分かっていても沈黙せざるを得ないだろう。
( → 毎日新聞「経済プレミア」

 次の記事もある。
  → ロヒンギャ問題、ミャンマーを取り込もうとする中国
  → 中国軍がミャンマー軍に機関車寄贈、首都で - NNA ASIA
  → 中国の傘下に入るミャンマー

 要するに、中国はミャンマーの軍に影響力を行使しているようだ。もちろん、はっきりと露骨にやっているわけではないので、明白な証拠があるわけではないのだが、そうであるらしいという状況証拠はいくらか見つかっている。
 というわけで、図式化すると、

  中国の圧力 → ミャンマー軍部 ─(暴力)→ スーチー

 
 という形で、中国の圧力がスーチーにかかるので、ミャンマーの民主化は圧迫されるわけだ。
 ここでは、根源としての「中国の圧力」に対抗することが本質的だ。
 一方で、「スーチーのノーベル平和賞取り消し」なんていうのは、根源的に見当違いであるわけだ。それはいわば、「息子が満点を取らないのが不満だから、息子を殺してしまう」という愚かな親に似ている。

posted by 管理人 at 19:27 | Comment(0) | 政治 このエントリーをはてなブックマークに追加 
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