経済学における「比較優位」とは、どういう概念か?
( ※ インターネットの検索で訪問してくる人のための項目です。
前項を簡単にまとめました。詳しくは前項を参照。)
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比較優位という概念は、経済学における貿易の必要性を説き明かす概念だ。
それぞれの国が「分業」して、「交易」することにより、それぞれの国の効率をアップさせることができる。かくて、それぞれの国がいずれも豊かになれる。
(例としては、台湾がある。IT系のハードウェアに特化することで、小さな島国が中国をはるかに上回る高所得を得ることができるようになった。同様に、かつてのセイロンは、紅茶[セイロンティー]に特化することで、かなりの高所得を得ることができるようになった。)
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「分業と交易」という方針に反するのが、「自給自足」だ。国内で自給自足すると、不得意な低能率な作業までやらなくてはならないので、効率が低下する。その結果、低所得になり、貧しくなる。
(例としては、北朝鮮がある。何でもかんでも自国でまかなうしかないから、効率が低下して、貧しくなる。)
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・ 自由貿易 …… 貿易を拡大しようとする
・ 保護主義 …… 貿易を減らそうとする
この二つを比べると、保護主義は「輸入をやめれば自国で生産できる」と思い込むが、実は、自国では能率の悪い生産方式しか取れないので、貧しくなる。また、輸入をやめた分、輸出ができなくなるので、それによっても貧しくなる。二重の意味で貧しくなる。
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以上から、「分業と交易」の必要性がわかっただろう。
このあと、比較優位という概念を精密に理解するには、「絶対優位」という概念と対比して理解するといい。説明には、かなりの文字数を必要とする。
詳しくは、前項を参照。
→ TPP の誤解と正解 2 (前項)
Q
比較優位が成立するのは、
「セイの法則」「完全雇用」「資本移動の自由がない」
という3条件が成立するときだ。
だとすれば、この3条件が成立しないとき(不況期)には、比較優位は成立しないのでは?
A
> 「セイの法則」「完全雇用」「資本移動の自由がない」が成立する
というのは、比較優位のモデルが 100%完全に成立するための条件です。
これらの条件が成立しない場合には、比較優位のモデルが 100%完全に成立することはなくて、90%ぐらいしか成立しないことになります。
だからといって「比較優位が成立しない」(ほぼ0%しか成立しない)というのは間違いでしょう。
「今日は晴れ」という言明に対して、10%ぐらいは曇りの時間があるからといって、「晴れだというのは間違いだ! だから今日の天気は曇りだというのが正しい!」と主張しているようなものです。あまりにも非論理。
「白だ」という言明に対して、一部に黒いシミがあるのを見つけて、「白は間違いだ! 本当は黒だ!」と言っているのと同じ。
先の三つの条件が成立しない場合には、比較優位のモデル計算で、効果が 100%にはならず、効果が90%ぐらいに減じます。そういうふうに微修正するだけのこと。話が単純でなくなり、少し修正を要するようになる、というだけ。話が面倒臭くなるだけ。
先の条件は「完全に成立するための条件」「話が簡単になるための条件」です。「完全に白であるための条件」とも言える。
その条件が満たされない場合には、「完全に白ではなくなる」「話は単純ではなくなる」だけです。全体の傾向そのものは保たれます。詳しい話は、モデル計算すればわかる。(効果が少しだけ減じるように修正される。)
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数学で、「定理」というものがありますね? この定理を使って、問題を解くことができる。
頭の悪い人は、「定理」を頭ごなしに覚えて、記憶力だけで物事を解決しようとする。だから、定理から少しでもズレると、応用が利かない。
頭のいい人は、「定理」を原理的に身につけて、その定理の考え方を物事に当てはめる。だから、定理から少しぐらいズレても、自分で定理を少し修正できる。応用力がある。
比較優位の場合も、結論を定理として単に覚えるだけでは、真に理解したことにはなりません。それでは応用が利かない。
ちゃんとモデルで理解することが大切です。