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ギリシャ危機が一応解決した。ギリシャの財政改革を条件に、EUが不足資金を融資する、という方針。
欧州連合(EU)のユーロ圏19カ国は14日、ブリュッセルで財務相会合を開き、財政危機に陥っているギリシャに対し、3年間で最大860億ユーロ(約11兆8700億円)の新たな金融支援を行うことで正式に合意した。ギリシャの財政破綻は当面回避され、世界の金融市場を揺さぶったギリシャ危機はひとまず収束することになる。だが、ギリシャが巨額の借金を削減する道筋は見えておらず、再建には不安も残る。
ギリシャへの金融支援は2010年(総額1100億ユーロ)、12年(総額1300億ユーロ)に続いて3度目。ギリシャが年金削減などの緊縮策を含む構造改革を着実に実施するのが条件。ユーロ圏各国が資金を拠出する金融安全網「欧州安定メカニズム」を通じ、ギリシャの改革の進捗状況に応じて段階的に行う。
ユーロ圏各国の議会承認などを経て、初回は260億ユーロを10月までに融資する。このうち130億ユーロは20日までに融資する。ギリシャが20日、欧州中央銀行(ECB)が保有するギリシャ国債32億ユーロの償還(借金返済)期限を迎えるため。残る130億ユーロのうち100億ユーロは、預金流出で経営が悪化している銀行への資本増強に充てる。
ギリシャの改革案は、公的年金削減や付加価値税(日本の消費税に相当)増税などの緊縮策のほか、500億ユーロ相当の国家資産民営化に向けたファンド創設などが柱。これらの改革で、基礎的財政収支(政府が政策に使う経費を新たな借金に頼らずにまかなえるかを示す指標)を16年に黒字化し、18年までに国内総生産(GDP)比3.5%の黒字にすることを目指す。
( → 毎日新聞 2015年08月15日 )
こうしてあっさり解決したのを見ると、「これまで天地がひっくり返ると言わんばかに大騒ぎしていたのは、いったい何だったんだ?」と疑問を感じる人も多いだろう。そこで、本項で解説しておこう。
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今回の解決は、不思議に思えるかもしれないが、実は、何の不思議もない。私がもともと予告(予想)していたとおりだ。
ギリシャ危機(2015)は、ものすごい大問題であるというふうに報道されている。
・ 債務の返済ができない
・ デフォルト
・ 財政破綻
・ ギリシャのユーロ脱退
なるほど、これらの報道だけを見ると、ものすごい大問題であるように見える。私も、詳しい事情は知らないまま、報道だけを見て、「大問題だな」と思い込んでいた。
しかしながら、詳細を知ると、「この問題はかなり小さな問題だ」と判定した。なぜなら、ギリシャの財政収支は、本当は悪くはないからだ。
……
日本に比べればはるかに財政は健全であるのが、ギリシャだ。とすれば、ギリシャぐらいの財政赤字や政府負債で、大騒ぎするほどのことはないのだ。どうせ大騒ぎするなら、日本の方に騒ぐ方がまだ合理的だ。
……
(日本と同様に)ギリシャだって、「金の借り換え」をスムーズにやれば、何の問題もないのである。
( → ギリシャ危機の解決策(2015): nando ブログ )
ここでは、二つの重要な点を示した。
・ ギリシャの財政は黒字化しているので、大騒ぎする必要はない。
・ 「金の借り換え」をスムーズにやれば、何の問題もない。
そして、ここで示した二点を実行したのが、今回の解決策だ。つまり、
「ギリシャの財政改革を条件に、EU が不足資金を融資する」
ということだ。(冒頭で述べたとおり。)
というわけで、すべては私が予告(予想)していたとおりになったのであって、何も不思議はないのだ。
不思議があるとしたら、大騒ぎする必要もないところで、勝手に大騒ぎしていた、阿呆な連中だ。踊る阿呆と、見る阿呆。
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さて。これで終わっては話がつまらない。さらにもうちょっと、話を付け足すことにしよう。
EU は、融資をする条件として、ギリシャに財政改革を条件付けたが、これは正しいことか? 正しそうに見えるが、実は、正しくない。
これは、私の独自の見解ではない。まともな経済学者は、皆同じ意見だ。このような緊縮政策に対して、賛否を問うと、次のようになる。( → 出典 )
・ スティグリッツ …… 反対
・ クルーグマン …… 反対
・ ピケティ …… 反対
つまり、三人とも「反対」(緊縮政策に)である。( → 参考記事 )
ついでに言えば、私も同意見だ。
ではなぜ、EU の求める緊縮政策に、経済学者は反対するのか?
