◆ ロシアのトランプ支援(大統領選):  nando ブログ

2020年07月27日

◆ ロシアのトランプ支援(大統領選)

 四年前の大統領選でロシアはトランプ大統領を支援したが、これは謎だ。この謎を推理する。

 ──

 以下では章を立てて、少しずつ述べていこう。

 謎


 四年前の大統領選でロシアはトランプ大統領を支援した。これは当時は不思議に思えたが、「リベラルのヒラリーよりは、保守のトランプの方が、まだ扱いやすいと思ったのだろう」と私は推定していた。
 しかし、よく考えると、これはおかしい。たかがその程度のことで大統領選に介入するという違法なことをするはずがない。バレたら大問題になる。実際、バレたし、大問題になった。ロシアの威信は国際的に大いに失墜した。ではなぜ、そんな馬鹿げたことをしたのか? これは謎だ。ただし、その謎は解かれなかった。

 トランプのマスク


 トランプ大統領が最近になってマスクをするようになった。これまでは散々マスクを否定してきたのに、一転して、マスクをするようになった。
 「コロナ対策で失敗していて、民主党の候補に世論調査で大差を付けられているからだろう」
 という推定もある。

 これを見たとき、私は違和感を感じた。私の潜在的思考におけるエラー・センサーが、「これは間違っている」という警報を鳴らした。
 では、どこがおかしいのか? そこをじっくり考えてみる。すると、「トランプが愛国者のはずがない」という結論にたどり着いた。なぜか? 中国に対しては、確かに強硬路線をつらぬいて、愛国者ぶりを発揮しているのだが、ロシアに対しては、まったく腰砕けであって、ほとんど何も異を立てないからだ。特に、シリアやウクライナではロシアがやり放題にしているのに、まったく放置しているからだ。

 これについては、「ロシアについては、大統領選における恩義を感じているので、お返しで甘くしているのだろう」とも思ったこともあるが、それにしては異常に甘すぎる。
 そう感じていたところへ、先の「マスク」における「愛国者発言」を聞いた。トランプはまさしく自分を愛好者だと思っていて、愛国的行動を取り続けているつもりなのである。
 そして、このとき、「ロシアに対する大甘姿勢」という現実の政策との矛盾がはっきりとした。エラーセンサーが漠然と「おかしい」と感じたことを、はっきりと言語化する形で、事実を示した。トランプは決して愛国的ではない。むしろロシアに対して大甘姿勢でいることで、ほとんど売国奴に近いのである。
 「トランプは愛国者ではなく、売国奴だ」というのが、私の結論となる。

 大統領選の分け目


 この問題についていろいろと考えるうちに、別の話題が思い浮かんだ。
 「トランプはどうして大統領選で勝利したのか?」
 ということだ。
 そもそもトランプは、大統領選ではずっと不利だった。実際、最終的な得票数で、ヒラリーを下回っている。それでも間接選挙制のせいで、選挙人の数では上回ったので、大統領になれた。その理由は、接戦だった州で次々と勝利を占めたからだ。ほんのわずかの差で、州の選挙人の数を全部独占した。そのおかげで、得票率は低くとも、選挙人の数では上回った。薄氷の差で勝利を得た。

 では、その薄氷の差をもたらしたのは何か? 実は、その少し前には、トランプはセックス・スキャンダルで支持率が大幅に低下していた。
  → トランプ氏とのセックス「今までで一番退屈」 ポルノ女優が暴露本に記述

 これが大統領選の2カ月前に暴露されたことで、支持率が大幅低下したので、「トランプ候補はもはや完全に失墜した」と思われた。

 ところが、そのあとで、トランプ候補は大幅に盛り返した。その理由は、ヒラリーのメール問題が報道されたからだ。これは対した問題ではないのだが、形式的には問題だということで、あれこれと報道された。それでもまだヒラリーの支持率の方が上回っていたのだが、選挙の直前に、FBI 長官が「ヒラリーの違法性を捜査する」という方針を示して、「ヒラリーは犯罪者の危険がある」と示した。このことで、ヒラリーの支持率は暴落した。
 ところが、この FBI 長官の方針は、いささか過剰なものだった。たいして問題でもないことを大問題であるかのように扱ったことで、ヒラリーを圧倒的に不利にするものだった。
 その効果は、ほんの一瞬的なものであるだけだったのだが、しかし、それで十分だった。そのときにまさしく大統領選が行われたからである。
 つまり、ほんの一瞬だけヒラリーにとって非常に不利な方針が取られて、ほんの一瞬だけトランプの支持率が高まった。そのときに大統領選が行われたのだ。
 これはあまりにも不自然すぎる。

 ロシアの陰謀


 どうしてこういう不自然なことが起こったのか? FBI 長官は、自己の馬鹿げた行動を、正当化している。馬鹿げたことだと自認していながら、なおかつ正当化している。
  → FBI長官、大統領選に影響与えた可能性に「いささか吐き気」 - BBCニュース

 だが、こうなったことの理由は、推察が付く。それは、「ロシアの陰謀があったからだ」ということだ。そう考えるのが自然だろう。
 FBI 長官がそういう行動を取ったのは、そのとき、ヒラリーの犯罪性を示すような決定的な証拠が届けられたのだろう。
 しかも同時に、「ヒラリーの違法性を発表しないと、おまえの不公正さ(中立性放棄)を大々的に非難するぞ」というような脅迫が届いたのだろう。
 そして、このような二つのことを同時になすことができるのは、ただ一つ。ロシアの諜報機関だけだ。
 だから、ロシアの諜報機関が工作して、FBI 長官に圧力をかけて、ヒラリーにとって圧倒的な不利な状況を、一瞬だけ作り出したのだろう。ちょうど大統領選挙のときに。

