──
対韓政策では、輸出規制をすることで、韓国に損害を出すことを狙った。ところが現実には、日本の輸出食品の売上げも激減しているし、韓国からの観光客が激減している。九州や関西や北海道の観光地は、悲鳴を上げている。総合的に見て、日本の側ばかりが大幅な損失を受けている。
にもかかわらず、政府は「今は我慢のときだ」というふうに述べて、無為無策でいる。しかし、両者が損をしているのならともかく、日本ばかりが大幅に損をしている状況では、我慢をするのは愚策である。
では、どうするべきか? 二つの方針を示そう。
韓国人向けの広報
韓国政府が日本人向けの広報サイトを開設した。
→ 大統領府のサイト
また、似た感じで、PDF 文書を頒布しているサイト( Korea.net )もある。
→ Korea.net : The official website of the Republic of Korea
見てみたが、ウェブサイトとしてはとても貧弱な作り出し、出している文書の内容も一方的な簡単な主張だけで、まったく説得力がない。広報効果はほとんどゼロだと思える。
とはいえ、「日本人向けに広報サイトを出す」という方針そのものは妥当である。ひるがえって、日本政府は韓国向けの広報サイトをまったく出していない。
そこで提案しよう。
「日本政府は韓国語で、韓国人向けのサイトを開設するべきだ。そこでは、過去における歴史の歪曲をすべて是正するように、歴史的な真実を詳細に示すべきだ」
具体的には、前項で述べた内容だ。このような真実を、韓国人はまったく知らないし、日本人も知らないことが多い。(例外は一部の人だけだ。)
そこで、前項で述べた内容を、韓国語にして、韓国人向けに広報するべきだ。
なお、まずい方法もある。こうだ。
「慰安婦や徴用工の問題は、日韓基本条約で解決済み。韓国は条約を守れ」
これは、日本政府の方針であるが、これではまったく「のれんに腕押し」であり、韓国人の心に届かない。「法律解釈が何なのさ。それより正義を果たせ」と言われて、おしまいだ。説得力がまったくない。
この件については、次の項目の話を示すといい。
→ 日韓の対立の解決策: nando ブログ
一部抜粋しよう。
《 日本の賠償金はなぜ従軍慰安婦に使われなかったのか 》
要するに、日本は日韓基本条約で金を払ったのだが、その金は、独裁者の政治活動(つまり利権のためのバラマキ)に使われてしまったので、慰安婦や徴用工には行き渡らなかったのだ。
これはつまり、「慰安婦や徴用工に回すべき金を召し上げて、独裁者が勝手に使ってしまった」ということだ。そして、その金の使途は、独裁者の私腹ではなくて、独裁者の選挙地盤にいる国民だったのである。
韓国の南西部(全羅道)と南東部(慶尚道)には、根強い対立があった。独裁者の時代には、それが露骨になった。そのとき、地元には大量の資金を振りまいたのだが、その金のために、日本の賠償金が使われてしまったのだ。
かくて、慰安婦や徴用工に行き渡るべき金が、独裁者によって無駄遣いされた。
これが歴史的な真実だ。
これが核心である。この核心を、韓国民は知らないし、日本人もたいていの人が知らない。そういう無知の状態の上で、日本人は「韓国は条約を守れ」と法律論議で済ませようとするし、韓国人は「慰安婦や徴用工は、金をまったく受け取っていないのだから、日本は正義を果たせ。これは正義の問題だ」と要求する。まったく論議が噛み合っていない。
だからこそ、本サイトに示した真実を示すべきなのだ。「日本は金を払ったのだが、その金を韓国政府が横流ししてしまったのだ。だから慰安婦や徴用工は、金をまったく受け取っていないのだ」と。
こういう真実を広報することが、何よりも大切なのである。
( ※ 真実の直視が大切だ、ということは、前項の最後のあたりの結論部でも示した。)
《 注記 》
広報サイトを作るのは難しくない。日本語と韓国語はとてもよく似ているので、日本語で文章を作ったあとは、機械翻訳にかけるだけで、ほぼ十分な韓国語に翻訳される。あとは手作業で微修正するだけで済む。
完全解決
現状では、双方が勝手な方策を取って、持久戦みたいな状態になっている。ダラダラと時間ばかりが経過していく。その間、日本の出血量の方が大きいので、日本の損失ばかりが増えていく。これは最悪だ。
そこで、問題の完全解決を狙って、一挙に事態を促進するといい。方針としては、正反対の二つの方策がある。
・ 国交断絶 (韓国と国交断絶する)
・ 原状回復 (元の状態に復旧する)
以下では順に述べよう。
(1) 国交断絶
一つは、国交断絶だ。
いきなりその状態(完全な国交断絶)に行かなくてもいいが、とりあえずは疑似的な国交断絶にする。つまり、関税を大幅に引き上げて、双方の輸出入を激減させてしまう。これは、トランプが対中攻勢で使っているのと同様の方法だ。
これによって、日本は別に対して被害は生じないが、韓国は必要な電子部品を入手できなくなり、壊滅的な打撃を被るだろう。
だから、この方策は、実際に取らなくても、「取ることを検討する」というだけでも、大きな効果を見込める。
つまり、実行するというよりは、ブラフ(見せかけの脅し)としての効果が大きい。ブラフとしては最有力だろう。
(2) 原状回復
もう一つは、原状回復だ。つまり、日本が「ホワイト国はずし」という措置を取る以前の状況に、双方が戻る。そのことを交渉によって決める。
