欧州の通貨危機が、イタリア・スペイン・フランスその他の各国に波及している。こうなると、抜本対策として、ドイツがユーロから離脱するのがベストだ。
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欧州の通貨危機が、イタリア・スペイン・フランスその他の各国に波及している。いずれも国債価格が暴落(金利は上昇)している。状況が安定しているのは、ドイツだけだ。
→ 時事通信
→ 朝日新聞・朝刊 2011-11-18 (紙の新聞に詳しい解説記事)
では、どうするべきか? これらの国すべてが、ギリシアと同様にユーロから離脱するべきだろう。
しかしそれと同等なこととして、ドイツがユーロから離脱する方が早い。ゆえに、「ドイツのユーロ離脱」を私は推奨したい。
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そもそも欧州がこれほど危機的なことになったことの根源的な理由は、ドイツだ。やたらと、「過去のインフレの再現を恐れる」という立場から、「アンチインフレ」の立場を取り、「財政規律の厳格化」を要求した。そのせいで欧州は慢性的な景気低迷に陥った。低い物価上昇のもとで、低い経済成長率を維持し続けた。戦後ずっとそうだ。……これは根源的な失政だ。
「物価上昇率を2%以下に抑えることで、成長率を常に低めに維持して、失業率は 10% 程度(またはそれ以上)を維持し続ける」
というのが、欧州各国の標準だ。この例外は、失業率の低いドイツだけだ。そのドイツも、東ドイツを吸収したときには、ひどい失業に悩んだが、今ではどうやらうまく解決したらしい。ドイツの経済力はたいしたものだ。
→ 失業率の推移(日本と主要国)
しかし、ドイツは強くとも、欧州各国はそうではない。特に、ギリシャやスペインは弱い。これらの国にもドイツと同じ基準を当てはめても、状況が歪む。
ドイツの厳しい基準は、ドイツに当てはめることができるだけだ。それ以外の国には無理だ。となると、ユーロ(欧州共通通貨)という理念そのものが間違っていたことになる。
比喩的に言えば、マラソンの選手が過酷な練習に耐えられるからといって、他の選手にも同じ過酷な練習を課するようなものだ。とても耐えられるものじゃない。一律の基準を当てはめれば、歪みとしての問題が出る。
となると、「駄目なものは出ていけ」という発想よりは、「もともとの基準が間違っていた」と理解する方がいい。ドイツがどうしても過酷な基準を守りたいのであれば、ドイツ自身がユーロから出ていった方がいい。(本当ならば多数決で、弱い基準を打ち出せばいいのだが、強いドイツの発言力が強すぎて、多数決ができないからだ。)
もちろん、各国が「ドイツは出て行け」と言ってもいいのだが、発言力の強さからして、それは無理だ。となると、ドイツが自発的に、ユーロから離脱するべきだ。それが欧州各国を救う唯一のすべだろう。
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私は前に、「欧州共通通貨という理念そのものが間違っているから、ギリシャはユーロを離脱するべきだ」と書いた。だが、その認識は、いささか甘かったようだ。
欧州共通通貨という理念そのものが間違っている。その通りだ。とすれば、ギリシャ1国がユーロ離脱すればいいというものではない。ユーロという概念そのものを崩壊させる必要がある。ここでは、「弱い者は出ていけ」というような発想では済まず、「その中核的なものが出ていく」という形で、全面的に崩壊させる必要がある。
私見では、通貨は基本的には、各国ごとにバラバラに決めるべきだ。ただし、次の例外を取ってもいいだろう。
(1) 欧州の小国(ベルギーやルクセンブルク)は、近隣の大国に従属する (通貨権限を委ねる)
(2) 中規模の国は、文化的・経済的に近いことを条件として、近隣の国と共通通貨を取る。(例。スペインとポルトガル。イタリアとフランス。)
このような例外はあってもいいが、基本的には、共通通貨というもの自体が根源的に間違っていると言える。その理由は、すでに何度も示したから、ここでは繰り返さない。
[ 付記 ]
