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安倍政権の方針では、日銀の次期総裁と副総裁に、金融緩和派が任用されそうだ。特に副総裁には、ゴリゴリの金融緩和派である岩田規久男が任用されそうだ。
→ 銀副総裁就任受諾の岩田規久男氏の横顔-リフレ派代表格
このまま行くと、日銀は徹底した金融緩和を実行しそうだ。では、その場合、どうなる? 大幅な金融緩和によって、インフレが起こるか?
「イエス。インフレになる」
というのが、金融緩和派(リフレ派)の見解だ。しかし、これが間違っていることは、すでに歴史的に証明されている。
それは何か? 1980年代のバブルだ。つまり、資産インフレだ。
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人々はもうバブル膨張のことを忘れてしまったのだろう。しかし、あの時代に何が起こったのか、覚えておくことが必要だ。次のようになった。
・ 急激な円高の進行
・ 大企業(輸出産業)による円高対策の要請
・ 大幅な金融緩和
・ しかし、投資拡大はなされず、賃金上昇もなし。
・ かわりに、土地や株といった資産への投資拡大。
・ 土地と株の価格急上昇(資産インフレ = バブル)
・ 物価上昇は起こらず。金融緩和の持続。
・ バブルの急膨張。
・ 「金持ちになった」と錯覚したあげくの浪費。
・ 限界に達して、バブルの破裂。
・ 土地と株の価格急下落。
・ 莫大な不良債権の発生。赤字のツケ払い。
・ 不況。倒産と失業の大発生。賃金引き下げ。
・ 20年以上のデフレ。
簡単に言うと、こうだ。
「金融緩和によって、実体経済がなだらかに拡大していくと思った。しかし実際に起こったのは、実体経済の拡大ではなく、資産市場の拡大だった。それが急激に膨張して、急激に破裂した。その後は、後遺症で、20年以上のデフレとなった」
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これが、バブル膨張とバブル破裂の顛末(てんまつ)だ。そのすべては、自然現象ではなく、人為的に起こされたものだ。そして、それを引き起こしたのが、「大規模な金融緩和」だったのである。
そして、その方針が取られて理由は、
「金融緩和による景気拡大」
という発想だった。つまり、今現在の安倍政権の発想だ。
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ここまで来れば、冒頭の質問への回答もできる。
大幅な金融緩和によって、何が起こるか? たぶん、流動性の罠ゆえに、何も起こらないだろう。
ただし、ひょっとしたら、「積み上がった箱が崩れる」というような形で、何らかの効果が起こるかもしれない。それは、「ハイパーインフレ」かもしれない。
だが、もっと大きな可能性は、「資産インフレ」だ。生産設備への投資が拡大しないまま、資産投資(土地・株への投資)のバブルばかりが膨らむ。そして、どんどん膨らんで、「大儲け」と喜んだあとで、そのバブルが一挙に破裂する。あとに残るのは、膨大な不良資産だ。その膨大な不良資産のツケ払いのために、さらに 20年以上のデフレとなる。
今度起こるデフレは、ただのデフレではない。前回のデフレのあとに起こる、二重のデフレだ。デフレのなかのデフレだ。それはほとんど「恐慌」とも言える。
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比喩的に言おう。
体調の悪い男が、強壮剤を飲んで、マラソンみたいな運動をした。「俺は調子がいいぞ」とばかり、奮闘した。
しかしそれはすべて強壮剤ドーピングの結果だった。強壮剤の効果が切れたあとは、体力がひどく消耗して、寝込んでしまった。それが 20年ほど続いて、ようやく健康になれそうになった。もうそろそろ立ち直れるかな、と思った。
そこへ安倍医師がやって来て、薬を処方した。「なかなか立ち上がれませんね。この新たな薬を差し上げます。これで立ち上がれますよ」
そして安倍医師は薬を差しだした。しかしそれは、20年以上前に飲んだ、あの薬と同じものだ。薬効にはこう書いてあった。「ものすごく強力な強壮剤です。これを飲めばマラソンも走れます。ただし、そのあとどうなるかは、知らないよ」
それを読んだ男は質問した。
「この薬は何ていう名前なの?」
「インフレだよ」
と安倍医師は答えた。
しかし男は念のため、薬のラベルを読んだ。そこには「バブル」という名称が記してあった。男は質問した。
「本当にインフレなんですか?」
「そうだよ。インフレだよ」安倍医師はにっこりと笑った。「私の言うことを聞けば、必ずうまく行くんだよ」
そこで男はもう一度薬効を読み直しした。こう書いてあった。「そのあとどうなるかは、知らないよ」
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《 漫画 》

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日銀はふたたび資産インフレ(バブル)を引き起こしたあげく、最終的にはバブル破裂を通じて、日本を壊滅させる気かもしれない。仮に北朝鮮が日銀総裁を選ぶとしたら、間違いなく、岩田規久男を任用するはずだ。その効果は、核ミサイルによる原爆よりも、はるかにひどい。日本経済を壊滅させるだろう。
愚かな半可通の首相は、日本経済にインフレを起こそうとして、資産インフレを引き起こすのである。インフレと資産インフレの区別が付かないがゆえに。
[ 付記1 ]
じゃ、インフレと資産インフレの違いは、どう生じるか?
