◆ 英国の難民・移民の対策:  nando ブログ

2019年01月20日

◆ 英国の難民・移民の対策

 英国では EU離脱をめぐって、難民・移民の問題が生じているが、うまい解決策はないか?

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 英国では EU離脱が近づいているのに、どうにも結論が出ないありさまだ。このままでは「合意なき離脱」という最悪の事態になりかねない。破局に向かってまっしぐら、というありさまだ。
 で、どうなるかというと、私はこの問題について長々と論じてきた。
  → 英国は EU を離脱するか (シリーズ13回)
 これは 2016年 の記事だが、ここではおおざっぱには「延期になるだろう」と予想した。この予想を、今も維持したい。

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 さて。EU離脱についての予想はともかく、英国では「難民・移民」の問題が生じているが、これについてはどう考えるか? あらためて論じてみよう。

 (1) 難民でなく経済移民

 次の指摘がある。
 英国のEU離脱決定は、メルケル政権の難民受け入れ政策が要因と指摘する声もあるが、ドイツは人道的見地からシリアなどからの難民を受け入れた。英国は東欧から経済移民を受け入れて離脱派の台頭を招いたのであり、事情が違う。
( → 英首相の代替案方針に落胆 EUとの協定案、議会で否決 離脱派・残留派、歓声から一転:朝日新聞 2019年1月17日

 英国にいるのは、シリアなどからの難民でなく、東欧から経済移民なのだ。この点では、ドイツやベルギーなどとは事情が異なる。(前者はイスラム教徒が多いが、後者はキリスト教徒が多い。)
 より詳しくは、次のページにある。(一部抜粋)
 ここで少々説明が必要なのは、英国にとっての移民問題とは、シリアなどからの難民危機とは別次元の問題だということだ。
 反EU派が問題視しているのは、EUが2000年代に入って東欧諸国へ拡大したことに伴って急増したEU域内からの「欧州移民」である。
 これは、域内自由移動の原則に基づき、より良い労働、生活環境を求める「労働移民」と捉えればよりイメージし易いだろう。ポーランドやルーマニアなどEU域内からの英国へのこうした移民は、2004年〜2015年までの11年間で100万人から300万人へと3倍に増えている。
( → 【ゼロからわかる】イギリス国民はなぜ「EU離脱」を決めたのか


 (2) 移民の急増と反発

 東欧からの移民が急増しつつあるので、英国は職種の制限などで、単純労働者の移入を抑止しようとしたのだが、それにもかかわらず、移民はどんどん急増し続けた。各地(特に地方)に移民があふれる一方で、英国民の失業率は高まった。そのせいで、国民の反発を食った。
  → 移民によって変わった英国の暮らし!移民は英国に何をもたらしたのか?

 いくら移民を制限しても、移民は増え続ける。こうなると、「もはや EU離脱しかない」と国民は思い込んだわけだ。

 (3) EU離脱の夢

 「もはや EU離脱しかない」と国民は思い込んだ。そこには、「 EU離脱をすれば、問題は解決する」という夢があった。実際、離脱賛成論者は、地方の中小企業が多いのだが、地方の中小企業だと、取引先は国内の企業や消費者ばかりだから、「離脱したって影響はないさ」と思って、楽観していくわけだ。
 しかし、そこには大いなる誤解がある。取引先は国内の企業や消費者ばかりだとしても、その相手(国内の企業や消費者)の取引先は国内ばかりでなく国外もあるのだ。そして、そこには、国外との取引停止の影響が生じる。
 これはつまり、「経済は国家規模で連関している」ということだ。そして、まわりの人々が国外との取引停止で所得を減らせば、そういう所得減の影響で、地方の中小企業もまた所得を減らすのである。
 マクロ経済学の知識があれば、以上のことがわかる。
 一方、マクロ経済学の知識がなければ、以上のことがわからない。方の中小企業は、「 EU離脱をすれば、自分もまた大幅に影響を受ける」ということが理解できない。かくて、ありもしない夢を追って、破局に向かって突き進む。

 (4) 解決策

 では、どうすればいいか? ここは、困ったときの nandoブログ。名案を出そう。こうだ。
 「移民を制限する際、職種で制限するのでなく、賃金で制限するといい。外国籍の移民については、雇用に当たっての最低賃金を大幅に引き上げればいい」


 たとえば、最低賃金が時給 1000円であるとしたら、外国籍の移民については、時給 1400円を最低賃金とする。それに応じて、(低くない)所得税や社会保障料を徴収する。この徴収は、企業の義務なので、この義務を果たさない企業については、巨額の罰金を課する。
 なお、ここでは、処罰の対象は、雇用された移民ではなく、雇用している企業の側だ。
 ともあれ、こういう形で、企業による外国人雇用を抑制する。(高い賃金を払うのであれば、企業は外国人雇用をしたがらなくなる。むしろ、低い賃金で済む英国人を雇用したがる。そのおかげで、英国人の失業率が減る。)

 これはまた、外国人労働者に対する福祉策にもなっている。「外国人労働者の賃金を安くする」というのであれば、非人道的であるが、逆に、「外国人労働者の賃金を高くする」というのであれば、人道的である。非難されるよりは、褒められていいはずだ。諸外国としても、英国の方針を批判できないだろう。
 かくて、「外国人労働者の最低賃金額を引き上げる」という形で、問題は解決する。



 【 関連項目 】
 実は、これは、日本においても成立する。
 「外国人労働者を指定業種で雇用するときには、最低賃金の3割増しの金額を払うことを条件とする」
 というふうにすることで、外国人労働者の急増を抑止できる。

 この件は、前に別項で述べた。
  → 外国人労働者の条件は納税額で: Open ブログ
  → 優秀な外国人を薄給で: Open ブログ

 これと同じことを英国にも適用すればいい、というのが、本項の趣旨だ。

posted by 管理人 at 12:03 | Comment(0) | 政治 このエントリーをはてなブックマークに追加 
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