今回の危機に対して、「弱い国の国債を中央銀行が購入する」という方法を、欧州中央銀行(ECB)とドイツが拒んでいる。
→ ECB新総裁、国債市場への大規模介入を固く拒否
欧州全体が本当に「ひとつの国のように共通化している(共同体である)」のであれば、このようなことはありえかっただろう。つまり、
・ 欧州統一の是認という建前 → 共通通貨の維持
・ 欧州統一の拒否という本音 → 国債購買の拒否
というふうに、建て前と本音がズレている。はっきり言って、矛盾である。統一を、是認するか、拒否するか、どっちかにすればいいのに、一方では是認して、他方では拒否する。だから、こういう矛盾した状況になる。
ここに物事の本質がある。どっちかに決めないと、今の状況(矛盾ゆえに生じた状況)は、ずっと継続するだろう。
( ※ なお、私としては、「欧州共通化 or 国家解消なんて、ハナから無理なんだから、少なくとも通貨については統合するべきではない」という立場を取る。最初からその立場だった。)
【 関連項目 】
→ サイト内検索「欧州共通通貨」
◆ ユーロ離脱の手順(ギリシャ)
で書かれているような感じしかないのかなと思いました。
ただ、為替レートの乖離が4倍というのに驚きで、そこまでになると、実際には年15%程度のドラクマ切り下げでスムーズな移行をするのは恐ろしく困難だなとも、感じました。一番ネックになるのが金融取引です。
銀行が、ドラクマ建てで融資しなくなる、預金者は直ちにドラクマをユーロに両替してしまう、機関投資家もドラクマを空売りする、通貨発行者が誰であれ、ユーロの供給は無限に必要になる、
社会にヤミレートが蔓延しドラクマが暴落してしまう、といったことになるでしょう。
ですから、ドイツがユーロ圏を離脱する方が、よほど、現実的だろう、という気はします。
問題は、ドイツは、ユーロ圏から離脱すれば、強烈なマルク高に襲われてしまい、輸出や雇用が大打撃を受けるだろうということでしょう。
また、ドイツの金融機関は、ユーロ建ての対外資産が対マルクで暴落するので自己資本が毀損し、ドイツ自体も、金融危機に襲われてしまう。
そもそも、各国はユーロ維持のためそれを嫌って、ギリシャに焼石に水の融資を実行している。ドイツはそれすら対応しようとしない身勝手さ。
ドイツは、強者でありながら通貨の切り上げを拒む、弱小国への支援も拒む、債務カットも金融支援につながるので嫌だ、という八方塞がりの利己的態度であり、通貨切り上げのため自分からユーロを離脱しようという政治的動機はないでしょう。
それははなはだドイツの手前勝手であるというしかありません。管理人さんの言われる矛盾というのはそういうことでしょう。
となると、矛盾した経済システムの収斂、危機の行き着く先は、ギリシャのユーロ建て国債のデフォルト、それによるドイツを含めた金融危機しかありません。デフォルトを避けることが間違っていると思います。
ギリシャ国債をデフォルトさせる、当然金融危機は起きる、そうすることで、独仏は、対外資産が毀損しますが、それ以上資産の毀損を気に掛ける必要はないので、ギリシャがユーロを離脱しても構わない、となる。
結果としてはそうなるのではないかと思います。
おそらく、ギリシャにとっては、エクアドルの破産のように、ユーロ建て国債の支払は停止する、ユーロの供給などいらない、というのが一つの解決です。
ギリシャ経済は大混乱し、銀行もつぶれるでしょう。ギリシャ国債はクズ値で取引される。その市場価格で、いずれ経済再建後のギリシャは国債を買い戻すと宣言すればよい。いや、買い戻さなくても、よいかもしれない。
問題は、それでよいとわかってしまえば、残りのPIIGSが追随しかねないことです。
過去分の解決と未来分の解決を混同してはいけません。過去の解決しか見ていない人が多すぎる。未来の解決のためには、ユーロ離脱は不可避であり、そして、ユーロ離脱をするのならば、デフォルトはメリットよりもデメリットの方が大きい。なぜなら過去の分は限定されているが、未来は無限だから。
そもそも、デフォルトは本質的には不要です。ギリシャの債務は日本と比べてもひどくない。ギリシャがデフォルトする必要があるとしたら、日本だってその必要があることになります。