基本的には、こうだ。
「インフレのときには、実体経済が拡大するが、資産インフレのときには、実体経済はあまり変わらないまま、名目的な資産価格ばかりが上昇する」
では、その本質的な違いは? こうだ。
「大量の資金が、設備投資に向かうか、資産投資に向かうか」
では、その違いは、どこから来るか?
「一般民衆の所得が拡大して消費が拡大する、という現象が、あるかないか」
つまり、「一般民衆の所得が拡大して消費が拡大する」という現象があれば、消費が拡大して、設備投資も拡大して、雇用も拡大する。こうして好況が起こる。
一方、「一般民衆の所得が拡大して消費が拡大する」という現象がなければ、消費が拡大しないし、設備投資も拡大しない。行き場を失った大量の資金は、資産市場に投入され、資産インフレが起こる。それは、真の好況ではなく、妄想による好況だ。やがて妄想から冷めたとき、バブルが破裂する。そのあとは、長期の不況となる。
[ 付記2 ]
漫画においては、水色のマネーをどんどん投入しても、左側の設備投資は拡大しない。では、どうしてか?
それは次の理由による。
「設備投資の量は、投資需要という外枠によって制約されている」
設備投資をいくら拡大しようとしても、その外側には、投資需要という外枠がある。これが設備投資の総量を制約している。この制約があるので、内側からいくらマネーを流入させても、設備投資は拡大しないのだ。
設備投資を拡大させるには、内側からマネーを流入させればいいのではなく、外側から外枠を拡大する必要がある。つまり、投資需要を拡大する必要がある。ここで、投資需要とは、消費とほぼ等価だ。
この原理を理解しないまま、内側でマネーばかりを流入させるから、設備投資が拡大するかわりに、資産投資が拡大する。これが資産インフレ(バブル)だ。
【 関連項目 】
同趣旨のことは前にも述べたことがある。
→ インフレ目標で資産インフレ
似た話題もある。
→ インフレ目標は逆効果
→ 2%のインフレ目標は?
ま、実体経済の拡大の経路も考えずに、「金さえどんどん投入すれば経済は拡大するだろう」という非科学的な発想(ただのヤマカン)を取ると、金はとんでもない方向で副作用ばかりをもたらすのだ。
比喩的に言えば、病気の正しい診断もしないで、見当違いの薬をどんどん投与しても、副作用があるばかりで、肝心の薬効は何も生じない。
( ※ インフルエンザの患者に抗ガン剤を大量に与えても、副作用が生じるだけだ。金融緩和という政策は、そういう見当違いの政策だ。)
( ※ では、正解は? 足りないのは、投資の金ではなく、消費の金なのだ。そこに金を投入することが、正しい薬だと言える。)
>「一般民衆の所得が拡大して消費が拡大する、という現象が、あるかないか」
の部分と
> ・ 「金持ちになった」と錯覚したあげくの浪費。
の部分で早速矛盾を起こしていますね。それとも私が認めるような種類の消費以外は消費ではない、浪費だ、ということでしょうか。
>物価上昇は起こらず。金融緩和の持続。
これも物価上昇率が前年比マイナスというところから僅か2,3年で+2%以上へと急上昇した時期という点を踏まえていませんし、金融緩和が持続したのはプラザ合意で国際的に金融緩和すると約束したのに反対に引き締めたりしたという、日銀の失政が原因となったものです。
>投資拡大はなされず、賃金上昇もなし。
このあたりに到っては単なる嘘ですね。
実体経済にこだわるなら、まずは失業率が大幅に改善していた、需要不足失業がマイナスになるほどだった、ということも書かないとフェアさが欠けます。失業とは実体経済の出来事そのものですから。
そんなデータはないはずです。
→ 12月の有効求人倍率、5カ月ぶり改善 失業率は8カ月ぶり悪化 2013.2.1
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130201/fnc13020108510002-n1.htm
被災地では土建業で人手不足になっている、というぐらいでしょう。局所的な現象が発生しているだけ。