「米国の金融危機を予測できなかったのはどうしてか?」という質問がある。それに答えよう。
──
( ※ 本項の実際の掲載日は 2012-10-14 です。)
2008年秋に米国金融危機があった。その直後、エリザベス女王がセレモニーに出席したついでに、経済学者に質問したそうだ。
「どうして危機が起こることを誰もわからなかったのですか?」
経済学者は激しく動揺したあげく、あとで結論を出した。
「当時はここの経済事象に目を奪われるだけで、誰も全体には目を向けなかった」と。
以上は、朝日新聞(朝刊・2面コラム 2012-10-11)による話。
私の見解を言えば、こうだ。
「米国に金融バブルが起こっていることは、クルーグマンや私が指摘したし、その金融バブルが破裂するだろうということも、同時に指摘してきた。誰もわからなかったのではない。クルーグマンや私はわかっていた。ただし、たいていの経済学者は、それを聞こうとしなかった」
つまり、誰もわからなかったのではなく、わかっていた人はいたのだが、大部分の経済学者が聞こうとしなかっただけだ。
具体的にどう指摘してきたかは、下記項目に記してある。
→ 予告された米国金融危機: nando ブログ
ただ、破裂の具体的な形までは、私も予想できなかった。「デリバティブはインチキな詐欺だ」ということは、私は前もって指摘してきたし、それがバブルと結びつくことも指摘してきた。(上記項目の最初のリンク)
だが、「詐欺」と「バブル破裂」が、これほどにも直接的に結びついて巨大化するとは予想していなかった。換言すれば、詐欺がこれほどまでにも巨大に拡大していたとは、私も気がつかなかった。
その意味では、「金融犯罪がこっそりとなされていた」ということになる。犯罪というものは、露見するまではバレないから、わからずにいたわけだ。
ただ、この犯罪は、隠蔽されていたわけではなく、もともと白日の下にさらされていた。だから、米国に住んでいれば、その情報を得ることもできただろう。一方、私は日本に住んでいたし、英字新聞を毎日つぶさに読んでいたわけでもないから、米国の金融界の出来事には疎かった。だからデリバティブ犯罪には気づかなかった。そういうことだ。(クルーグマンならば気づいていても良かった。米国在住の経済専門の学者だしね。)
あとになってなら、金融危機については分析した。
→ 米国の金融危機の理由 1: nando ブログ
→ 米国の金融危機の理由 2: nando ブログ
特に、後者が重要だ。金融危機の本質は、バブルと詐欺である。土地または債権というものを、実際の価値以上に素晴らしい価値があると見せかけて、値を上げる。値がどんどん上がると、すごい利益が上がったように見える。しかしながら、実際には、価値はちっとも上がっていない。「価値が上がった」という用に見せかけているだけである。そして、人々がだまされている間は、それでいいが、あるとき、夢は続かなくなる。そして真の価値に気づく。そのとき、夢は破れ、バブルは破裂する。(夢から現実への移行。その差額となる部分がつぶれる。100のものが 150の価値があると見えたあとで、100の価値しかないと気づいたとき、50のバブルが消える。)
だから、「どうして誰もわからなかったのですか?」という質問には、こう答えるといい。
「誰もわからなかったのではない。詐欺師の言葉を真に受けた人々だけがだまされたのだ。それについて警告する人はいたのだが、だまされた人々はその警告に耳を傾けなかった。そして、たいていの経済学者もまた、その警告に耳を傾けなかったのだ」
それなのに、日本の中国への投資額は高いままだから、大損しそうですね。
さっさと尖閣諸島の国有をやめて、間接保有にすれば、解決するんだが。
→ http://openblog.meblog.biz/article/11621511.html
知恵がないんですね。
中国からの撤退という選択肢はありません。日産自動車の売上げは日本よりも中国の方が多い。どうせ捨てるなら日本を捨てる方がマシだ、というのが日産の経営判断でしょう。
喧嘩はどっちにとっても損。仲良くするのが一番。それに気づかない人が多すぎ。
ただ、仲良くするためには、言うべきことをきちんと言わないといけないんだが。それができないのが日本政府。
回答ありがとうございました。