◆ 北方領土の二島先行案:  nando ブログ

2018年11月16日

◆ 北方領土の二島先行案

 北方領土の返還に関して、「二島先行」という案を安倍首相が推進している。これをどう評価するか?
 
 ──
 
 朝日新聞の記事から。
 《 首相「2島先行返還」軸に日ロ交渉へ 4島一括から転換 》
 安倍晋三首相は14日、訪問先のシンガポールでロシアのプーチン大統領と会談し、1956年の日ソ共同宣言を基礎に平和条約交渉を加速させることで合意した。56年宣言は平和条約締結後に歯舞(はぼまい)群島、色丹(しこたん)島の2島を引き渡すと明記している。日本政府は従来、国後(くなしり)、択捉(えとろふ)の2島も含めた北方四島の一括返還を求めていたが、首相は今後の交渉で2島の先行返還を軸に進める方針に転換した。
( → 朝日新聞 2018-11-15

 これについて肯定的な評価もある。
 「先に2島返還して、あとで他の2島を得るのなら、別に悪くはない。少なくとも一歩前進だ」
 「強権的なプーチン大統領の時代の方が、話を頭ごなしにまとめやすい。民主的な大統領だと、ロシア国民の反対を抑えられないので、まとまりにくい。そうなると、1島も変換してもらえないかも」

 とはいえ、専門家の見方を聞くと、こうだ。
 「先に2島で、後で2島を追加……なんて、ありえない。ロシアはこれで完全終了するはずだ。甘い考えは持たない方がいい」(要旨)
  → 「2島先行」への転換は、英断か敗北か 識者に聞く:朝日新聞 2018-11-16

 そう言われてみれば、まさしくそうだろう、と思う。甘い考えで夢想するのは、安倍首相のお得意の自己陶酔だが、それがいつも嘘八百のホラであるのは、毎度のことだ。
 というわけで「2島先行」とは、「2島これぽっきり」ということだ。その面積は、きわめて小さい。





 一番大きい択捉島と、二番目に大きい国後島が抜けている。後の小さな群小の島が、少しばかりあるだけだ。そんな少しのものを得ても、とうてい半分にはならず、「ちょびっとだけ」というのに等しい。

 こういう事情もあるから、この件では反対する人々が多いようだ。たとえば、下記。
  → はてなブックマーク - :朝日新聞

 ──

 では、私はどう評価するか? いろいろ考えたすえに、こう結論する。
 「2島先行」とは、「2島これぽっきり」ということだ。その面積は、きわめて小さい。とすれば、これはとうてい受け入れられない。
 そもそも、日本は返還を急ぐ事情がない。このまま日露関係が停滞していても、日本にとってデメリットは何もない。現状維持でいい。
 一方、ロシアにとっては、シベリア開発が遅れるのは痛いだろう。何としても日本との交流を盛んにして、シベリカ開発を進めたいだろう。資源はあっても、金も技術もないのがロシアだ。その金と技術を日本に負担してもらうことで、シベリアの資源を富に変えたいと願っている。
 逆に言えば、そういう足元を見ることで、日本はロシアの要求を容易に突っぱねることができるのだ。

 また、ロシアの大統領がプーチンであるということもマイナスだ。プーチン政府は、外国で亡命国民の暗殺などをして、すこぶる評判が悪い。さらにクリミアやウクライナで侵略戦争までしている。こんな侵略的で悪質な大統領と手を組む必要はまったくない。ロシアという国が経済的に発展すること自体が、日本にとっては有害だ。だから、ロシアの発展を阻害させるためにも、シベリア開発を停滞させた方がいい。

 あれこれ考えると、こう言える。
 「北方領土の返還交渉は、プーチン大統領が辞めた後でいい。プーチン大統領の在任中には、話をすべて停滞させた方がいい。それで日本が困ることはない。むしろ、停滞させることが、日本の利益となる。敵国の脅威を和らげるからだ」

 つまり、わずかでも日本が譲歩して、領土交渉を進めるべきではないのだ。それが長期的な戦略となる。
 なのに、今この時点で領土交渉を始めようというのは、安倍首相の個人的な功名心があるからだろう。それ以外にはあるまい。
 つまり、安倍首相の個人的な功名心のせいで、日本の国家的な損失がもたらされるわけだ。こんなことをするのは、まさしく売国奴と言えよう。
 とはいえ、安倍首相が売国奴なのは、今に始まったことではない。「ああ、またか」で片付くほど、ちょいちょいあることだ。
 この馬鹿首相がまたもや馬鹿げたことをやっているのか……という感想となる。馬鹿の愚行は、次から次へと、キリがないね。まったく。いったいどこまで続くことやら。



 [ 付記 ]
 ここで、私なりに新しく提案するなら、こうだ。

 (1) 二島返還でもなく四島返還でもなく、中間の三島返還とする。
 (2) 国後は返してもらう。択捉は諦める。
 (3) 三島の返還は、主権だけの返還として、土地の所有権は(大半を)ロシアに認める。現在住民の居住権も認める。現在住民の国籍は、日本とロシアとの二重国籍とする。(期間限定)
 (4) ロシア側の所有する土地については、日本政府が買収可能とする。つまり、お金と交換。(普通の土地取引と同様。)
 (5) 日本側の地主(元の地主の子孫)の所有権は、原則として認めない。

 この案のポイントは、次の二点だ。
  ・ 三島返還。(両方の言い分の中間。)
  ・ 主権と所有権を分離する。獲得が必要なのは主権だけ。
  ・ 所有権については、お金との交換。


 特に、三番目が重要だ。「タダで寄越せ」と言っているわけではない。双方が納得のゆく価格(市場価格)で取引をすればいい、というだけのことだ。(イヤなら取引が不成立でもいい。どっちでもいい。)



 【 関連項目 】

 北方領土を返還するための案は、私としても別案を示したことがある。
  → 北方領土の解決策 : nando ブログ

 なお数年〜十数年前にも、「泉の波立ち」で論じたことがある。
  → 北方領土 ( 泉の波立ち:サイト内検索)



 【 関連動画 】







posted by 管理人 at 23:02 | Comment(2) | 政治 このエントリーをはてなブックマークに追加 
この記事へのコメント
ラスプーチン
プーチン
チン
という冗句があるそうで。
Posted by 京都の人 at 2018年11月17日 14:37
中国の台頭に伴い、なるはやでロシアとは仲良くしたほうがいいという主張についてはどう思われますか?
Posted by 生涯学生 at 2018年11月18日 11:47
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