◆ 香港のデモの背景:  nando ブログ

2019年06月16日

◆ 香港のデモの背景

 香港のデモが世界的に話題になっている。この問題の背景について考察する。

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 香港のデモが世界的に話題になっている。ただ、この問題については、日本人の関心は薄いようだ。というか、何が起こっているのか、よくわからない人が多いようだ。

 これについて、解説する記事があった。
  → 香港大規模デモについて: 極東ブログ

 香港で大規模デモが起こるのは、そもそも香港には民主主義が成立していないからだ。民主主義によって人々の意見を議会に反映する手段がないから、人々はデモによってしか民意を伝えることができない。だから大規模なデモが起こったのだ……、という話。
 さらに、今回の法律制度によって、反政府側の人々が逮捕されて大陸側に送り込まれてしまうことが可能となったのだ。(詳しくは上記記事)

 実は、ただでさえ中国では、反体制派の人々が行方不明になる(拉致される?)事件が起こっている。 
  → 中国人権派弁護士またも失踪 エスカレートする言論弾圧
 こういう状況があるからには、今回の法律制度で、いっそうその傾向が強まると懸念されるわけだ。

 これは要するに、独裁国家が民主主義社会を弾圧するということである。香港の人々にとっては受け入れがたいだろう。
 とはいえ、相手は中国政府である。天安門事件のように、武力行使で香港市民を鎮圧するということも考えられる。実際、今回はそうなりつつある。催涙弾またはゴム弾を、上方に斜め撃ちするのでなく、水平撃ちすることで、市民の体を直撃することが起こっている。ほとんど弾圧である。銃弾で殺害する寸前だと言えるのだ。




 マスコミの情報は多くないが、ネットでは現地から伝える情報がいろいろと見られる。
  → 香港の危機、警察が武力でデモ隊強制排除に | JBpress
  → 香港の大規模デモについて、現地の友人と話したこと

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 このあとで、香港政府は法律改正を無期限延期する方針を示した。ただし、撤回ではない。
  → 香港政府、逃亡犯条例の改正中断 長官「撤回はしない」:朝日新聞

 これはどうやら、次のことによるらしい。
米中通商紛争が激化する中、米国は条例改正問題でも、「一国二制度」が脅かされると批判を強めていた。月末には主要20カ国・地域(G20)首脳会議が控える中、習近平(シーチンピン)指導部としては新たな火種を増やしたくないとの意向も働いたとみられる。

 私の想像では、中国政府が恐れていたのは、次のことだ。
 「香港市民を弾圧した場合、G20 において、中国政府を批判する共同声明が発されて、(米国のみならず)先進国の連帯による対中制裁(経済制裁)が発動される」

 米国による経済制裁だけでも青息吐息なのに、G20 が連帯して、対中経済制裁をしたら、中国としては息の根が止まってしまう。それだけは避けたい……ということなのだろう。
( ※ G20 には中国も含まれるので、正確には 20カ国でなく、19カ国の連帯となる。)

 逆に言えば、西側諸国は結束して、中国のイヤがることをやればいいのだ。つまり、「香港の民主主義を認めよ。さもなくば経済制裁をする」と圧力をかければいいのだ。
 そして、これこそ、今や各国に望まれていることなのだ。トランプが中国と関税戦争をしているのに乗じて、日本や欧州は結束して中国に圧力をかけるべきなのだ。

 そもそも、中国が西側諸国に対して強気で攻勢に出る(中国内の民主化の要請を蹴る)のは、中国が各国に対して個別に撃破するからだ。「こっちの言う通りにしないと、輸入制限するぞ」という形で。……これに屈服する形で、ドイツやイタリアは、民主化の要請の矛を収めた。ここでは、「各国で結束しないで、個別に対処することで、中国に撃破された」という形があった。だからこそ、西側諸国は結束して、対中制裁をするべきなのだ。前にも述べたように。
 では、その方法は? 
 一つは、戦争だが、それは過激すぎる。
 となると、現実的なのは、経済制裁だ。

 領土問題であれ何であれ、その根源には、国家エゴイズムがある。そして、その対策は、真っ正面から論じ合うことではなく、相手に経済制裁を加えることだ。それも、一国だけでなく、国際協調の形で。
( → 中国問題の本質 : nando ブログ

 「民主化しない国には経済制裁」という法律を作って、輸入課徴金をかければいい。前項と同様だ。
 当然だが、一国だけでやっても意味がない。日本・米国・欧州・韓国などといっしょに実行する必要がある。
 当然、中国は反発するだろうが、中国の顔色ばかりうかがうのは、いい加減やめた方がいいだろう。もはや中国は「かわいそうな途上国」ではなくて、危険な国になったのだから。
( → 中国を民主化せよ : nando ブログ

 西側諸国は結束して、対中制裁をするべきだ、ということ。これが結論となる。
 とすれば今この時点で、各国は対中制裁のための行動を取るべきなのだ。G20 は、その場として最適だろう。
 そして、この場において各国が無為無策であれば、その後に中国は香港弾圧に出る。それでは中国の「思う壺」だ。
 「しめしめ。G20 の前に手を引っ込めておいたから、うまく行った。G20 が終わった今こそ、好き勝手のやり放題だ。香港の民主化勢力を、たたきつぶしてしまえ。抵抗する奴は、みんな監獄に入れるか、銃殺してしまえ。天安門事件と同じさ」

 こういう横暴を許すかどうかが、G20 では問われている。そのための準備を、日本は今すぐ、なすべきなのだ。

( ※ というのは原則だが、やる人が安倍首相となると、独裁者に向かって「独裁者を懲らしめてくれ」と頼むのも同然だから、何ともやるせなくなるが。)
 


 【 関連動画 】









posted by 管理人 at 11:16 | Comment(0) | 政治 このエントリーをはてなブックマークに追加 
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