ギリシャの国民が「反対」したがったのは、「国民生活が苦しくなるから」だが、それが理由か? 違う。もっと別の理由がある。
そもそも、EU が緊縮政策を求めるのは、「財政再建」が目的だった。「支出を減らして、税収を増やせば、財政が黒字化されるので、財政が再建される」という理屈。
しかし、まともな経済学者は、これを否定する。
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どういうことか? 経済学者の理論の根拠は、「ドーマーの定理」だ。
ドーマーの定理とは、
名目成長率 > 国債金利
であれば、財政破綻しない、という経済学の理屈。(長期的な場面で。)
( → ーマーの定理: nando ブログ )
ここでは、金利を上回る成長率を達成することが、財政破綻を回避することの条件だ。とすれば、何よりも、経済成長が大切であるはずだ。
ところが、EU がギリシャに求める緊縮策をとると、成長率は、伸びるどころか、悪化してしまうのだ。これでは本末転倒と言える。
このことは、下記項目で、グラフとともに説明した。
→ ギリシャ問題の混迷: nando ブログ
ここからグラフを一つだけ再掲すると、こうだ。
《 ギリシャの GDP 》

出典
ギリシャは、借金をどんどん返済していっているが、その間、国の経済的な体力(GDP)は、どんどん減じていってしまう。失業率もうなぎ登りだ。これはほとんど自殺行為だ。
比喩的に言うと、こうだ。
「病気のせいで借金がたまった病人が、借金を返せと尻を叩かれて、病み上がりのまま無理に働いて、虚弱なまま必死に少しずつ借金を減らしていく」
これは正しい方策ではない。下手をすると、病人が死んでしまう。ギリシャの場合、最悪の場合、破綻してしまう。
つまり、今回の回避策は、一時的な回避にはなるが、本質的な解決にはなっていない。むしろ、潜在的な破綻の可能性をかえって高めている。
では、どうすればいいか? 比喩的に言うと、こうだ。
「病気のせいで借金がたまった病人が、借金を返せと尻を叩かれている。こういうときは、病み上がりのまま無理に働くのではなく、金を借りて、薬を飲んで、病気をきちんと治すといい。その後、病気が治ったら、健康体で、いっぱい働けばいい」
ギリシャに即して言えば、こうだ。
「まず金を借りて、(緊縮策とは逆の)成長政策を取るといい。そうして経済体質を強固にしたあとで、増税によって、財政を黒字化して、借金を急速に返済していけばいい」
対比すると、方針としては、次の二通りがある。
・ 毎年1%ずつ借金を返済する。その間、経済体質はどんどん虚弱化していく。
・ 借金を減らすどころか増やして、経済体質を強化する。その後に、大幅に借金を返済する。
この二つは、まったく逆の方針だ。そして、EU は前者を要求するが、経済学者は後者が正解だと知っている。
つまり、EU は経済学的に間違った道を取っている。それは「ギリシャ破綻」へ近づく道である。
ついでだが、日本も同様だ。消費税増税などの緊縮策は、間違った経済政策である。つまり、日本政府は経済学的に間違った道を取っている。それは「日本破綻」へ近づく道である。
[ 付記 ]
ギリシャが経済成長するとして、どのような産業で成長するべきか?
現状は、観光ぐらいしか、産業がない。ここには多大な労働人口が入っているので、これ以上、観光業ばかりを伸ばすわけにも行かない。(そもそも観光資源は有限なので、観光産業がこのあと急激に伸びるはずがない。その上限は、欧州から来る客の数に制約されている。)
私の考えでは、ギリシャはまずは農業を増やすべきだと思う。工業などは、ドイツに対抗することは不可能だ。かといって、軽工業は、アジア諸国に太刀打ちできない。となると、EU の障壁で守られた農業ぐらいしか、成長は見込めまい。
ギリシャの農業は、国の規模からしても、かなり小さい。何しろ、後進国でありながら、自国の食糧を自給できないありさまだ。最低限、小麦などを自給できるようにするべきだろう。
そのための土地は? 調べてみたが、ありあまってるようだ。日本に比べて大幅に少ない人口なのに、平地はたっぷりとある。しかも、温暖な気候だ。農業陶業に適した土地は、いくらでもありそうだ。
ちなみに、ストリートビューで見つけた画像。
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もう一つ、有望なのは、「税務署員」だ。ギリシャは、脱税が多いせいで、税金の徴収が足りない。しかも、公務員がやたらと多すぎる。
ならば、公務員を、税務署員にして、税金をきちんと徴収すればいい。これで、無駄な公務員を削減する効果があるし、取りはぐれた税金をきちんと徴収する効果もある。
ま、ギリシャは、国家としてまともな国家になっていないので、公務員を研修することで、まともな国家にすることが可能だろう。
ついでに、農業も、農業の研修が必要だろう。
公務員の研修と、農業の研修。さらに言えば、工業や商業の研修もあるといいだろう。
ギリシャに欠けているのは、働くときのノウハウであるようだ。そのノウハウを、きちんと教えれば、ギリシャの産業も再建されていくだろう。そして、産業が再建されれば、財政も再建されるだろう。……これが経済学的に正しい方針だ。その逆ではない。( EU は逆の方針を取っている。)
成人になってしばらく経つ放蕩息子を勘当するか、再教育するか、いずれも息子の自立につながりますが、ヤルヤル詐欺みたいな事を繰り返したので堪忍袋の緒が切れかけたのも事実です。欧州の金持ち国は愛情が薄い様ですが、不法移民やらなんやらで気が立っているのかもしれません。