これだと、日本が一方的に譲歩する感じになるので、日本政府としては受け入れがたく思えるだろう。しかし、さにあらず。実は、これは一方的な譲歩ではない。なぜなら、次の副次的効果があるからだ。
「日本は、『ホワイト国はずし』という措置を取れることを示したので、韓国政府は徴用工や慰安婦の問題で、日本に高圧的な立場を取ることができないと理解した。慰安婦問題や徴用工問題で、問題の蒸し返しをして、日本側に金を払えと要求できないことを理解した」
つまり、「ホワイト国はずし」という措置は、すでに目的を果たしたのである。「日本には譲れない一線があるのだと教える」という効果だ。
そして、そういう効果を得たからには、今となっては「ホワイト国はずし」という措置を停止してもいいのである。つまり、原状回復してもいいのである。
ただし、このことは、「韓国が問題の蒸し返しをしない」ということとセットになる。仮に韓国が蒸し返しをするなら(つまり慰安婦や徴用工の問題で日本に金の支払いを要求するのであれば)、韓国は何も理解しなかったということになるから、ふたたび「ホワイト国はずし」という措置を取ることになる。さらには、もっと厳しい措置を取る必要があるだろう。半導体関連の特別な品目だけでなく、より広範な範囲で輸出規制をする必要があるだろう。……そのことを、あらかじめ韓国に伝えておくといい。
つまり、現時点で、次の方策を取る。
・ 韓国と和解交渉を開始する。
・ 双方が状態を原状回復にする。
・ 韓国は徴用工・慰安婦の問題で、日本に要求しない。
・ 仮に韓国が要求した場合には、日本は制裁をする。
・ その制裁は、現状よりもきつくする。
・ 以上の諸点を、双方が合意する。
なお、次のことも合意するといい。
「慰安婦および徴用工への補償は、韓国政府が金を出す」
このことも合意に含めるといいだろう。
( ※ なぜそうするべきかは、先に理由を述べた。独裁者の箇所。)
──────────────────
上の (1)(2) という正反対の方策がある。前者はタカ的な方策であり、後者はハト的な方策だ。では、どちらを取るべきか? 私のお薦めは、こうだ。
「ブラフとしては (1) を見せつけながら、実際には (2) の方策で合意する」……(★)
要するに、ゲーム理論でいう「ハト・ハト」が双方にとって最善なのである。ただし、こちらが一方的に「ハト」路線を取ると見せつけると、相手は「タカ」になって、「タカがハトを圧倒する」という道を取りたがる。そうなると、話はまとまらない。……それが現状だ。
そこで、相手がタカにならないように脅す必要がある。そのためには、「おまえがタカになるのなら、こっちもタカになるぞ。双方が血みどろの争いになるぞ」と教える必要がある。これが (1) だ。
こういうふうに「タカ」を見せかけながらも、実際には「ハト」で話をまとめる、というのが、私のお薦めの方策だ。
現状では、双方がタカとタカになっている。これでは双方の出血が大きいので、最悪の状態だ。これを解決するにはどうすればいいか、という話を、本項では示した。(ゲーム理論ふうの発想で。)
──
韓国財界を代表する経済団体「全国経済人連合会」(全経連)のシンクタンク、韓国経済研究院は7日、日韓関係の悪化による両国への経済的なマイナス影響に関する報告をまとめた。
同研究院によると、この時期の訪日観光客は約87万人で、前年同期と比べて約27%減った。一方、日本人の訪韓観光客は約60万人で、10%の増加だった。観光客数や旅行で使ったお金などのデータを用いて、産業への影響を調べた。 日本には3537億ウォン(約315億円)の損失があったと試算。産業別の内訳をみると、宿泊が1188億ウォン(約106億円)、飲食・サービスが1019億ウォン(約90億円)、小売りが771億ウォン(約68億円)、それぞれ減少したという。 雇用にも影響があり、2589人の減少という結果が出た。
韓国には日本人の観光客が増えているが、それでも産業へのマイナス影響が399億ウォン(約35億円)あった。
→ https://www.asahi.com/articles/DA3S14209790.html
同時期の日本側の資料を見たところ、仮に韓国側が算出した損失額が正しかったとしても日本側の観光についての損失は全体としては少なかったと見なせるようです。
https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001312381.pdf
こんな記事もありましたが。管理人様はご存知でしたか。
https://www.sankei.com/economy/news/191008/ecn1910080036-n1.html
というのは、いかにも産経ニュース。過去でも将来でも、年率 20%ぐらいで増加しているのだから、年率で3%ぐらいのプラスになっても、当然のことだ。しかしそれは本来の数値よりは、大幅減なのである。つまり、「影響はない」なんてことはないのだ。
また、東京はともかく、九州・対馬では、壊滅的と言えるほど激減しているところも多い。北海道もかなり。
外国人観光客についてですが、こちらでは韓国以外は全体的に増えているので、これらをもっと伸ばすようにするのが合理的で将来性もあるかと思われます。
