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「消費税増税は、財政赤字の縮小のためには必要だ」
というのが、増税論者の根拠だ。
では、本当に、消費税増税によって、財政赤字は縮小するのか? そのことを知るには、次の二つのグラフを対比してみるといい。
《 日本の名目GDP 》

《 日本の税収 》

※ 1985年 = 昭和60年 ,1990年 = 平成2年
1998年 = 平成10年 ,2010年 = 平成22年
※ 前者の出典は、Wikipedia (グラフ化は私 )
後者の出典は、財務省のページ
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これを見ると、次のことがわかる。
・ 1990年(平成2年)以降、税収は下落基調にある。
(60兆円 → 40兆円)
・ 1990年(平成2年)以降、名目GDPはほぼ一定値。
(500兆円程度)
ここから、次のことが結論できる。
「名目GDPは変わらないのに、税収は大幅に減ってしまった。その間、税制度では減税はなかった。消費税増税(3% → 5%)があっただけだった。したがって、財政赤字の原因は、税制度ではない。原因は、景気悪化である。(法人税と所得税の大幅な落ち込み。)」
ここから、次のことも結論できる。
「財政赤字を縮小することは、大切だ。しかし、そのためになすべきことは、税制度の改正ではなくて、景気回復である。景気回復があれば、少なくとも平成2年の水準まで、税収を戻すことができる。さらに、景気回復にともなう物価上昇の効果で、それ以上の税収アップが見込める。こういうふうに二重の意味で税収増をもたらすのが、景気回復である」
さらに、次の推論もできる。
「消費税増税は、景気を冷やすことで、税収をかえって減らしてしまう効果があるだろう。実際、1997年(平成9年)の消費税アップのあと、税収は落ち込むばかりであり、消費税アップ以前の税収を上げたことは一度もない。税収面で見ると、完全に逆効果だった。それと同様のことが、次回の消費税増税でも起こりそうだ」
以上をまとめて言えば、こうなる。
・ 消費税増税は、税収増をもたらさない。(逆効果)
・ 税収増をもたらすのは、景気回復である。
つまり、景気回復があれば、「税収増」と「企業や国民の経済状況の改善」という双方が同時に達成される。増収のためにいちいち税率を上げる必要はないし、税率を上げて不景気にするという逆効果も生じない。一石二鳥。
【 注 】
景気回復については、下記を参照。
→ 景気回復の方法は? (総需要の拡大)
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ついでに、補足的な解説をしておこう。(読まなくてもよい。)
(1) 成長は低迷?
名目 GDP は、1990年以降、頭打ちである。これをもって、「日本経済は低迷している」と思う人もいそうだ。
しかし、この間、物価上昇率はマイナスだった。その意味で、実質 GDP は、名目GDPとは違って、上昇している。( → Wikipedia のデータ )
さらに言えば、この間、 円レートは大幅に上昇した。したがって、ドル表示で見れば、日本の GDP は、大幅に上昇している。次のグラフを参照。
→ http://nando.seesaa.net/article/229619420.html
このグラフからわかるように、1990年に比べて、2010年の値は、約 1.8倍になっている。さらに、昨今の円レートを見よう。

→ http://j.mp/KsQIqG
2010年には 1ドル=90円強 だったのに、昨今では 80円を割っている。12〜14%ぐらいの下落だ。これを勘案すると、昨今のドル表示では、日本の GDP は、1990年に比べて、2倍ぐらいになっていると見なせる。22年間で2倍になるのであれば、たいした成長率だ。
その意味で、決して停滞しているわけではない。相変わらず、潜在的な生産力に比べて低い水準ではあるが、それでもとにかく、経済成長はなしている。(相対的には低迷状態だが、絶対的な数値では着実に成長している。)
(2) 円安景気
税収は 2006年〜2007年のころには上昇している。それはなぜか?
これについても、すぐ上の円レートのグラフを見ればわかる。このころちょうど、円安になっていたのだ。(1ドル=120円程度,1ユーロ=160円程度。) この円安にともなって、輸出産業が好景気に沸いた。そのおかげで、法人税の税収がアップしたのだ。(ただし、労働者への配分は多くなかったので、所得税はあまり伸びなかったようだ。)
ここでも、「税収増をもたらすのは景気回復である」ということが、部分的に証明されたことになる。
ただ、このときは、外需頼みであり、内需拡大はなかったから、景気回復は本格化しなかった。日本の輸出は、GDP の1割程度でしかないから、そこだけが回復しても、景気の本格回復にはつながらないのだ。
【 関連項目 】
本項の続編。(次項)
→ 財政赤字と消費税
→ http://www.stat.go.jp/data/roudou/pdf/point14.pdf
ただ、今後の推計値では、労働力人口の減少がかなり影響する見込み。
→ http://j.mp/MeNcgK
これに伴って税収も減少し、一方、高齢化社会にともなって社会保障費は増えていく。
数%程度の消費税増税なんかで対処できるはずがない。景気回復によって税収を何倍にも増やす必要がある。
期間を下のグラフとそろえました。
また、一部修正しました。
→ http://d.hatena.ne.jp/Baatarism/20100703/1278169815