 真相


 ではなぜ、ロシアはこれほどにもトランプを支援したのか? トランプはもともと右翼なのだから、左派であるロシアにとっては犬猿の仲であるはずだ。敵と言ってもいい。なのになぜ、ロシアはトランプを支援したのか? 
 その理由となることはただ一つ。こうだ。
 「ロシアはトランプの弱みを握っていた。もしトランプがロシアに批判的な政策を取れば、トランプが弾劾されかねないような弱みを握っていた」
 こうして、「弱みを握る」ということで、トランプを意のままに操ろうとしたのだろう。いわば傀儡(かいらい)とするように。
 

 トランプの秘密


 では、トランプの弱みとは何か? 隠されている秘密とは何か? それが問題だ。
 すぐに思いつくのは、「セックス・スキャンダル」だ。たとえば、幼児性愛のような。
 とはいえ、幼児性愛をするのは、精神的な弱者である。大人の女性に相手にしてもらえないような、弱い男だ。トランプには当てはまらない。
 では、一般の女性が相手か? いや、それなら、すでに上記のポルノ女優とのスキャンダルがあった。たいして問題とはならない。
 それでも米国では、その疑いが報道された。
 ロシアがアメリカのドナルド・トランプ次期大統領のセックススキャンダルを含む「不名誉な情報」を握っているとCNNとBuzzFeedが報じた。
( → トランプ氏のセックススキャンダルを裏付ける録音と動画はあるのか? BBC記者が背景を解説 | ハフポスト

 これは、事実かも知れないが、政界を揺るがす「爆弾」のような効果にはならないだろう。すでにセックススキャンダルは報道されているからだ。また、そのくらいのことで大統領が弾劾されることもない。
 では、ロシアはどんな秘密を握っていたのか? 

 推定


 その秘密は、バレていないらしいので、私がここで「こうだ」というふうに示すことはできない。しかし、おおまかには見当が付く。
  ・ それは違法な行為である。大統領弾劾に値する。
  ・ それはトランプ大統領にとって不名誉である。


 このうち「不名誉である」というのは、「愛国的でない」とも言える。ただ、愛国的でないというのは、通常、違法ではない。国旗や国歌を尊重しなかったとしても、そのことぐらいで違法にはならない。大統領を弾劾されるようなことにはならない。
 ただし、例外的なこともあるだろう。では、そのようなことは何か? 

 ここまで論理を働かせたすえに、候補となる事柄が思い浮かぶ。
 それは 徴兵逃れ だ。

 実際、徴兵逃れをしたのは、ただの疑惑ではなく、事実であったらしい。下記で報道されている。
  → トランプ氏の徴兵逃れに医師協力か 遺族証言を米紙報道:朝日新聞
  → CNN.co.jp : トランプ氏の徴兵逃れに医師協力か、米紙報道

 ただし、これが報道されたのは、2018年12月27日である。2016年11月の大統領選から、2年以上もたっている。大統領選の当時には判明していなかった。

 とはいえ、今にしてすべてを考慮すると、上記の話にはすべて一本の線が通っていることになる。それは、こうだ。
 「トランプ大統領は、徴兵のがれをしていた。その証拠を、ロシアはつかんでいた」


 さらに、次のことが考えられる。
 「この秘密を、ロシアは独占しようとした。いったん表に出てしまえば、もはやトランプを意のままに動かすための秘密とはならないからだ。そこで、ロシアは証人となる医師(徴兵逃れの診断書を偽造した医師)に対し、圧力をかけて、秘密を守らせた」

 そして、この医師が死亡したあとで、ようやく秘密の一端が、少しだけ漏れ出たのである。(ただし肝心の証拠書類はロシアだけがもっている。)

 ──

 以上のように考えれば、すべては整合的に説明が付く。
 
posted by 管理人 at 22:56 | Comment(1) | 政治 このエントリーをはてなブックマークに追加 
この記事へのコメント
大変興味深い論考です。まもなく次の選挙で、トランプはあれこれ足掻いているように見えます。ヒューストンの中国総領事館を閉鎖させて、大使館員が退去した後で、米国政府関係者が鍵をこじ開けて中に入り、書類やいろんな物品を持ち出したようです。これは、もはや強盗です。中国はこのことを世界に知らせるべく表明しましたが、日本ではどこの新聞もメディアも報道しません。27日付けの赤旗だけでしょう。日本人は誰も知らないと言ってよいでしょう。
中国は成都の米国領事館を閉鎖させましたが、閉鎖後に鍵をこじ開け中に入るまではやっていないと思います。これはもう米国が戦争のジャブを出したに近いです。次は日本にやらせるでしょう。例えば尖閣周辺で操業する中国漁船を沈めるとか・・。
毎日のごとく、中国船が日本の排他水域に入ってくるという報道がなされます。日本人は既に中国をならず者のように思っていることでしょう。右派のみならず左派も中国は社会主義や共産主義とは無縁の国だと切り捨てました。期は熟したと言ってよいでしょう。
いつおかしな事件が起こっても不思議ではありません。米中戦争ではなく、日中戦争の形になります。
米国のために、こんなことはバカらしいです。
Posted by SM at 2020年07月28日 17:25
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