https://www.tourism.jp/tourism-database/stats/inbound/
同じような意見はこちらでも出ています。
https://www.pref.kagawa.lg.jp/content/etc/kenmin/pages/knf5cp190904112618.shtml
この件はむしろ「韓国依存を減らす」ような行動が有効でしょう。
日本だけが戻すのなら愚策だろうけど、双方が戻すことが条件です。
> 「韓国が問題の蒸し返しをしない」ということとセットになる
つまり、win-win だ。これを否定すると、lose-lose なる。あなたの主張は、「その損失をなるべく減らそう」という案であるにすぎない。
あなたの主張は、トランプと同じで、「相手に勝つ」ということばかり狙っている。「双方が勝つ」という発想がない。
下記項目の最後の、「タカ・ハト」という箇所を参照。
→ http://nando.seesaa.net/article/469107775.html
双方が傷つけ合う状態は最悪であり、双方が仲良くする状態が最善だ。「一方的屈服が好ましくない」からといって、傷つけ合うことを狙うと、場合によっては戦争になる。旧日本軍が取った道。
コメント序盤の
>北海道と対馬の韓国人観光客についてですが、優遇措置を戻すのは愚策かと。むしろそれが成功例として継続されたり、また別の機会に行われる可能性が高いでしょう。<
は、その意味合いで書きました。その後の記述は単に代案を提示したまでです。
約束を破った実例としては、一つに朴政権時に結んだ慰安婦合意がありますし、約束を破る可能性の高い相手と約束をするのは非常にリスクがあるのは常識でしょう。でしたら約束を最初から結ばないで突き放すのが妥当でしょう。
それと、こちらがwin-winを求めても相手がwin-loseしか求めていないならば、それは無駄な努力に終わります。
もう一度、私の主張をまとめます。
○信頼できないから、約束を結ばない
×負けたくない、屈服したくない
--蛇足--
それともし可能でしたら、
1:どの部分を
2:どのように解釈して
「相手に勝つことばかり狙っている」と解釈したのか教えて頂きたいかと。
見直しましたが本記事の南堂さんの案は、安全保障面で他国(米や欧州等)との足並みを外す行為です。
仮に実行してしまえば日本の国際的な信頼はマイナスになってしまうでしょう。
他にも理由はありますが、今回はここまで。
それと日本だけが損をしているという見解も疑問があります。
こちらのブログ記事ですが、
https://shinjukuacc.com/20191031-02/
この他にも関連記事がありますので、
完璧とまではいかないかとは思いますが、信頼に足る内容ではあると思います。
対韓輸出制限は、もともと日本だけがやっている政策であり、米欧はやっていません
そもそも前提の知識や視点、考え方が大きく間違えてます。
元々ホワイト国指定は「対象国が信頼できること」が条件となります。
対して、韓国は少し前からこの信頼を確保するための行動が見られず、「信頼できない」と判断されたことが本件のホワイト国指定解除の原因です。
クレジット会社が、契約者の社会的信頼性が足りない場合に対して契約を無効にする、ないし契約申請した人と契約を結ばないのと考え方は同じです。
このような「信頼が足りない状態の国」に対してホワイト国指定を復活させた暁には、日本の安全保障に関する信頼がガタ落ちになるのは明白でしょう。
また同じブログからですが、こちらの冒頭に簡潔に概略が書かれております。
https://shinjukuacc.com/20200103-01/
それと、輸出制限はありません。
手続きさえ正当ならば従来通り輸出入が行えるそうですから。
くどいですが「優遇措置の解除」であり、「輸出制限」ではありません。
そういう建前は、あちこちで言われていますから、いちいち書かなくてもいいです。同じ話はあちこちで百回ぐらい読みました。
建前がどうかではなくて、現実に日本が大損している、というのが、本日の話題です。
http://nando.seesaa.net/article/473265661.html
> 手続きさえ正当ならば従来通り輸出入が行えるそうですから。
現実には輸出量が激減しています。韓国人観光客の数も激減しています。いずれも経済統計に出ている。私が話題にしているのは、そういう経済的数値の話。建前の話ではない。
名を取るか、実を取るか、というような話。武士は食わねど高楊枝、という具合にしたあげく、餓死したら、何にもならないだろ、という趣旨。
皮肉な話ですけど、新型肺炎の対策上は現状その方が望ましいかも
しれませんね。普段韓国のニュースをばんばん報道するマスコミが
なぜか韓国の状況は報道していませんし、韓国と中国の経済的な結
びつきを考えれば、時間差で韓国経由で潜在的な感染者が入国する
可能性は十分考えられるでしょうし。
一応、間に北朝鮮がありますけど国家としての状況を考えたら国内
に感染者が出た場合に緻密な対策が取れるとは思えませんし。
韓国人観光客の日本への入国の容易さを考えたら、二方面作戦を
取らなくて済む分、今回に関していえば幸運である気もします。